［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　沼に膝まで浸かったのは初めての経験だった。
　ここハザマでの行軍の最中に沼地を歩いたことは何度もあったが、
わさわざ沼の中に入ろうと思うことはなかった。イバラシティでは
言わずもがな。しかし、きっとこのハザマでは他の沼地で自分たち
と同じように沼に浸かっている人間がいるのだろう───立派な蓮
根を求めて。

（なんで、か）

　つい数十分前、泥に身体が浸からぬよう宙に浮いたまま蓮根を引
きながら口を尖らせていたアイツの言葉を思い出す。こんな泥に塗
れてまで蓮根を探している理由なんて、分かっているだろうに。１
本だけでも良いから魔香に使えそうな立派な蓮根を収穫するためだ。
それは即ちアイツのためとも言えるのだが───そう取られるのは
癪だったもので、つい憎まれ口を叩いてしまった。もし、この探索
で良い素材が採れなかったら、カスミ総合公園のミッションを提案
しようか。沼で採れるものと比べて多少品質は落ちるものの、あち
らでも蓮根を入手できたはず。

（アイツのためじゃない。戦争に勝つため、だ）

　頬に跳ねた泥を拭おうとして溜息を吐く。羽織を少し離れた木に
掛けておいて正解だったと言わざるをえない。手腕はもちろん、肘
まで捲り上げた服の袖もべったりと泥で汚れていた。髪を掻き上げ
たい衝動を押し殺しつつ沼の縁を見遣れば、蓮根含め拾い上げた物
体で出来た小山が数個。そろそろ水洗いして選別する作業に入るの
も良い頃合いだろう。決して引抜き作業に倦んだ訳ではない。

「雛菊」

　上体を起こし、周囲を見回して思わずぎょっとする。自分の後方
に立っていた雛菊は、いつのまにやら頭の天辺まで泥に塗れていた。
ほんの少しばかりぼんやりとした表情を浮かべていたが、もう一度
名前を呼ぶとパチリパチリと目を瞬かせてから「あは、やっちゃっ
た」と笑った。よくよく見ればざぶりざぶりと沼を掻き分けてこち
らに寄ろうとする姿は如何にも不器用で、泥に足を取られるのは道
理だと思えた。

「慣れているんじゃなかったのか？」
「お寺の近くに蓮田があったのは本当だよ？　子供たちが収穫を手
　伝っていたことも」

　再び転ばないようにと近づいて手を伸ばせば、雛菊はほんの少し
だけ決まり悪げに眉尻を下げただけで、抵抗することなく素直に抱
え上げられた。

「お寺に居た頃はね、外に出る時は必ず麻の袋を被るようにして
　いたから蓮田に入れて貰えなかったんだ。危ないって言われてさ」

　雛菊がぽつりと呟いた。
　蓮田に居る子供たちを、麻袋を被った少女がぽつねんと眺めてい
る姿が浮かぶ。収穫作業に夢中になってはしゃぐ明るい声を、少女
はじっと聞いていたのだろう。

「……どうだ。実際にやってみて楽しかったか？」

　沼から上がり、雛菊を地面へと下ろす。

「ん〜〜遼馬は楽しかった？」
「とりあえずシャワー浴びてえわ」
「あは、そだねー。藤久にもそろそろ切り上げようって声掛けよっか」
「わざわざ行かなくても、休憩してたらそのうち戻ってくるだろ」
「だめだめ。放っておかれるのは寂しいでしょう？　それに、ほら。
　シャワー」
「シャワー扱いも大概だと思うぞ？」
「冗談だよ？」
「ビッグウェイブもか？」
「それこそ冗談だよー。さすがにビッグウェイブで洗い流したら蓮根
　も駄目になっちゃうだろうし」
「それは困るな」
「でしょう？」
「いや、そうしたら魔香に出来ない蓮根しか採れてなくても、ビッグ
　ウェイブの所為だって言える……か」
「りょーま」
「冗談だ」
「もう。藤久は優しいからそんなこと言ったら気にしちゃうでしょ。
　やらせちゃ駄目だし、もしやっちゃっても言っちゃ駄目だよ？」
「優しい、か」
「優しくない存在はね、誰かを害したことを後悔なんてしないの。
　苦しまない。罪悪感なんて、抱かない」

　数刻前、悪かったと言いながら握飯を押しつけて消えた背中を思い
出す。アイツの態度に乗り掛かる形でこっちもぞんざいに返してきた
のだから、アイツばかりが悪い訳じゃないのに。

「……その理屈でいったら、俺は優しくないことになるが」
「んー、そんなことないよ？　遼馬さ、無自覚みたいだけど……ここ
　最近、おにぎりを食べる顔が複雑そうだったもの」
「…………」
「ふふ。それじゃ、藤久呼びに行こっか」
「………応」

ENo.58 『高国藤久』 とのやりとり

『高国藤久』(58) から 不思議な粉 を手渡しされました。

『高国藤久』(58) に ItemNo.25 スレッジハンマー を手渡ししました。

ItemNo.35 おにぎり（牛カルビ） を食べました！
　体調が 1 回復！（23⇒24）
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

制約LV を 5 DOWN。（LV21⇒16、+5CP、-5FP）
付加LV を 49 DOWN。（LV86⇒37、+49CP、-49FP）

響鳴LV を 10 UP！（LV25⇒35、-10CP）
合成LV を 54 UP！（LV45⇒99、-54CP）

『高国藤久』(58) により ItemNo.16 赤い薔薇 に ItemNo.24 毒液 を合成してもらい、謎の肉 に変化させました！
　⇒ 謎の肉／食材：強さ20／［効果1］増幅10(LV5)［効果2］攻撃10(LV15)［効果3］強撃10(LV30)

『高国藤久』(58) の持つ ItemNo.32 桐の柄杓 に ItemNo.41 小判 を合成し、桐の柄杓 を強化しました！（+30）
ItemNo.11 教道感化 に ItemNo.19 小判 を合成し、教道感化 を強化しました！（+30）
　⇒ 教道感化／装飾：強さ302／［効果1］疫50 ［効果2］舞毒20 ［効果3］－


ItemNo.11 教道感化 に ItemNo.34 不思議な粉 を付加しました！
　⇒ 博打付加！［ 5 5 2 = 12 ］通常付加
　⇒ 教道感化／装飾：強さ302／［効果1］疫50 ［効果2］疫35 ［効果3］－


杵独王(843) とカードを交換しました！

【限定顕現：杵独王】 （インテンスドリーム）


ペトリフィケーション を研究しました！（深度0⇒1）
空間掌握 を研究しました！（深度0⇒1）
アスティオン を研究しました！（深度0⇒1）

カオス を習得！
スペシャルタイム を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

『高国藤久』(58) は 奇妙な骨 を入手！
杉乃(1139) は 奇妙な骨 を入手！
杉乃(1139) は 長い髪 を入手！
『高国藤久』(58) は 長い髪 を入手！

『高国藤久』(58) に移動を委ねました。

リュウジン区 Q-5（森林）に移動！（体調24⇒23）
リュウジン区 P-5（草原）に移動！（体調23⇒22）
リュウジン区 O-5（草原）に移動！（体調22⇒21）
リュウジン区 N-5（草原）に移動！（体調21⇒20）
リュウジン区 N-6（森林）に移動！（体調20⇒19）

［842 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［448 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［240 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［174 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［96 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［142 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［131 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［251 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［32 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［110 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［62 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［72 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［55 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［27 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［46 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［23 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　




　








　






着物の裾を上げ、脚を見せる。

表面がドロドロし、変色している。

　








ふたりの全身をじーっと観察するカグハ。






ふたりの裾を戻すエディアン。

　

　

　






　

　

　

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