［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……で、どう？　やっぱり一本吸わねえか？」

「……、……」

煙草に無言で手を伸ばし、そのまま口に咥える。
その動作ははじめてではなく、どちらかといえば手馴れた様子で。

ライターなど持ち合わせていないが、何か言う前に目の前に火が浮かんでいた。



肺に深く吸い込む感覚は久しぶりで、軽く噎せ咳き込む。
その姿がいつものグノウからしてみると少し間抜けに見えてしまい、フェデルタはプッと噴きそうになるが、隣からする視線に気づき咳払いで誤魔化した。
ただその視線は20時間前にハザマで出会った頃の鋭さ削がれ、しかし別の重みを含んだものに見えた。

「いつから吸ってないんだ？」
「――従者“ごっこ”をはじめてから」
「……ごっこ、ね」

ふう、と吐き出される煙。
そんな姿は従者をはじめてからすべて隠した。
従者という役に徹するために、酒と煙草と、話し方までそれらしく変えた。
グノウというこの名前すら、そこで名乗ることにして用意したものだ。

「毎朝起こしにいって、でも起きなくて。
　時間通りに来いと言った勉強部屋に来なかったり、
　食えと言った野菜も残す、
　行くなと言った場所に行くし、
　やるなと言ったこともする。
　あれが見たい、これがしたい――」
「あー……」

延々と出てくる迦楼羅の所業にフォローする言葉がない。
よく言えば自由奔放なのだが、自由すぎる様子は吉野俊彦の目を介して見ても明らかだった。

「――来るなと言っているのに、夜中に部屋に来ては眠れないから本を読めだの、
　異国の物語が聞きたいだの、一緒に寝たいだの……。
　めんどくさいことこの上ない」

眉を寄せ嫌そうには言うが、その声は尖っておらず、むしろ懐かしむよう。

「そんな日々を5年以上つづけていたら、"ごっこ"じゃなくなっていた」

いつの間にかそれは“本物”になってしまった。

「でもこの仕事は、私には向いていなかった」
「……っ、お前はそう言うかもしれないけどな、けど「私が――」

　　私　　　　　坊ちゃん
「従者　が　主 人　を、殺すんです。」


「何、を……――」

「貴方たちから見れば生きる気力がないように見えますか。
　全てを諦めてしまっているように感じられますか。
　楽になりたがっていると、貴方たちに自分の最期を委ねようとする狡い奴だと」

どう見えるかなど、さして大した問題ではないと思っていた。
とにかく最悪の事態を回避できれば、と。
しかし煙草を勧めてきた男はそうではないらしい。


――仲間ってのは、そういう時にどうカバーするかが大事なんだ。

　……って、俺はいろんなヤツから教えてもらったよ……一時的で形式的で、

　不本意な形だったとしても、今の俺達の関係はそういうことじゃねえの？


元はそんなことを考えるような人物ではなかったのだろう。
そこに至るまでの経緯などはなにもしらない。
だがフェデルタという男は、グノウが思うよりもずっとお節介で情がある人物だった。

「やはり人を見る目は、坊ちゃんの方がずっと上なんですよね」

煙草を咥えたまま、小さくそう呟いてから、
深呼吸するようにはき出した煙が消えた頃、また話し始める。

「――呪いのことを話すべきでした。この忌々しく、荊棘のように食い込み絡みつく――」





深く吸い込み、ゆっくり一言、
「不味い」
と吐き出した。

「悪かったな、んな不味いもんすすめて」
「違います」
「じゃ、なんだよ」
「味覚が……味がわからなくなっているんです。匂いもあまりしません、なにもかも遠く感じます」
「……それも呪い、か？」
「そう、なんでしょうね。
　――唯一、美味しそうだと感じるものがあります」
「なんだ？」

「坊ちゃんの血の匂い」

「……」
「不死者、アンデッド、ノスフェラトゥ――生者から転じる者たち、その一部には共通するものがある」

皆まで言わなくても分かる。
生者の環から外れた者たちが求め彷徨う先にあるもの。

「不死者は記憶がなくとも生前の縁に引かれる。私はそう教わりました。
　私が死んだあとこの体は私のものではなくなる、そう予約されている。
　そして私の体と魂を喰らいながら、早く命が尽きるようにと――」

深く深く、吐き出される、ため息のような煙。
そのあとすぐに咳き込んだ。

「……ゲホッ、……ッ、…ハァ……いつも…考えるんです、
　あの時に守りたいと力の為に手を伸ばさなければ。
　無理にでも坊ちゃんを家に帰していれば、私が……従者になっていなければ……」

ぼたぼたと地面に落ちた血は黒ずんでいる。
一瞬、無数の虫が蠢くかのよう盛り上がったあと、地に触れたその箇所が僅かに沈む。

そこを溶かし、腐食しているようだ。

「私が死んだ時、それは私が坊ちゃんを殺して喰らう時です。
　……、
　……貴方は坊ちゃんの為に苦しめと、言いましたね」

すっかり短くなった煙草は最後の灰を落とす。
咥えていた部分には赤黒い色が滲む。

「夢を見るんです、何度も手にかける夢を」

ハザマなのかイバラシティの出来事なのか、夢なのか現実なのか。
今もその境目は曖昧で、走るノイズは時折相手の顔すらわからなくさせる。

「教えてください。
　坊ちゃんを殺し喰らう未来を待つのは、楽をしてるように、諦めているように見えますか」

「……ふうん。なるほどねえ、不死王とはまた、随分でけえモンを喰ってたわけだ。
　そりゃ、俺にもわかるって事か」
「王と名がついていますが、器も品もないですよ。
　――ただ、私よりもずっと強い存在です」

生半可な力ではきっと止められない。
対抗するなら圧倒的にでたらめな何かである必要があった。

「だからスズヒコ、か」

グノウが話をしている間にフェデルタが吸っていた2本目の煙草も灰になっていた。
相変わらずグノウに視線を向けることも無く、かといって真剣に往来を見ている訳でもない。
手持ち無沙汰になった腕を組んで少し考えるように首を左右に揺らしていた。

「まあ、お前の事情はわかったよ。
　けど、結局生きるのを諦めるべきじゃねえってのは間違ってないんじゃねえの？」

フェデルタは真っ赤な空を仰いで息を吐く。

「俺の言い方も悪かったよ。別にお前が死んで楽になりたいと思ってるつもりはなかった
　──ただ、お前から漂う死の気配みたいなのが気になった……原因はわかったからいいんだけど」

ゆっくりと視線を正面に向ける。往来の奥に一際大きな影が見える。

「あとはカルラ次第だな。もう“ごっこ”じゃねえなら、ご主人様の意見は大事にしねえとなあ？」
「……」

言葉にグノウは眉をよせ、少し嫌そうな顔をする。
なぜ迦楼羅に話を通さないようにしていたのか。
5年以上も仕えていれば、主人の意見など聞かなくても分かる。

あてがなくても、先が見えなくても、真っ直ぐといつも"そう"言うに決まっている。

「返さなきゃならねえ借りもあるし、俺も少しは手ぇ貸すよ……どうせなら気分よく死にてえしな」
「そう、ですか。……あの――」
「ん、ああ」

吸い口だけ残っていたグノウの煙草は、一瞬で灰にされる。

「カルラには言わないでおいてやるからよ」
「……」
「なんだ？」
「――いえ、そうではなく……」
「あ？」
「なんでもありません、いきましょう」

スズヒコ(244) に ItemNo.1 三方金インキュナブラ を手渡ししました。

ItemNo.19 フライドチキン(生) を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 攻撃20 防御20 増幅20 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

ひびこ(538) から 100 PS 受け取りました。
わこちゃん(1171) から 250 PS 受け取りました。
フェデルタ(165) に ItemNo.3 柘榴石 を送付しました。
ひびこ(538) に ItemNo.5 不思議な布 を送付しました。
わこちゃん(1171) に ItemNo.25 触手 を送付しました。
わこちゃん(1171) に ItemNo.29 薔薇+1 を送付しました。

迦楼羅(931) から 闇小晶 を受け取りました。

自然LV を 5 DOWN。（LV25⇒20、+5CP、-5FP）

魔術LV を 5 UP！（LV30⇒35、-5CP）
制約LV を 5 UP！（LV30⇒35、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV21⇒26、-5CP）

万津谷(1507) の持つ ItemNo.16 ものすごい石材 から射程1の呪器『釘バット』を作製しました！
スズヒコ(244) の持つ ItemNo.12 薬瓶 から射程3の呪器『アヴェスタースパイク』を作製しました！
志騎(288) の持つ ItemNo.6 ものすごい木材 から射程1の呪器『紅玉の大槌』を作製しました！

うい(552) とカードを交換しました！

エナドリート （アンチドート）


インソウル を研究しました！（深度0⇒1）
サモン：スレイプニル を研究しました！（深度0⇒1）
インソウル を研究しました！（深度1⇒2）

☆カーボナイズ を習得！
☆デスグラシア を習得！
☆フォークス を習得！
☆ブラッドサッカー を習得！
☆ステイクオール を習得！
☆オミナスドリーム を習得！
☆暗器作製 を習得！
☆初習得ボーナス：各FPが14増加した！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

スズヒコ(244) は 不思議な布 を入手！
グノウ(909) は ボルト を入手！
迦楼羅(931) は ボルト を入手！
フェデルタ(165) は ボルト を入手！
グノウ(909) は 強靭な皮 を入手！
グノウ(909) は 強靭な皮 を入手！
スズヒコ(244) は 強靭な皮 を入手！
スズヒコ(244) は 強靭な皮 を入手！

次元タクシーに乗り ミナト区 G-8：チェックポイント《珈琲店》 に転送されました！


ミナト区 H-8（道路）に移動！（体調30⇒29）
ミナト区 I-8（道路）に移動！（体調29⇒28）
ミナト区 J-8（道路）に移動！（体調28⇒27）
ミナト区 K-8（道路）に移動！（体調27⇒26）
ミナト区 K-7（草原）に移動！（体調26⇒25）

採集はできませんでした。
　　 - グノウ(909) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》（ベースキャンプ外のため無効）

MISSION - 未発生：
　　 - グノウ(909) の選択は ミナト区 G-8：チェックポイント《珈琲店》（ベースキャンプ外のため無効）

［860 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［193 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［400 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［320 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［225 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［161 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［91 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［144 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［129 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［221 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［28 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［92 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［58 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［64 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［51 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［23 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［14 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




久しぶりにチャット画面に映るふたり。

　





引きつったような表情。

　







　





　





　

　

　

　




　

　

　

不自然にチャットが閉じられる――