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紫明 「さぁ進め、成就の為に。」 |

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遠目には、きっと周囲と変わりない建造物。 歪に組み合わさったそれが、景色に溶け込みながら"敵"を取り囲む。 ――その内側にオレはいた。 |

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他の誰かはいないのか。探しながら走る。 知っている誰かは…… |
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声がする。 知らない誰かの笑い声が。泣き声が。呼ぶ声が。 助けを求める…… |

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助けを求めてきたあの年下の女はいったい誰だったのだろうか。 忘れていたのかと思っていたが、ここで記憶を探ってもやはり見つからなかった。 彼女も、こちらに来ていたら…… 来ていても、きっと力になりたいと思う。思える。同じように。 |

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同じだ。 ここでだってオレは変わっちゃいない。 したいことは変わらないはずだ。 知らない誰かでも。 何にも誰も捨てずに拾って、拾おうとして、そうでなければ…… でなければ、生きているとは言えない。 |



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『まだま やれる !』 ダン! ダン! ダン! いくつかの窓が、順番に震える。 |
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諦めなかった誰かの言葉。 結果は知っている。でも、無駄じゃなかった。意味があったはずだ。 オレにもその意味が必要だった。 |

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紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |
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『-ちか_ヅくな !』 |
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出来ることはたった一瞬。 現れる壁や柱の位置をほんの少しずらすだけ。 |


| 街喰らいのカード発動! |
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カードから強烈な衝撃波が発生する。 |
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ガラスに映る、人、人、人! その誰もが、この場所に立つ命のことなど見ていない。 あるのは、それらを監視する目。 それらに紛れて、ここにいる。 |
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建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |

| 椿鬼のカード発動! |
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彩奈 「まだ死ぬべきではないでありますな。」 |
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道路上に救急箱を転がす。 このあたりにあれば、必要なら使えるはずだ。 |
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紫明 「人心地」 |
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紫明 「悪くない」 |


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紫明 「ひとり。」 |
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その人は、いつも同じ場所にいる。古い平屋の縁側。 何度でも同じように言葉を繰り返して、動く。 "それ"を連れて――側へ向かう。 |
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「あらら、懲りないんだから……さあ座って、しみるよ!」 |
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稀にこうして、周囲のモノへ影響を与えられる、強い記憶とでも言えるものがある。 きっと彼女もいつか同じように誰かを心配していて、手を差し伸べた。 オレはそれを利用する。 |


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紫明 「終わりか?」 |
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建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |

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紫明 「終わりか?」 |

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紫明 「ちゃんと狙え、当たってないだろう」 |
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紫明 「もう少し、」 |
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紫明 「人心地」 |
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紫明 「人心地」 |
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紫明 「悪くない」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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紫明 「こんなところで邪魔されるわけにはいかないんだよ、俺も。」 |
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「ありました。試行17回目を開始します」 |
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突き立ったスピーカーからぶつ切りの、 合成したような、 しかし雑音はない音声が流れた直後、 |
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街は元通り、誰の姿も見えないいつもの姿で、 次の"敵"へ向かって、移動を始めた。 |
