［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

闇夜に蠢く者




　書類を一読したミーシャはそのままファイルごとデスクの上に書類を置いた。

　書類には大鳥悠の心電図や血液分析結果等が詳しく記載されていた。












　ジョークのように笑っているが、ジョークでは無いのだろうな。ミーシャの顔を見返しながら、とりあえずの苦笑いしか出なかった。

　しかし、申し出はありがたい。電車を使えば学校に通えるし、ディーさんが調べてくれるというなら、襲われる原因を取り除くことも出来るかもしれない。

──まぁ、当面はこの俺が何とかしてやる。好きに選べ──














　カギを受け取ると診療所を後にする。
　正門から入ると、丘の上にある診療所までは階段を通ることになるのだが、その階段を上る前に駐車場と喫茶店があった。
　敷地内だから診療所関係の建物だと思っていたが、まさかミーシャさんの私物だったとは。
　品の良いロッジ風の建物で、年数を経た木材からは風格を感じさせる。

　３方の側面をガラス張りにしている為、店内は外からでも見えるようになっていた。
　店内に入ると、高い天井と側面のガラス張りのおかげで開放感を覚えた。
　２フロア分はあるだろうか。天井側の窓から光を取り込んでいる。
　入り口側面から奥へと続くバーカウンターが設置され、反対側には大型のテーブルとそれを囲むように椅子が並べられていた。


──休憩室屋は奥だな。スタッフルームって書いてある扉の先に短い廊下がある──


　視線を向けて、透過させた壁の向こうを覗きながら呟く。
　トイレ横のスタッフルームの扉を開けると、廊下になっており、レストルームと倉庫の札が見て取れた。
　突き当りは車庫のようだ。食材等の搬入口にもなっているのだろう。
　試しに倉庫の扉を開いてみる。当然のことながら何も置いてなかった。

　レストルームを開けるとソファーとテレビ、寝台が置いてあった。
　北欧デザインのシンプルな木造食器棚とタンスも置いてある。
　冷蔵庫は無い。
　まぁ厨房に大きいのがあるのだろう。ティーポットはあるようだった。


──個室だな。掃除も行き届いてるし、既に十分住めるな。あぁ、車庫も見ておいたほうがいいぜ──


──見てからのお楽しみってやつよ──

　千里眼で見ても良かったのだが、せっかくなので促されるままに倉庫へ向かう。
　車庫と言うからには車があるのだろうが。
　ビンテージ物の高級車とかだろうか。


　目の前には黒い大型のバイクが置いてあった。フルカウル型の２輪だ。
　流線型の滑らかなボディはスポーティで最先端を感じさせる。
　黒と銀のラインが全体を引き締めていた。
　何度も見たバイク雑誌には載っていない型のようだ。
　随所にマウントが準備され拡張できるように作られている。

──免許は持ってるか？──


──だまって使っちまえよ──

　見たところ何十万もする機体に見える。
　乗るには少し気が引けるが、妖怪や悪魔を狩るのに起動力はぜひ欲しかった。


──乗りたくてウズウズしているように見えるが、まぁそれは言わぬが花よなぁ──


　まずは掃除、整理、買い出しだ。生活できるようにしないといけない。
　弾む心を抑えきれず、ニヤニヤしながら買い出しに出かけた。








　月明かりの無い暗い夜道、夜食を買いにコンビニへと出かけた帰り道。
　気温はマイナス２度と非常に寒い。
　新年を迎えたからか、普段は見かけない人影がちらほらと見える。
　遠くで花火が上がったり、時たま騒音を流して進む車が通り過ぎていく。


──ホッとしてるところ悪いんだが、悪魔の気配だぜ──


──その年で日常の大切さが分かるなんて、将来大物になれるな──


──クックック。余裕があるようでなにより。次の通りを左へ曲がれ。真っすぐ進んで右に見える閉鎖された工場の中だ──


　一歩を力強く踏み出す。
　この異常な再生力の身体と義手、義足を手に入れてから変わったのは、こういう何気ない動きの初動だった。
　疲れを気にせず動ける肉体と、負荷を無視できる外部媒体のおかげで、最初から全力、全速力の動きが出来る。

　すぐさまトップスピードに乗ると、角を左に曲がって通りを進んだ。
　数分進むと右側に大きな工場が見えてくる。
　随分と古い建物の様だ。


──獲物は、中だな──

　街灯がチカチカと点灯するのを横目に工場内を見れば、周囲を林に囲まれた廃工場が入り口を開けている。
　車でもぶつかったのか、ひしゃげて折れ曲がったシャッターが目に映った。


　灯らなくなって久しい案内板に搬入口と書かれている。
　一階部分の窓はほとんどなく、コンクリートに囲まれていた。
　倉庫兼、生産工場といったところだろうか。


──正義執行に昼も夜もなく、夏も冬もない。悪人世にはばかる、だぜ──


──取り戻した力使って感情の伝播は抑制してるはずなんだがなぁ──


──そうそう、きびきび働いてくれ──


　恐る恐るシャッターを潜る。
　ただの肝試しではない。何かが居るのは確定しているのだ。
　深いため息が漏れた。

　シャッターの先は暗がりで良く見えないが、目が慣れるのを待ちながらゆっくり進む。
　慎重に進めば、右側に開けっぱなしになった扉を発見する。
　奥の作業スペースへの道だろう。

──気配が濃いな。この先だ。千里眼の準備しとけよ──

　頷きながら、足音を殺してゆっくり進む。


──なんかの取引中だな──


──よく見てみろ。ほら使い時だぜ──

　どう目を凝らしても陰になって見えない為、精神を集中させ、目に力を集める。
　透過し、視覚を伸ばしていくイメージ。
　薄っすらと青白い光を瞳に灯らせ、千里眼が発動した。

　角ばった背中は男性だろうか。
　人数にして8名。背広の帽子、サングラスにマスクと、いかにもな風貌の男が二人。
　残りの6名はいずれもフードを深くかぶってマスクをしていた。
　ほとんどの男がこちらを背にしている。

　作業台と思しきテーブルの上には銀色に輝くアタッシュケースと大量の札束と、植物片が入れられた幾つものビニールパックが並んでいた。

　背筋が凍りつく。

　一生触れてはいけない世界の方々だ。

──麻薬の取引中だったか。なるほど、フードの男の方を良く見て見ろ──

　言われた通り、千里眼の視点を移動させ、正面から見る。

　違和感が襲う。なんだこいつらは。

　肌の色が違う。およそ人肌の色とは思えない黄色い肌。

　よく観察すれば、ブヨブヨのゴム質のような質感をしており、みょうに毛深い。

　千里眼の視線とフードの男の一人と視線が合った。

　暗く濁った気持ちの悪い目、瞳孔が立てに割れているのは猫を彷彿とさせた。

　巧妙に隠してはいるが人外の怪物がそこには居た。















　報告書を一読した恰幅の良い男が、そのままファイリングされた書類を机に置いた。

　報告書の提出者名には祥雲巡流とあり、現場検証した結果が詳細に記載されていた。




















　コツコツとリノリウム張りの床を歩いていく音が去っていく。

　しばらく経ってから蹴られたゴミ箱が床に転がる音が響いた。

特に何もしませんでした。

ユカラ(839) に 50 PS 送付しました。
緑帽子(616) に 50 PS 送付しました。
にわとり(353) に 50 PS 送付しました。
ランメイ(892) に 40 PS 送付しました。

ミーシャ(1059) から 100 PS 受け取りました。

すごい石材（400 PS）を購入しました。
すごい木材（400 PS）を購入しました。
エナジー棒（30 PS）を購入しました。
エナジー棒（30 PS）を購入しました。
エナジー棒（30 PS）を購入しました。

響鳴LV を 5 UP！（LV20⇒25、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV30⇒35、-5CP）

アオト(556) により ItemNo.23 すごい石材 から射程2の呪器『悪魔の力：戦場の鬼火』を作製してもらいました！
　⇒ 悪魔の力：戦場の鬼火／呪器：強さ495／［効果1］体力20 ［効果2］－ ［効果3］自滅17【射程2】

ユカラ(839) により ItemNo.25 すごい木材 から射程1の呪器『鋼鉄の義手：高圧電流ワイヤー装備』を作製してもらいました！
　⇒ 鋼鉄の義手：高圧電流ワイヤー装備／呪器：強さ495／［効果1］攻撃20 ［効果2］－ ［効果3］自滅17【射程1】

にわとり(353) により ItemNo.25 鋼鉄の義手：高圧電流ワイヤー装備 に ItemNo.6 鉄くず を付加してもらいました！
　⇒ 鋼鉄の義手：高圧電流ワイヤー装備／呪器：強さ495／［効果1］攻撃20 ［効果2］強撃10 ［効果3］自滅17【射程1】

緑帽子(616) により ItemNo.23 悪魔の力：戦場の鬼火 に ItemNo.2 ビニール袋 を付加してもらいました！
　⇒ 悪魔の力：戦場の鬼火／呪器：強さ495／［効果1］体力20 ［効果2］器用25 ［効果3］自滅17【射程2】

サクモ(1057) の持つ ItemNo.16 竜騎兵の兜 に ItemNo.2 翌檜 を付加しました！
ミーシャ(1059) の持つ ItemNo.27 超硬スチーノレ合金 に ItemNo.28 すごい木材 を付加しました！
チヨミ(1238) の持つ ItemNo.18 液体グラスコーティング に ItemNo.11 何かの骨 を付加しました！

くーが(1222) とカードを交換しました！

剛打 （クリエイト：モンスター）


キュアブリーズ を研究しました！（深度1⇒2）
イクスプロージョン を研究しました！（深度0⇒1）
イクスプロージョン を研究しました！（深度1⇒2）

ノクターン を習得！
ソウルビート を習得！
アウデンティア を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

チヨミ(1238) は 羽 を入手！
ユウ(1049) は 羽 を入手！
サクモ(1057) は 羽 を入手！
ミーシャ(1059) は 羽 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - ユウ(1049) の選択は ウシ区 L-10：チェックポイント《堤防》（未開放のため無効）
　　 - サクモ(1057) の選択は カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》

MISSION!!
チナミ区 O-16：梅楽園 を選択！
　　 - ユウ(1049) の選択は チナミ区 O-16：梅楽園

［844 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［412 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［156 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［340 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［237 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［160 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［97 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［41 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［17 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破



　

　

　

　　　ぽつ･･･

　

　

　

　　　　　　　　　ぽつ･･･

　

　

　



　




　

　

　

　　　　　　サァ･･･――

　

　

　

雨が降る。

　

　

　

　

　

　




よく見ると雨は赤黒く、やや重い。

　




急いで雨宿り先を探す白南海。

　

　

しかし服は色付かず、雨は物に当たると同時に赤い煙となり消える。

地面にも雨は溜まらず、赤い薄煙がゆらゆらと舞っている。

　

　




　

　

　

チャットが閉じられる――

ハザマのなか、咲き乱れる梅の木たち。

梅林にはほんのりと良い香りが漂う。

その景色は美しく見えるが、同時に異様にも映る。

　

園内を進んでいくと、周囲の梅の木がざわめく･･･






木が不自然に捻れ、音を立てる。

ボコッと地面から根が飛び出し、木が"歩き"はじめる･･･