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「おや? きみも此方に来ていたのか。先刻振りであるね。 さながら飛梅の如し……ああいや? 肝心の梅だけは置いてきてしまったか」 |
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「兎角それでは。此度の時間はぼくが請け合おうとも」 |

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土を巻き上げながら地を褐色の根が割り、 空を覆いながら幹が伸び、そこは見る間に森となる。 あなたはそれを、見たことがある。 その後に続く声にもまた。 |
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《ほう。 まさかきさままでも、こちらへ来ているとはな!》 |
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「 …… 」 |

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「はてしかし、相見えることができて本当に嬉しいよ。 ねえ、ぼくはきみに興味があったんだ。 其処らのヒトとは違う、けれどぼくとは異なるきみに」 |
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「きみは一見木々の集まりに見えるけれど、頭脳となる中枢が存在するのかい? もしくは主従の差異なく、群体というものであるのか。 はたまた。そもきみの意思は何処にあるのかな? それとも意思なんてない、底深くに根を張るサガで生きている? ……」 |
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「きみの在り処は何処なのだろう? きみを“きみ”たらしめるものは何?」 |
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「うん。 ──興味があるんだ。ぼくはきみを識りたい」 |
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「きみの“はらわた”、見せてはくれないかい?」 |

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《きさまを目にするのも二度目―― いや。その花、面立ちからすれば……あるいは三度目か? どちらにせよ、おれが手を緩めることなどないことはわかろう》 |
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《無論きさまとて、そうであることはわかっているとも。 そうでなくては意味などない》 |
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《あれよりただ、のうのうと安楽に時間を過ごしたわけではあるまい。 きさまがどのようにこのハザマの時を重ねたか。 いまいちど見せるがいい、ほかならぬこのおれに!!》 |


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「ぼくの“ともだち”なら、ぼくはその全てを象ることができる。例えば、ほら──」 |
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「……あれ? あ、そっか、ヒトは死んでると動かないんだっけ」 |
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(ぱき、ぱき。) |
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息もつかせぬ連撃。 |

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「ぼくの“ともだち”なら、ぼくはその全てを象ることができる。例えば、ほら──」 |
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「……あれ? あ、そっか、ヒトは死んでると動かないんだっけ」 |
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(湿った厭な音がする。) |
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地ごと叩き潰す。 |

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「さて。一帯の輝きは綺麗だけれど……此方としては些か不都合か。 手元を狂わす訳にもいかないからね」 |

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大地を揺らす一撃。 |


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大地を揺らす一撃。 |

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(こどもは甘く語りかける。) |
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(薄紅が阻むように漂う。) |

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地ごと叩き潰す。 |

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(こどもは甘く語りかける。) |
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大地を揺らす一撃。 |
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《己の力量を悟るがいい!》 |
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「 …… 」 |
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「ふむ。はてさて、次はどう手を打つかな」 |



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容赦なく打ち下ろす。 |

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(こどもは甘く語りかける。) |

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金色の射線が狙う。 |


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(こどもは甘く語りかける。) |
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質量が容赦なく押し潰す。 |


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溢れる樹液がさながら矢のように。 |


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質量が容赦なく押し潰す。 |

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(こどもは甘く語りかける。) |
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(退された花弁は抵抗しない。) |
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《そう簡単におれを黙らせることはできぬぞ》 |

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「ふむ。回生の一手になれば良いのだけれど」 |
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「此度こそ健闘したいものだね。期待しておくれよ?」 |

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(湿った厭な音がする。) |

| ヨシノのカード発動! |
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《このまま素直に倒れるおれではない》 |


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(こどもは甘く語りかける。) |
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《その牙を存分に振るうがいい、今ここで!》 |
| 森のカード発動! |

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(遠鳴りのように、こどもたちの声がする。) |
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(遠鳴りのように、こどもたちの声がする。) |
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《ひとつ軍手どもの真似事でもしてみるとしようか》 |
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地が震え、唸り、崩れ落ちる音がする!! |
| 森のカード発動! |




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(こどもは甘く語りかける。) |
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刻まれ続けた数多の傷から堰を切ったように溢れ出す金色が、見る間に傷を固めていく。 |



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「少し痛むかもしれない。すまないね」 |

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《機を伺うも一苦労か。まったく――》 |
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《愉しませてくれる、実に!!》 |

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(こどもは甘く語りかける。) |
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《そう簡単におれを黙らせることはできぬぞ》 |


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「頼んだよ、ぼくの“ともだち”」 |

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(かどわかすような幻覚。) |
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(退された花弁は抵抗しない。) |
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《このまま素直に倒れるおれではない》 |

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「少し痛むかもしれない。すまないね」 |

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(退された花弁は抵抗しない。) |
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(躰から花が零れ落ちる。) |

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(薄紅が阻むように漂う。) |

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(かどわかすような幻覚。) |
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《そう簡単におれを黙らせることはできぬぞ》 |

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(数多が、吹雪の如く波打った。) |

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(退された花弁は抵抗しない。) |
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《ひとつ軍手どもの真似事でもしてみるとしようか》 |


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「少し痛むかもしれない。すまないね」 |


| ヨシノのカード発動! |


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(遠鳴りのように、こどもたちの声がする。) |
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《このまま素直に倒れるおれではない》 |

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(遠鳴りのように、こどもたちの声がする。) |
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(退された花弁は抵抗しない。) |
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(数多が、吹雪の如く波打った。) |

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『……』 |
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《なかなかに磨かれたとみえる》 |

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(こどもは甘く語りかける。) |
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『……』 |
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《このまま素直に倒れるおれではない》 |

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「少し痛むかもしれない。すまないね」 |

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「大丈夫。力を抜いて。誰も、きみを責めたりしないのだから」 |
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意識を引き戻す、意志を呼び戻すいずこかからの調べ。 |
| 森のカード発動! |

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(数多が、吹雪の如く波打った。) |

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(かげぼうしはあなたを見ている。) |
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《そう簡単におれを黙らせることはできぬぞ》 |
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地が震え、唸り、崩れ落ちる音がする!! |
| 森のカード発動! |
| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 2 0 |
0 0 4 0 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 1 5 1 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
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「ああ、引き分けか。致し方ないね。 ……きみが為すべきことを持つのなら──この先も気を付けるんだよ」 |
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(それは微笑み、ひらひらと手を振った。) |
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《…………。 危うくはあったが……そのしもべどもとて、このおれを討つには足りぬようだな。 おれこそは死なずの森。否定されどなお、命続くものゆえに……》 |
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《おまえはなんのためここへ来た? 目的はあるはずだ。おれにも、おまえにも。 このハザマの時が無限にあれば、あるいは続けもできようが。 そうでないことが惜しいばかりだとも。実にな》 |
