
常々、思う
…常々思うんだ
この世界がクソだということを。
…今この場における『この世界』は荊街のことを差していて
さしずめ俺は、
彼らの敵、ハザマの化け物という訳だ。
なのに何故だかどうしようもなく恋しいので、
あのクソな世界に手を貸している。
裏切り者だ。
…こうして、人が変わったかのように
思考する事象については、恐らく
あちらでのオレと こちらでの俺という人格が
混ざり合い、知識を共有しているからだ。
狭間での『オレ』は
無関心で、感情が無く
故に感情というものに惹かれ侵略をする怪物で
荊街での『俺』は
親友なんかにご執心の
不良になんかなりたくもない癖にそんなフリをしている
ガキだった。
その二人が混ざって、交わって
化け物の体を依り代に 人の感情や知識を
埋め込んだ結果が、 これだ。
いつしか俺は荊の人間と共に行動するのが当たり前となり
かつて欲していた感情さえも、
当然のように扱う
人ではないが
化け物ですらない
動物でいうなら蝙蝠
ファンタジーでいうならバジリスク
どちらでもない半端者になってしまったというわけだ
あの、クソみたいな世界と交わりさえしなければ
苦しんだりだとか悲しんだりだとか
そんな風に思わずに済んだのに。
かつてあれほど恋焦がれていた感情というものに
悩んで悩まされて
この先どこへ行きつくのだろうか?
クソだね、クソ

[822 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[375 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[396 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[117 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[185 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
アンドリュウ
紫の瞳、金髪ドレッドヘア。
体格の良い気さくなお兄さん。
料理好き、エプロン姿が何か似合っている。
ロジエッタ
水色の瞳、菫色の長髪。
大人しそうな小さな女の子。
黒いドレスを身につけ、男の子の人形を大事そうに抱えている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
 |
アンドリュウ 「ヘーイ!皆さんオゲンキですかー!!」 |
 |
ロジエッタ 「チャット・・・・・できた。・・・ん、あれ・・・?」 |
 |
エディアン 「あらあら賑やかですねぇ!!」 |
 |
白南海 「・・・ンだこりゃ。既に退室してぇんだが、おい。」 |
チャット画面に映る、4人の姿。
 |
ロジエッタ 「ぁ・・・ぅ・・・・・初めまして。」 |
 |
アンドリュウ 「はーじめまして!!アンドウリュウいいまーすっ!!」 |
 |
エディアン 「はーじめまして!エディアンカーグいいまーすっ!!」 |
 |
白南海 「ロストのおふたりですか。いきなり何用です?」 |
 |
アンドリュウ 「用・・・用・・・・・そうですねー・・・」 |
 |
アンドリュウ 「・・・特にないでーす!!」 |
 |
ロジエッタ 「私も別に・・・・・ ・・・ ・・・暇だったから。」 |
少しの間、無音となる。
 |
エディアン 「えぇえぇ!暇ですよねー!!いいんですよーそれでー。」 |
 |
ロジエッタ 「・・・・・なんか、いい匂いする。」 |
 |
エディアン 「ん・・・?そういえばほんのりと甘い香りがしますねぇ。」 |
くんくんと匂いを嗅ぐふたり。
 |
アンドリュウ 「それはわたくしでございますなぁ! さっきまで少しCookingしていたのです!」 |
 |
エディアン 「・・・!!もしかして甘いものですかーっ!!?」 |
 |
アンドリュウ 「Yes!ほおぼねとろけるスイーツ!!」 |
 |
ロジエッタ 「貴方が・・・?美味しく作れるのかしら。」 |
 |
アンドリュウ 「自信はございまーす!お店、出したいくらいですよー?」 |
 |
ロジエッタ 「プロじゃないのね・・・素人の作るものなんて自己満足レベルでしょう?」 |
 |
アンドリュウ 「ムムム・・・・・厳しいおじょーさん。」 |
 |
アンドリュウ 「でしたら勝負でーすっ!! わたくしのスイーツ、食べ残せるものなら食べ残してごらんなさーい!」 |
 |
エディアン 「・・・・・!!」 |
 |
エディアン 「た、確かに疑わしい!素人ですものね!!!! それは私も審査しますよぉー!!・・・審査しないとですよッ!!」 |
 |
アンドリュウ 「かかってこいでーす! ・・・ともあれ材料集まんないとでーすねー!!」 |
 |
ロジエッタ 「大した自信ですね。私の舌を満足させるのは難しいですわよ。 何せ私の家で出されるデザートといえば――」 |
 |
エディアン 「皆さん急務ですよこれは!急務ですッ!! ハザマはスイーツ提供がやたらと期待できちゃいますねぇ!!」 |
3人の様子を遠目に眺める白南海。
 |
白南海 「まぁ甘いもんの話ばっか、飽きないっすねぇ。 ・・・そもそも毎時強制のわりに、案内することなんてそんな無ぇっつぅ・・・な。」 |
 |
白南海 「・・・・・物騒な情報はノーセンキューですがね。ほんと。」 |
チャットが閉じられる――