［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

「ほら、腕をちゃんと伸ばして」

ベースキャンプへ立ち寄った際のことだ。
アンジニティになる前、付き合っていた彼と合流することができた。

はぐれてから約9時間、決して長い時間でもないのに懐かしいと感じてしまうのはイバラシティの影響だろうか。

「いや～～～、ちょっとは現代人っぽくなったんじゃない？」

「……うるさいな」

僕に服を見繕う。
こちらの姿を見るなり大笑いしてきたかと思えばこれだ。

靴紐を結んでから、満足げに頷いた。
なんと自分勝手な充足感。

「ほら、どうよ。両腕使えないんじゃ不便だったでしょ。こっちも不便だったからよく分かるよ」

「…………、」

「……余計なお世話だった？」

「………いや、そうでもない…。ありがとう」

「でしょ～～～～～～～～！！！」

完全に犬を褒めるそれだ、なんという緩さだろう。
お礼が言えてえらいねぇなどと言ってくる。こいつのこういうところ、嫌いだ。

ひとしきり撫でると、ようやく解放された。
こちらが眉の間に深いしわを作ろうがお構いなしだ。

これで終わったと、息を吐こうとした瞬間。
今度は、彼が自分の膝を叩いている姿が見えた。

自分の経験上、嫌な出来事というのは連続するものだ。
そして、大抵は逆らっても良い事がない。

「ほら、おいで！那月！」

「…………、」

反応が遅れる。
そういえば、僕はそんな名前だった。

こちらが物思いに沈んでいることなどおかまいなしに、再び名前を呼ばれる。

素直に、彼の膝の上へ座った。
こちらがどんな表情をしても、まるで物怖じしないのだ。

言い換えれば、ただの無神経なのだが。

「……………なんと、あまりに素直で驚いちゃった……」

「…………、」

「なんかあった？」

「……さっき、ナレハテについての……情報が開示されてた」

あぁ、と納得したような声を漏らす。

なんとなく予想はしていたものの、実際に突き付けられると心境も変化する。
そんな情報だった。

「だから、こういうやり取りも、そのうちできなくなるのかなって……」

言葉にしたものの、一旦話が閉じる。

現状に鑑みれば、状況はあまりよくない。
それでも、侵略を頑張ろうとか、そういう気持ちになれるわけでもなく。

ただ漠然と、何かが嫌だなと引っかかっている程度の感覚。
だから饒舌に語れるような話題でもなかった。

こちらが黙っていれば、彼が話を取り次ぐ。

「いやぁ～～～、俺はね。ナレハテっていうのになっちゃうのも別にいいのかなぁ、とか思っちゃうわけなんだけど」

「…………、」

「前の那月ならその考えにのってたと思うよ」

「………、」

確信でもあるのか、迷いもなく言い切った。

そうだろうか。……いや、そうかもしれない。
自分がどうなろうとどうでもいい、そういう気持ちでいたはずだ。

実際、今だってそう思っている。
そのはずなのに、言葉にしようとすると喉の奥で何かが詰まる。

こちらが難しい顔をしているのを見抜いてか、後ろから笑い声が聞こえた。

「こっちで1時間進めるのに……あ～……イバラシティで10日間だって……？」

曖昧な物言いが引っかかる。

「俺はもう、向こう側じゃ自殺しちゃってるわけだからなんもないんだけど」

平然となんてことを言ってのけるんだろう。

「でも那月はそういうわけじゃないんだろ？」

そこまで言って、もう一度笑う。
図星といえば図星だった。

渋面のまま、口を塞ぐ。
黙っているのは卑怯だろうか。
それでも、どんな言葉も無責任に思えて喋る気にもなれなかった。

「……もう、ここから動く気は」

「ないってこと！靴も那月にあげちゃったしね。俺は裸足で歩き回るほどデリカシーが欠けてないもん」

ひどい言われよう、気を遣って損をした気分だ。
抗議をしたところで無意味なのだろう。内心で不満を呟いておいた。

「……だから、那月とは足並みがずれちゃったかな」

「…………、」

否定はしない。
ここで立ち止まるという選択が自分にはなかった。
……目指すものが、あるわけではないけれど。

たった数時間のうちに随分と温度差ができてしまったように思う。
……僕もいつか、潔く諦めることができるだろうか。

「さ！会話の時は終わりだよ、ここで1時間無駄にする気か？」

「…………、」

一方的に絡んできたくせに、しっしっと手を振って立ち上がるように促してきた。
素直に従い、立ちあがる。

振り返れば、ふやけた笑顔と少しばかりの複雑な味を加えた表情で、こちらを凝視していた。

お互い、人との繋がりが多くはない。
お別れらしいお別れというのは、これで最後になるのだろうか。

すぐには脚が動かない、意外にも名残惜しいらしい。

それでも、振り切るようにして。
進行方向を見据えて歩き始める。

自分をよく知る人に別れを告げる。

世界との繋がりがまたひとつ、ぷつりぷつりと千切れていく。






ひとりぼっち、次の時間も自分が存在しているという確証もないままこの時間を終えることにする。

特に何もしませんでした。

響鳴LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）
百薬LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）

命術LV を 10 UP！（LV5⇒15、-10CP）
制約LV を 10 UP！（LV5⇒15、-10CP）
解析LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
合成LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）

瞬(720) とカードを交換しました！

衝動 （サモン：サラマンダー）


プチメテオカード を研究しました！（深度0⇒1）
プチメテオカード を研究しました！（深度1⇒2）
プチメテオカード を研究しました！（深度2⇒3）

アイスソーン を習得！
キャプチャートラップ を習得！
アクアヒール を習得！
ペナルティ を習得！
オートヒール を習得！
エナジーウォール を習得！
バックフロウ を習得！
トラストラップ を習得！
イリミネイト を習得！
ジャックポット を習得！
水の祝福 を習得！
ピットトラップ を習得！
パワフルヒール を習得！
背水 を習得！
グラビティブラスト を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ヨセフ(408) は ボロ毛布 を入手！
八式(1292) は ボロ毛布 を入手！
アガチ(1313) は 栄養ドリンク を入手！
八式(1292) は 不思議な食材 を入手！
アガチ(1313) は 毛 を入手！
ヨセフ(408) は 赤い薔薇 を入手！

チナミ区 B-4（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『ヒノデ区 B-16：チェックポイント《白い岬》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 八式(1292) の選択は ヒノデ区 B-16：チェックポイント《白い岬》

MISSION!!
ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》 を選択！
　　 - 八式(1292) の選択は ヒノデ区 M-11：チェックポイント《大通り》

［816 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［370 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［367 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［104 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［147 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　

　





　




チャット画面にふたりの姿が映る。

　





　





　








ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。

　





　

　

　

ザザッ――

　

チャットに雑音が混じる･･･

　

　

　




　

ザザッ――

　




　

ザザッ――

　




　




　

　

　

ザザッ――

　

　

　





　

　

　





　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！