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いぬいぬ 「………始めよう。」 |

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ミハル 「これは驚いた。愛らしいわんちゃんですねえ。 野良かな? ご主人さまはいないのかな? それなら……」 |
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ミハル 「──襲って来る危ない野犬は、 保健所にぶちこむしかないよねえ?」 |
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土のにおいが強まる。 まるで雨が降ったばかりの泥のにおい。 あなたの嗅覚であれば、 その発生源がこの男の周囲であると容易にわかるだろう。 泥のにおいは徐々に、徐々に、広がっていく。 ──── 刹那、地が揺らいだ。 "平穏に暮らしてる人達の居場所を奪い取ってまで" あなたの世界を得ようとするアンジニティ ですらない 男が相対する。 ただひとつ確かなのは ──こいつが、あなたの敵だということだ。 |



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ミハル 「──そんなに負荷のかかりそうな技を振り回しちゃ、 そりゃ隙ができるよねえ」 |


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ミハル 「おっとと……」 |



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ミハル 「おっとと……」 |

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ミハル 「…………」 |
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ミハル 「──愛らしいお嬢さんなことで。 好きですよ。悩んで苦しんで、 それでもどうにか生きることを模索する人の姿って」 |
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いぬいぬ 「う、ぐ……ぅ……。」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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ミハル 「いえーい。お兄さんの大人気ない勝利~。 本当に保健所に突き出したりしませんよお。言葉の綾」 |
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ミハル 「──ねえ、お嬢さん。 お前は本当にあの街を"守りたくて戦っている"んですか? 今のまま戦って、死んで、倒して、──それいいんですか?」 |
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ミハル 「……命は取りません。 だからもう少し考えておいで? 自分の命の使い方。 そうしたら、もう少しましに戦えるでしょう。 折角そんなカッコイイ異能があるのに。 迷って怯えて、躊躇して、そんな気持ちが表れてる。 そういうの、オレは嫌いじゃないけど」 適当なことを、敵は吐いている。 「そして次に会った、そのときは」 |
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ミハル 「今度こそ、オレを止めてね?」 敵はあなたにトドメを刺すことなく、泥のにおいに紛れて消えた。 |
