［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

甘味処『桃園』から帰ったあと、僕は久しぶりに実家に電話した。
イバラシティに来てから約１ヶ月、いろんなことがあり過ぎて
おかげで今までホームシックにかかることは無かったけれど。
家族のことを意識しだすと急に心細くなってしまった。

携帯の連絡帳に登録されてる実家の電話番号を選び、電話をかける
prrrrrr…
しばらく待ったあと、電話が繋がる
『はい。』
電話から素っ気ない返事がする
父の声だ
「もしもし?父さん、久しぶり。」
『丁心か。連絡待ってたぞ。』
「ごめん、忙しくて。」
『母さんも心配していたぞ。…まあいい、元気でやってるのか?』
「まあね、行きつけの店も出来たんだ。同郷の人がやってるお店。いろいろ相談にも乗ってくれてるよ」
『そうか、元気でやってるなら幸いだ』
抑揚の少ない声が幾許か弾んでいるように感じる
父さん、心配してくれているんだな
そう思うとなんだか目頭が熱くなってきた
目から涙が止まらず、嗚咽の声が漏れる
『…丁心、本当に大丈夫か?』
「…ん…ごめん…父さんの声を聞いて、なんだかホッとして…なんでだろう涙が出ちゃって…」
『異国の地で初めての一人暮らしだ、今まで相当気が張ってたんだろう。頑張ったな、丁心』
「父さん…」
『お前は昔から忍耐強かったからな、でも耐えすぎるのも問題だ。何か無くとも、気が向けば電話しなさい。』
「ありがとう、父さん。」
『…ああ、…母さんが電話を変わって欲しいだと。母さんに変わるぞ。』
「わかった。」
電話の向こうでガサゴソと音がした後、母の高い声が鼓膜を貫いた
『丁心！寧丁心！なんで向こうに着いてすぐ連絡してくれなかったの!?母さん電話がかかってこなくてすごく心配してたのよ?！』
「ごめんなさい、日本に来てから忙しくて電話出来なかったんだ。」
『そりゃあ忙しいかもだけど1ヶ月も連絡しないなんて…母さんあなたが大丈夫か不安で不安で…』
「心配ならそっちから電話してくれたら良かったのに。」
『父さんが止めたのよ!丁心は男なんだから、過保護になる必要はないって…。貴方が電話をかけて来るまでは電話をかけるなって…。』
「ははは、父さんらしいね。」
『父さんが止めなかったらすぐ電話したのに…!丁心、今度からもっと頻繁に電話かけて来なさいね?』
「わかったよ母さん。」
『週に１回、週に１回よ?約束ね?』
「ハイハイ」

母さんの勢いに押されて、いつの間にか涙も引っ込んでしまった。
やっぱり家族は温かい。
…じゃなかった、電話をかけた理由を忘れていた。
僕の異能…『茶聞』
風を操る時に出る茶葉…それの出処を探るために電話をしたんだった。
「母さん、話は変わるんだけど、最近うちの茶葉が減ったりしてない?」
『え?別に減ったりはしてないわよ…?どうしたの急に。』
「いや、減ってないならいいんだけど」
『泥棒が来てないか心配してくれてるの?あら、心配しなくとも大丈夫よ!ちゃんと防犯カメラもつけてるし、何より茶葉泥棒なんてする奴なんかいないわよ。』
「泥棒の心配してた訳じゃないんだけど…とにかくなにも変わってないなら良かった。」
『心配してくれてありがとうね』
……心配してたにはしてたけど……
家族を想って心配してた訳ではないので、ありがとうと言われるといたたまれない。
だからといって、自分の能力によって家の茶葉が減ったいないか心配してたとも言えないし…
「ど…どういたしまして」
……すっごい罪悪感。
ごめん、母さん。息子は自分がかわいい小心者です。

「…久しぶりに母さんの声が聞けて良かったよ」
『母さんも貴方の声が聞けて良かった。夏休みに入ったら帰って来なさいね、ご馳走用意して待ってるから。』
「楽しみにしてる。じゃあね、父さんにも宜しく。」
『頑張ってね、丁心。』
「うん、頑張る。」
僕は電話を切る。

今日は桃園に行って良かった。
親父さんのおかげで家族と話をすることが出来た。
今度お土産を持ってお礼をしに行かないと…
ついでにまたあの美味しいラーメンも食べたいな。
…ラーメンのことを思っていたらお腹が減ってきた。
僕はラーメンを作るためキッチンへと向かった。

特に何もしませんでした。

武術LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
付加LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）

イレイザー を習得！
血気 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

寧(1577) は 山査子 を入手！
寧(1577) は 花びら を入手！

チナミ区 D-10（道路）に移動！（体調25⇒24）
チナミ区 D-11（草原）に移動！（体調24⇒23）
チナミ区 D-12（草原）に移動！（体調23⇒22）
チナミ区 D-13（草原）に移動！（体調22⇒21）
チナミ区 D-14（水地）には移動できません。

［707 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［297 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面にまたまたふたりの姿が映る。

　








　





　

ふたりの背後から突然現れる長身。





　




ダルそうな、面倒そうな、そんな様子の青年。

　





　




ふたりの反応を気にすることなく、




前髪を手でくしゃっとさせて、目のあたりを隠す。




　

そう言って、さっさと姿を消してしまう。

　

　

　






うーん、と悩むふたり。

　




白南海の姿が消える。

　





チャットが閉じられる――