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紫明 「芽吹け、芽吹け、芽吹いたなら伸びろ、伸びたなら蕾つけて、 さっさと咲いて散りやがれ」 |

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遠目には、周囲と変わりない建造物があった。電柱。看板。標識。街灯。ミラー。人影。 1つは歪に組み合わさって。 1つは液体から再生成されるように。 それらは……気づかれない内に、"敵"を取り囲んだ。 |
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雑音は止まない。 途切れ途切れの耳障りなノイズを流し、 |
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街は"敵以外"も、囲み始める。 |
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その街は生きている。その街は街ではない。 あらゆる街を取り込んで自身の一部へと変えた、生物兵器だ。 |

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チカギ 「肩慣らしくらいにはなってくれよ。」 |

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早乙女ちえり 「えっ、さっき倒したのにまたやるの?」 |
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早乙女ちえり 「…、嫌だとかじゃないもん!僕にもできるっ!」 |

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歩行軍手 「ぐぐぅ!」 |

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歩行石壁 「俺を越えてみろぉぉッ!!」 |

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ピクシー 「手加減なんてしないからね!」 |

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大黒猫 「にゃ・・・」 |



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ぽたり、ぽたり、流れ落ちる血は、残り時間の決まった砂時計。 |

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これから起きることはすべて、『そうはならなかった』おはなしだ。 |

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早乙女ちえり 「僕、みんなのこと、信じるよ。」 |


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大黒猫 「にゃにゃにゃ・・・・・」 |
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チカギ 「んー……」 |
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エーキ 「『俺の名前は黒唯エイキ、趣味は強いヤツを潰すこと、特技は強い奴を……』」 |
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チカギ 「……」 |
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チカギ 「エーキってこんな感じだったっけ。まあ良いか」 |
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紫明 「今の動き、覚えとくぜ」 |
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建物のガラスに映る、走り回る子供の影。早歩きの大人。談笑するように立ち止まっている人…… |
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一層大きなスピーカーの雑音と共に、壁が移動してくる。 かれらを守るように。 |
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歩行石壁 「うおぅら・・・・・」 |
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ピクシー 「うりゃ!!」 |
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紫明 「どこ狙ってんだよ熊谷に当たったらどうしてくれんだ?」 |
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エーキ 「『止まれッ!!』」 |
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早乙女ちえり 「れっくんがつけてくれたの、どんな子なのかな?たのしみーっ!」 |
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歩行軍手 「ぐっぐぐぅーッ!!!!」 |

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大黒猫 「にゃ!」 |
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チカギ 「こっちだよバーーカ!」 |
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チカギ 「んー……アイツこういう時なんて言うかな」 |
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ガガガtガガiガー……ガーガガ、ブツ…… 酷い音だ。 |
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溶け倒れる電柱と共に、街の中心部分が前に出てくる。 |
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『おかえり!』 |
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歩行石壁 「フンヌッ!!」 |
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ピクシー 「なかなかやるじゃん。」 |
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早乙女ちえり 「いけーっ!『戦場を無闇に逃げ惑って撹乱するくん』!!」 |
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歩行軍手 「ぐっぐぅー!!」 |

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大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
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エーキ 「『これが俺の真の力だッ!』」 |
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バリsバリバiリバリ……ギ……ザ…… 酷い音だ。 |
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間にいる人間を巻き込みながら、互いの間を割くように建物の看板が落ちてくる。 |
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歩行石壁 「越えられるか?この俺をよ・・・」 |
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ピクシー 「なかなかやるじゃん。」 |
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早乙女ちえり 「わああっ!」 |
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歩行軍手 「ぐっぐぅー!!」 |
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歩行石壁 「越えろって言ったのにィィッ!!!!」 |
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歩行軍手 「ぐ?」 |
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ピクシー 「だだだだいじょうぶっ!!?」 |
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大黒猫 「にゃ・・・」 |

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大黒猫 「にゃ!」 |
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チカギ 「よいせっと。」 |
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チカギ 「あ!避けんじゃねえぞ!」 |
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チカギ 「んー……アイツこういう時なんて言うかな」 |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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ピクシー 「そりゃ!」 |
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早乙女ちえり 「わああっ!」 |
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歩行軍手 「ぐっぐぅー!!」 |

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大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
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チカギ 「んー……アイツこういう時なんて言うかな」 |
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……雑音が止んだ。響くのはそこにいるような、澄んだ音だ。 「うわ、雨!傘ないのに……もう帰るね!じゃ!」 「転ばないでね……ばいばい」 |

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ピクシー 「なかなかやるじゃん。」 |
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早乙女ちえり 「わああっ!」 |
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早乙女ちえり 「はあっ! はあっ……!」 |
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歩行軍手 「ぐっぐぐぅ!!」 |
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歩行軍手 「ぐ・・・ぐぅ・・・・・」 |
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大黒猫 「にゃぁ・・・」 |
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ピクシー 「だだだだいじょうぶっ!!?」 |

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チカギ 「よいせっと。」 |
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エーキ 「『これが俺の真の力だッ!』」 |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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ピクシー 「そりゃ!」 |
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早乙女ちえり 「わああっ!」 |
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早乙女ちえり 「はあっ! はあっ……!」 |
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ピクシー 「いじめっこだぁぁーっ!!!!」 |
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0 0 0 5 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 3 0 0 0 |
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紫明 「こんなとこで邪魔されるわけにはいかねぇのよ、俺も」 |
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「おはようございます。本日は燃えないゴミの収集日です。ごみは朝8時までに出してください」 |
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突き立ったスピーカーからぶつ切りの、合成したような音声が流れた直後、 |
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次の"敵"へ向かって、移動を始めた。 |
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チカギ 「無価値だなあ」 |
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早乙女ちえり 「これが戦争?なのかな…?」 |
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エーキ 「『侵略者どもはこの調子で俺がぶっ飛ばしてやるからな!』」 |
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チカギ 「こーいうの、言いそうじゃない?」 |
