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土を巻き上げながら草原を褐色の根が割り、 空を覆いながら幹が伸び、そこは見る間に森となる。 |
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《……木の気があるな》 《だが、おれのようなものでもないらしい》 |
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「──おや! きみにはなんだか、親近感を覚えてしまうね。嬉しいな」 |
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(桜の巨木に寄り添うようにして、こどものかたちが微笑む。) |
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「きみも、あの街が欲しいのかい?」 |

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「さて、初陣というやつだね。期待しているよ」 |
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(零れた薄紅が、何かのかたちを模倣する。) |
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「 ──! 」 |

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《その姿のわりに、気配はそれに伴っていないな》 《きさまは……なんだ? なにゆえにそのような在りようをしている》 |
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《街のものどもが語る異能とやらか? それとも、きさまは。やつらに与したものか。否定されたものでありながら?》 |
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《まあいい。 こうして相対した以上、それを問う暇も意味もない》 |
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《ただ、否定世界を否定せしものと》 《肯定せしものとして、力にて雌雄を決するのみ!!》 |
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「……まあ、聞かずとも分かることだったかな。 此度は少々、骨が折れそうだ。お手柔らかに頼むよ」 |





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響く地鳴りが不安を掻き立てる。 |
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(踊る花弁が視界を奪う。) |
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「はてさて。では手始めに」 |


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地割れ岩降る。 |
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「さあ、これはどうかな」 |


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——哄笑とともに注ぐ、大岩!! |
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「それは──少し、困るかもね」 |
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(異形の根が、何処からか這い出す。) |

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「大丈夫。ぼくはきみを傷つけたくはないんだ」 |


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注ぐ砂礫。 |
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(こどもは甘く語りかける。) |
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(退された花弁は抵抗しない。) |

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《走れ、走れ! 逃れられるものならな!》 |
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《己の力量を悟るがいい!》 |
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(薄紅が阻むように漂う。) |

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「 ──~~……! 」 |
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「これは……少し、困ったな」 |


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(かどわかすような幻覚。) |

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《そろそろ息が切れてきたろう?》 |

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注ぐ砂礫。 |
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(こどもは甘く語りかける。) |

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《このまま素直に倒れるおれではない》 |
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(踊る花弁が視界を奪う。) |
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(こどもは甘く語りかける。) |
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(こどもたちの声がする。) |

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何とやら告げた言葉を、風切る連撃音がかき消した。 |
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(こどもの纏う花弁が、そっと音を立てた。) |
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「さあ、行っておいで」 |
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(それら一部に、力が分け与えられる。) |
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「 ──…… 」 |
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「「「 あそんでくれるの? 」」」 |


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《そろそろ息が切れてきたろう?》 |
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(こどもたちの声がする。) |
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(誘うように、楽しげに流されていく。) |


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(かどわかすような幻覚。) |
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(退された花弁は抵抗しない。) |
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(それは、ヒトを世から守るための光。) |


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《そう簡単におれを黙らせることはできぬぞ》 |
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(こどもは甘く語りかける。) |
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「 ともだちになってよ 」 |


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地を割らんとする勢いで。 |
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《己の力量を悟るがいい!》 |
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地が震え、唸り、崩れ落ちる音がする! |
| 森のカード発動! |
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(不可視の手があなたに触れる。) |
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(あたたかな光が満ちる。) |

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「おや。なかなかやるね」 |
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(ぴしり。) (弾くように、その一枚を手放した。) |

| ヨシノのカード発動! |
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「おや……きみは強いんだね。此度は降参するとしよう」 |



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火 水 風 地 光 闇 |
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(誘うように、楽しげに流されていく。) |




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火 水 風 地 光 闇 |
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空を切る鞭じみた音とともに。 |
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「 ともだちになってよ 」 |




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火 水 風 地 光 闇 |
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容赦なく振り下ろす。 |
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《己の力量を悟るがいい!》 |
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「 ……どうして? 」 |
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「 ──いらないこじゃ、ないよね? 」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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《どれほどのものかと思ったが…… おれの上をいくにはまだ足りぬようだな》 |
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《……こうして手の内を見せあおうとも、きさまが何者かは分からずじまいか。 だが草木そのものの気配の持ち主など、アンジニティにすらそう多くはない》 |
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《失せるがいい。 おれにはきさまが何なのかもわからなければ、きさまの手折り方もわからん。 手出しのしようがないものを眺めているほど、おれも暇ではないのでな》 |
