
この場所が、好きだ。
まだほんの一握り、僅かしか触れてないけれど……そう思った。
暖かく迎え入れてくれたこの場所が、優しさが嬉しかった。
もっと色んなことを話したい、仲良くなりたい。そんな気持ちでいっぱいになる。
明日はどんな話が聞けるだろう。自分もうまく会話に参加できるだろうか。
陽だまりのような笑顔を見せる人。
__可愛らしい人
誰かの助けになりたいと、その気持ちに殉じて、即決出来る人。
___かっこいい人
初対面の人に臆さず、親しく話しかけていける人。
____賑やかで、楽しい人
自分の好きなことに、胸を張って堂々としてる人。
____素直な、面白い人
好きな人の為に、躊躇いなく行動が出来る人。
____クール(ちょっぴりドジで可愛い)な人
細かいところまで気を遣って、手回しが出来る人。
____頼もしい人
皆それぞれ違う印象だけど…みんな、良い人なんだと分かった。
でも、自分は人と話すのが得意じゃない。……話すのは好きだけど、たぶん得意じゃないんだ。
話そうとすると緊張するし、人の目を見ると何か恥ずかしい。
だからあまり自信がない。
……でも。頑張りたいって思った。温かい場所に、そこに居る人達と友達になりたいと。
だから、頑張る。……具体的な事は思いついてないけど、初めてそう思えたから…諦めたくない。
昨日も、別の場所に遊びに行くという約束もした。そこではどんな人達が居るだろう。正直不安はあるけど……それでも、やっぱり。楽しみだなと、心からそう思えた。
どうせ、全部無駄になるのに?
__境界が動く、願いと現実が揺らいで……その"狭間"へと意識が引っ張られる。
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トマ子 「……うるさい。無駄なんかじゃない」 |
???
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トマ子 「……だとしても、もう決めたんだ」 |
???
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トマ子 「…………」 |
???
願ったんでしょ。"居場所が欲しい"って。たとえ、否定された自分でも
???
植物と金属が混ざり合った歪な化物。形は1つに定まりきらず、定期的にその体は生物と無機物の境目を往復している。……今見える自分の姿も、醜い姿のうちの1つにすぎない。
異能も、この不安定で醜悪な自分の姿を介して生まれた副産物だ。
……宮森美奈子は、侵略者だった。
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トマ子 「みんなが居なきゃ意味なんかないよ。……否定された自分だけ居ても」 |
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トマ子 「ずっと痛いよ。心がずっと軋んで、今にも叫び出したいくらい」 |
だって、自分は好きになった居場所を壊しに来た。そういう存在なのだから。
自分はどうしてこんなにも歪なんだと、叫べたらどれほど楽だったんだろう。
……そういった気持ちを、あの場所に持っていかなくていいのは、せめてもの救いだ。
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トマ子 「……居たいよ、あの場所に。居たいって、思うたび胸が痛くなってたまらない」 |
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トマ子 「でも、好きになった場所を守りたいって。そう思っちゃったんだよ」 |
???
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トマ子 「どう転んでも、後悔するよ。仕方ないでしょ。どうしろってんだよ」 |
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トマ子 「どうせ後悔するんなら……せめて今後悔しないように、盛大に暴れてやろうって思うでしょ」 |
……だからさ、哀しき同胞達。我儘でごめん。
愛しき隣人達。巻き込んでごめん。
どうせなら全力で、泣き喚くような"イタイ"のぶつけ合いに、付き合ってほしい。