
これだから最近の若者は
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ハザマに生きるもの
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────ハザマの刻。 夕暮れにもよく似た、赤い空がそこに広がっている。 |
びちゃ。 |

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ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ・・・・・」 |
今日もまた 太陽が空を焦がして焼け落ちた。 |

誰も居なくなった遊び場に 人影がぽつり。 |

気付けば 少年はそこにいた。 |

終末だ。 今日という日常が どうしようもなく息絶えていく。 |





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火 水 風 地 光 闇 |
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善人であれ。 多くを救え。 命を賭して 免罪符を編め。 |
いつか為す 救いようのない悪のために。 |

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ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |



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火 水 風 地 光 闇 |
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異能。 それは人々が生まれ持つ個性。才能。あるいは病。 |
すべての世界線を束ね、数多の可能性が此処に収束する。 ひとりの人間の身に余るちからは、その身に余る代償を求める。 この異能の対価は、『すべての世界線から己自身を抹消する』ことだ。 |
異能は発現した。 いま、暮泥 唯という少年は死に絶えた。 たった唯一、この世界線に存在するただ一人だけを遺して。 |

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ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |



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火 水 風 地 光 闇 |
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「 あ 、 …… 」 |
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ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
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ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ・・・・・」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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ぐ ぢゅ。 ぼどぼどととめどなく溢れ出る中身をかき集める。 それを吐き出した口から呑み込んで、身体の中に戻す。 |
生きていたい。助かりたい。まだ死にたくない。 まだ生きられるはずだ。まだ生きられたはずだ。 おかしい。こんなはずじゃない。 いま、自分は本当に生きているのか? |
ハザマの赤い空の下、ずるりと赤い泥の上を這う。 朦朧とした意識の中、溶け出してこぼれ落ちたはらわたへと手をのばした。 口に入れる。立ち返り、繰り返して、元に戻していく。 |
ナレハテ。よく似た赤色の残骸も、腹の中に収められていく。 |
