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・・・・『ハザマ世界』に『不思議な姿』をした青年が二人・・・・否、『四人』が現れ・・・・『姿』ではなく『服装』が変わって行く・・・・・・・・そして、それと同時に何か悶絶し始める『人外』の姿をした青年達。
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九郎 「うっ・・・・ぐうっ・・・・くっ・・・・」 |
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ニール 「っう・・・・『九郎』・・・・大丈夫・・・・か・・・・うぐっ!?」 |
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ノア 「ぐぅっ・・・・はぁ・・・・『ニール』!お前こそ・・・・大丈夫かっ!?」 |
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ネイ 「くっ・・・・そう言う『ノア』だって・・・・」 |
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九郎 「俺や・・・・お前等の方が、まだ『マシ』やと思う『ネイ』・・・・一番『大変』なのはニールの筈や・・・・」 |
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ニール 「うっ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・大丈夫・・・・一気に『記憶』が『情報』がながれこんできた・・・・から・・・・うぐっ!」 |
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ノア 「はぁ・・・・はぁ・・・・これじゃあ直ぐに動けそうも・・・・」 |
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ネイ 「っ・・・・無いが・・・・そうは言って居れんようやで?」 |
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九郎 「いやでも・・・・『ハザマ』では確か『一時間』いられる筈や・・・・その間に何とかすればええ・・・・先にニールを落ち着かせようや?」 |
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ノア 「せやな・・・・明らかにニールの『情報量』は俺達の比じゃないし・・・・な・・・・」 |
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ネイ 「・・・・その方が賢明やな・・・・ニール・・・・ソレで良いか?」 |
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ニール 「う・・・・ん・・・・」 |
ぐったりと項垂れる多頭、有翼、植物混じりの青年の『真ん中の顔』の持ち主のニール。
暫くして・・・・『ハザマ世界』での『20分』くらい経った辺りで漸く落ち着きを取り戻し始めた青年達。
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九郎 「ふう・・・・何とか記憶の整理が落ち着いたな?」 |
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ノア 「せやな・・・・」 |
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ネイ 「調子は如何や・・・・ニール?」 |
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ニール 「うん・・・・もう大丈夫な感じ・・・・心配かけてゴメン・・・・九郎、ノア、ネイ」 |
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九郎 「まぁ・・・・まさか自分等が、こんな事になるとは思わんかったしなぁ?」 |
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ノア 「ホンマにな・・・・何と言うかさ・・・・『本来』の自分を思い出したと言うか・・・・」 |
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ネイ 「まさか・・・・『前世』の自分達の記憶を思い出す事に成ろうとは・・・・」 |
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ニール 「せやね・・・・と言うか・・・・何度も僕等は『生まれ変わって』・・・・今この人生を歩んでるんだよね?」 |
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九郎 「そう言う事になるな・・・・と言うか・・・・俺等は普通の人等と違って『魂』を持ってる訳やなくて・・・・俺とノアとネイは『無』やったんやよな・・・・そしてニールは『空』・・・・俺等の『天敵』やった存在や・・・・」 |
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ニール 「だね・・・・でも僕はノアとネイ以外の『無』とかを『喰う』のを極力、控えて居たけどね・・・・当時はさ・・・・?」 |
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九郎 「せやったな・・・・まぁニールの『喰う』・・・・『空』の力のお蔭で色々と助けられたよな・・・・俺等が『人と同じように生まれ変われる』ようになったのも当時、人の身で力の一端を引き出せれるようになったのもニールのお蔭や・・・・その点についてはホント『同族達』は感謝してるんとちゃうかな・・・・今でも」 |
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ニール 「そう言ってくれると有り難いよ・・・・でもさ・・・・何だろ・・・・今この体に入ってて・・・・何か『違和感』を感じるんだけど・・・・ノアとネイは何か感じる?」 |
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ノア 「あー・・・・うん・・・・そうだろうな・・・・」 |
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ネイ 「やっぱり直ぐ気が付いたか・・・・」 |
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ニール 「え・・・・何が?」 |
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九郎 「何やお前等・・・・何かやらかしたのかって・・・・んん!?」 |
ノアとネイから発せられる何かしらの違和感をクロウも感じとったようだ。
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九郎 「お前等・・・・まさか・・・・そんな事が・・・・出来たのか・・・・いやでも・・・・ニールが、ずっと『寄生』していたからか!?」 |
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ノア 「やはり・・・・九郎も直ぐ気が付いたか・・・・」 |
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ネイ 「遅かれ早かれ・・・・記憶を取り戻したり・・・・死んで本来の姿に戻ったら、ばれる事だからな・・・・」 |
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ニール 「え・・・・どう言う事?ノア・・・・ネイ・・・・一体、何を・・・・??」 |
違和感に気が付きながらも理解しきれていないニール。
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ノア 「・・・・いやさその・・・・俺達・・・・」 |
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ネイ 「・・・・『無』から『空』に変化させたんだよ・・・・ニール・・・・お前と『同じ存在』にだ・・・・」 |
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ニール 「えっ!? は・・・・うそ・・・・でしょ・・・・なんで・・・・そんな事が出来たの・・・・??」 |
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ノア 「あゝ・・・・出来た・・・・まぁ・・・・この体に生まれ変わる寸前で『変化』させたんだけどな?」 |
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ネイ 「ニール・・・・お前は生まれ変わる寸前も『酷く弱って』いたから気が付かなかったろうけどな・・・・」 |
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ニール 「で・・・・でも何で・・・・どうして変化させる必要が?」 |
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ノア 「他でもない・・・・お前の為だよニール」 |
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ニール 「えっ・・・・?」 |
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ネイ 「今まで通り、ただ俺達に『寄生』させ喰わせるだけじゃあ、お前の存在は回復しきれなかったからな・・・・何度も本来の姿で力を使う度、お前は体を擦り減らして・・・・もう消滅しそうだったから・・・・それを防ぐために考え付いたのは俺達自身も、お前と『同じモノ』になって『力を循環させ』て消滅を防ぐ他なかったって訳だ・・・・」 |
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ニール 「なんで・・・・そこまでして・・・・僕を・・・・」 |
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九郎 「ニールの事を、それだけ大切にしようと思ってるんだよ・・・・ノアとネイは・・・・無論、俺もそうやけどさ?」 |
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ニール 「でも・・・・それだと・・・・」 |
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ノア 「『空の本能』の方に関しては問題ないさ・・・・むしろ、それくらい事前に対策しているよ・・・・と言うか長い間ただ『寄生』させてただけと思ってたのか・・・・その間に、しっかりと考えてたんだよ・・・・俺達は」 |
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ネイ 「そう言う事だ・・・・事に、ニール・・・・今の気分は如何だ・・・・以前みたいに無性に『喰いたい』と感じるか?」 |
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ニール 「えっ? あっ・・・・あれ・・・・そう言えば確かに・・・・そんな感じが無い・・・・何か『満たされ』てる!?」 |
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ノア 「そう・・・・コレからは無暗矢鱈に喰い尽くす必要が無い・・・・要は今まで出来なかった『食欲』のコントロールが出来るようになったって訳だ・・・・俺達、三人で『力の循環』が出来るようになった事でな?」 |
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ネイ 「そう言う事だ・・・・まぁその、お蔭かお前も人の身で『触手』を出す必要も無くなったって事だ・・・・と言うか、もう出せない筈だぞ?」 |
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ニール 「えっ・・・・マジで!? アレ便利だったのに・・・・」 |
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九郎 「便利だっただろうけど・・・・アレは傍から見たら気色悪いからな・・・・はっきり言って」 |
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ニール 「うへぇ・・・・気色悪がられてたのか・・・・若干ショックを受けてるんだけど・・・・」 |
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ノア 「気が付いてなかったのか・・・・」 |
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ネイ 「どう考えても気持ち悪かったからな・・・・アレは・・・・」 |
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ニール 「うぇ・・・・マジか・・・・あれっ・・・・じゃあ・・・・コレから『喰う』時は如何すれば・・・・?」 |
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ノア 「あゝ・・・・その辺については・・・・ニール・・・・ちょっと手を前に出してみ?」 |
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ニール 「えっ・・・・あっ・・・・うん・・・・こうでいい?」 |
何も無い空間へと向けて手を差し出すニール。
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ネイ 「OK・・・・それじゃあ・・・・『喰う』ぞ・・・・それっ!」 |
その瞬間、彼等の目の前の『空間が凍りつく』・・・・どうやら『熱』を奪って『喰った』ようだ・・・・。
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ニール 「うえっ!?マジかコレ!?!?」 |
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ネイ 「ふう、ごちそうさまっと・・・・とまぁ・・・こんな感じだな?」 |
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ノア 「コレからは『触手』無しで、こうやって喰う事が出来るようになったから・・・・まぁやり方は今度・・・・次に此処へ来た時にでも教えるよ」 |
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ニール 「う・・・・うん・・・・でもホント・・・・色々と吃驚したよ・・・・てか『無』から『空』に変化させれると聞いただけでも度肝を抜かれて驚いたよ・・・・」 |
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九郎 「ホンマにな・・・・マジで吃驚したわ・・・・お前等・・・・」 |
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ノア 「せやろ・・・・まぁソレが出来たのは長い間、寄生されてた俺達だから出来ただけで普通は出来ない筈だからな?」 |
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ネイ 「だな・・・・正直、一か八かだったからな・・・・まぁ何れにせよ上手く行って良かったのさ・・・・お蔭で無事に人としての人生を歩めている訳だしな?」 |
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ニール 「ほんと・・・・ノア・・・・ネイ・・・・有難う・・・・僕なんかの為に感謝しきれないよ?」 |
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ノア 「良いって事よ・・・・と言うか、お前が失われる方が辛いからな?」 |
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ネイ 「そう言う事だ・・・・まぁ、コレからも末永く・・・・いや、ずっと宜しくなニール?」 |
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ニール 「うんっ・・・・有難うノア・・・・ネイ・・・・そして九郎も・・・・」 |
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九郎 「ま・・・・俺はこの件に関しては何も噛んでないけどな?」 |
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ニール 「それでも・・・・有難う九郎!」 |
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ノア 「さて・・・・ニールの体調も落ち着いたし・・・・そろそろ行きますか俺達も?」 |
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ネイ 「せやな・・・・今回で『二度目のハザマ探索』や・・・・今回は、もっと奥へと進んでみたいな?」 |
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九郎 「ホンマにな・・・・『前回』は途中で『強制退去』させられたしな?」 |
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ニール 「だね・・・・退去前に『メモ』を残す事は出来たけど・・・・」 |
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九郎 「皮肉な事に今回の人生で・・・・大学の後輩の『リコちゃん』が、まさか『ハザマ』と『イバラシティ』に飛ばされて『メモ』を拾って・・・・再び俺達の手に戻るとは思わなかったけどな?」 |
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ニール 「本当にね・・・・・まぁ当時、僕等は『ハザマ』だけに飛ばされただけだから『イバラシティ』に行く事は無かったけどね・・・・」 |
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ノア 「せやな・・・・にしても今回の『ハザマ』は俺達が来た時よりも随分と『地形が違う』ような気がするけど・・・・」 |
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ネイ 「ま・・・・その辺は要検証って奴やな?」 |
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九郎 「ホンマやね・・・・それじゃあ行きますか?」 |
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ニール 「了解・・・・もう何時でも行けるよ?」 |
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ノア 「慌てて『次元タクシー』に乗り遅れないようにしないとな?」 |
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ネイ 「だな・・・・それじゃあ・・・・九郎、ニール、ノア・・・・」 |
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九郎 「そしてネイ・・・・行くで・・・・新たな『ハザマ世界』の冒険に!」 |
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ニール 「うん、頑張ろうね!」 |
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ノア 「無理せずにな!」 |
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ネイ 「まぁ気を付けて行くぞ?」 |
と・・・・駆け出して行く『人外』の青年達・・・・。
今回、『二度目』とは言っているが以前とは地形も何もかも違っているだろう・・・・が、最初の間は上手くやって行くだろう。
さて・・・・彼等について語るべきことは、まだまだ多いのだが・・・・今回は先が長いだろうので段階的に話して行くかもしれない・・・・。
何れにせよ『戦い』は始まったばかりなので長い目で見て、のんびりやって行こうと考えて居る青年達なのでした。