
ここはイバラシティ:ヒノデ区に居を構えるブティックYSD。
老若男女問わず幅広い層が利用するブティックは、今日も今日とて繁盛している。
そのブティックの休憩室、いくら騒いでも喧嘩してもデュエルしてもイノカクしても表に迷惑をかけないスペシャルな休憩室に、今日は珍しくプロデューサーYとタレントのシアちゃんがやってきていた。
顔面が良すぎる二人を前に物怖じしないたまきと物怖じしている凪。4人でテーブルを囲んで何を話し合っているかと思えば……
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シア 「いっそ考えるのをやめて雪だるまみたいな服にしましょう?ベイマッ〇スみたいな」 |
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Y 「誰が着るんだそんなの。第一ほぼ着ぐるみだろうが。僕はどこからでもお菓子が出せるようなポケットが多い服がいい」 |
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たまき 「もっとあれ、謎にでかいベルトとかあったほうが絶対売れると思う!男の子はそういうの大好きだから!多分」 |
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凪 「…………………」 |
チキチキ!新しいお洋服を考えようの会!をしていた。
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シア 「ナギちゃんは~?どんなお洋服がいい~?メガネが落ちなくなるような服?」 |
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凪 「それメガネバンドでよくないですか」 |
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たまき 「大丈夫!凪ちゃんのメガネは絶対落ちないようになってる!」 |
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凪 「なってねえ」 |
議題を決めてただ駄弁ってお菓子を食べているだけにみえるが実際はただ駄弁ってお菓子を食べているだけである。メガネはちゃんと落ちる。
定期的にお店の様子を見に来て「売れ筋どんな~?」等軽いノリで確認に来ているだけなのだろう。普段は気難しいYもこの時だけはゆるゆるだ。
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シア 「私的には何を着せたらプロデューサーちゃんが可愛くなるかとかダサくなるかが気になるわ!一体何が似合わないのかしらこの人」 |
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Y 「あ?安易に女装などと言い出したら小遣いを減らすぞ」 |
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凪 「お小遣いもらってたんだ……」 |
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Y 「僕的にはたまきは素材がいい、僕の代わりにモデル業をやらないか?」 |
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たまき 「ん~~事務所エヌジーかな!」 |
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Y 「どこの事務所だ」 |
今日のお菓子はコンビニで買ってきたドーナツやスイーツ。成人済みにの大人たちには少し甘すぎるかもしれないラインナップだが、細い大食いのYさんの胃袋にどんどこ消えていく。
そこで菓子を一緒に買ってきた雑誌が広げられる。おそらく買ってきたのはシアさんだろう、日本語の勉強もかねていろいろな本を買っているところを見ると、普段の大雑把なところとは違い勤勉なところもあるのが伺える。
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シア 「見てみて、他のファッションブランド載ってる~!どれも可愛いわね!皆どれが好き? 私はね~kreuz Ⅹかしら。多分私のイメージに合いそう!」 |
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Y 「他のファッションブランドか、まあ視野を広げるにはいいだろう。たまには役に立つことをするな 僕は………このねこかぶりというところが気になる。名前がいい」 |
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たまき 「名前じゃん。でも帽子専門店か~、いろんなのありそう。 俺はそうだなぁ、candy boxかな」 |
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Y 「えっ」 |
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シア 「たまちゃんそういう趣味…?」 |
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たまき 「違う違う妹が好きそうだな~ってだけ。俺行くならhotdawgかな。かっこいい」 |
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凪 「よかった、もう少しで関係を断ち切るところだった」 |
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たまき 「ん~~もしかして人として人権を失いかけてたかな~? そいういう凪ちゃんはどこがいいん?」 |
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凪 「俺はそうだな……異世界図書員」 |
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Y 「予想通りだな」 |
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シア 「ひねりがなかったわ」 |
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たまき 「せっかくのトリだったのになぁ。でも似合う似合う」 |
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凪 「えっ、理不尽……」 |
そうこうしているうちに、休憩時間が終わり新衣装は特に決まらずグダグダと駄弁って終わるのであった……!