［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

スイレイ・トゥカナンという出来損ない。
産まれたときから異能が貧弱だった。それを憐れんだ父は、鎖骨に入れ墨を入れた。
入れ墨は『境界強化』の異能により、過去や未来の己自身から少しずつ異能力を間借りしてゆき、現在能力を増幅する。
父の境界強化は、それを可能にするほど強力な力。対して、スイレイの異能は入れ墨込みで人並みだ。

……それも、このハザマに来るまではだ。
今は十全に力を振るえている手応えがある。自分が強いと錯覚できるほどに、戦果を上げている。
だから、未来の己がさらに異能を奪われようとも、過去の己が弱化しようとも。
今ここで、このハザマでトゥカナンの責務を成す。

……眼前には異形の巨獣。赤い瞳が、鋭く天高くそびえる角が。ソレが尋常でない、脅威だと断定できる。
そして、同時にだ。……このハザマでの大戦は収束に向かっていると知覚できる。
たぶん、僕の最後の敵が、これだろう。

「異母弟（コルダ）、僕はうっすら……いま確証に変わったものがある」

たぶん、この敵にぶつける異能が、今までの僕を貧弱にしてた。
今日の僕が、産まれたときから僕を雑魚にしてた。
赤子の頃から昨日までの異能力を、今日搾取しているのだ。

「……決戦だ。幸いにも、勝数は君のほうが一つだけ多い
　何勝何敗か、忘れたことにしておくが。それでも、次の当主は」

水流操作を起動する。
周囲にでかい水の龍がぶち上がる。本物の龍ではなく、異能と水流による紛い物。
けれど、その水龍は十数年分の「貸し」だ。

「コルダ・トゥカナン。生きて帰るぞ
　こんなふざけた捨て石の役目、僕たちが終わらせてみせる
　今日限りで、今回の危機は終わるだろう！　次に来る脅威は、また別の者にさせればいい」

水龍を天高く伸びる角に巻きつける。
敵の咆哮で、骨が震える。敵の牙の押し出しがかすり、スイレイの左肘が砕ける。
しかし、まだだ。貸しは返してもらわないとだ。

「……それとも、次の脅威も
　トゥカナンに任せていいのかな？」

水龍が巨獣の角をへし折る。
そして、コルダの矛が敵を食い破り始めているのを視認する。

「今までの苦労は、この獣の消滅で忘れてやる」

未来の分も、借りないとだ。
今後、数十年先の……おそらく死ぬまでの己から、拝借してくる。
異能を現在の己に振り込ませる。

「異母弟（いぼてい）。僕はトゥカナンの役目から降りる
　あとは君が決めていけ。……新しいトゥカナンを作ってゆくんだ
　コルダ・トゥカナン。君がいた事に、少しだけだが……感謝してる」

水龍を圧を極限まで高めて叩き込む。
致命打ではない。だが、核が露出する。
生物とはまた違う原理で生きる侵略性生命体。

ぶるぶる震えながら右手で核を指し示す。
左肘からの失血が、意識を刈りかけている。
異母弟に守られる位置。矛が前に、捨て石として使い切った盾が斜め後ろに。

――ｚ＿＿＿

ハザマは閉じ、記憶は破棄されて。
そのままトゥカナン邸での喧騒が、いつもどおり幕を開ける。
何勝何敗か、なんて言葉が飛び交い。

左ひじ先が満足に動かない事に少しの違和感を覚えながらも、生まれつきそうだったと思い直す。
ただ、一つだけ”昨日”と違うのは。
スイレイには最初から異能が無くて、急に現れた異母弟には異能がある。
……スイレイはその事を教えていない。母に報復されないように、異能が無いのを隠している。

勝てば官軍、とやらだ。

特に何もしませんでした。

チェックポイントから天に向け、赤色の光柱が立つ。

次元タクシーで行けるようになったようだ。

スイレイ(926) は 柳 を入手！
コルダ(938) は 柳 を入手！
コルダ(938) は 羽 を入手！
コルダ(938) は 毛 を入手！
コルダ(938) は 何か柔らかい物体 を入手！
スイレイ(926) は 何か柔らかい物体 を入手！
スイレイ(926) は 何か柔らかい物体 を入手！

命術LV を 4 UP！（LV11⇒15、-4CP）
武器LV を 3 UP！（LV32⇒35、-3CP）

ItemNo.8 平石 から射程1の武器『己の異能【過去】』を作製しました！
　⇒ 己の異能【過去】／武器：強さ67／［効果1］攻撃15 ［効果2］－ ［効果3］－【射程1】

ItemNo.9 牙 から射程1の武器『己の未来すべて【可能性】』を作製しました！
　⇒ 己の未来すべて【可能性】／武器：強さ67／［効果1］攻撃10 ［効果2］－ ［効果3］－【射程1】

ItemNo.10 松 から射程1の武器『小さな嘘【当主候補】』を作製しました！
　⇒ 小さな嘘【当主候補】／武器：強さ67／［効果1］器用10 ［効果2］－ ［効果3］－【射程1】


スペイド(725) とカードを交換しました！

ジャッカル （ジャッカル）


アウトレイジ を研究しました！（深度0⇒1）
アウトレイジ を研究しました！（深度1⇒2）
アウトレイジ を研究しました！（深度2⇒3）

コルダ(938) がパーティから離脱しました！

チナミ区 H-17（森林）に移動！（体調10⇒9）
チナミ区 H-18（森林）に移動！（体調9⇒8）
チナミ区 H-19（森林）に移動！（体調8⇒7）
チナミ区 H-20（沼地）に移動！（体調7⇒6）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『チナミ区 H-15：釣り堀』へ採集に向かうことにしました！

―― ハザマ時間が紡がれる。









ふたりが時計台を見上げると、時計の針が反時計回りに動き始める。






針の動きは加速し、0時を指したところで停止する。



時計台から、女性のような声――









声は淡々と、話を続ける。






























声はそこで終わる。



















榊がこちらを向き、軽く右手を挙げる。



エディアンもこちらを向き、大きく左手を振る。