進行先にある壁も生き物も、避けずに進む。 ただ街中が、その『異物』を注視していた。 |
レッド 「あ、軍手落ちてる。ったくちゃんとゴミはゴミ箱に捨てろってーのおぉおおぉあああああ!?!?」 |
レッド 「こ……こいつ動くぞ!!??!」 |
罪人が立っている。 女性が一人、右手には符を携え、 腫れた瞼もそのままに、眼前の敵を睨み付けている。 |
心の中に、己の目的を確かめる。 勝って先に進むこと。ワールドスワップの成就。 イバラシティを奪い取ること。 |
そのために、ここにいる。 |
モコ 「それじゃあ始めましょうか」 |
少年の周りを色とりどりの厚みの無い蝶が群れ飛んでいる |
歩行軍手 「ぐぐぅ!」 |
歩行軍手 「ぐぐぅ!」 |
少年の足元を這うように禍々しく輝く蝶達が舞う…… |
少年の足元を舞っていた蝶達は一頭……また一頭と地面に舞い堕ちて消えてゆく…… |
符を手に取る。赤と白によって作られた、式神の依り代になるもの。 |
形代に書く文字は決まっている。 飛ぶものを使役したいのなら、羽があることを書く。羽あるものを鳥とする。 地を駆けるものを使役するのなら、足があることを書く。足あるものを狗とする。 |
高位のものを使役するのなら。 例えばそれが、人間で、格高い神のしもべで。 それでも、使役する場合。 |
死霊 清の目の前で彼は死んだ。 最期の吐息と共に漏れ出たものを、清は捕えることができた。 他ならぬ彼から学んでいた。 |
妖 大妖が死に、妖怪が集まっていた。 獣の霊魂から望む式神を創り出すように、人と妖を継ぎ接ぎして『格』を落とす。 清の手に収まるまで。 |
名 清は彼の名を知っている。 呼ばれることを嫌った名。妻の死と共に捨てた人としての名だと、聞いたのはいつだったろう。 神のしもべであろうとした男を、人以下のものへ落とす。 |
そして、形代を作り上げる。 血で書かれた形代が、流したものを強く縛る。 形代は使い捨て。血で書けばその限りではない。 |
これこそが八矢清の罪。 死を否定し続ける限り、八矢清が故郷に帰る事はない。 三劔司が、死を迎える事もない。 |
レッド 「足を戻して両足跳びっ!いちにっさんしっ!」 |
少年は半歩退いた |
モコ 「今のは惜しかったですね」 |
路面を白い線が走っていく。 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
かつて神の祖が試み、禁じられたもの。 |
――穴に落ちた気がした。落ちた先は不毛の大地で、一人『三劔司』を手に彷徨った。 一時間かもしれないし、十日だったかも、一年経ったかもわからない。< 怒りが心を灼いていく。 |
清 「どうしてわたしばかりが、奪われないといけないの。 世界の全てが壊れるようなことが、二度も」 「……これ以上、奪われてなるものか」 |
「 奪ってやる 」 |
清 「ただ運の良いだけの奴等に。 のうのうと過ごしている奴等に、教えてやる」 「日常がどんなに脆いものかって! 奪われる側が、どんなに苦しいかって!」 |
そう決めた時だ。声が響いたのは。 |
――私、エディアン・カグから、アンジニティチームの方々へ。 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
歩行軍手 「ぐっぐぐぅーッ!!!!」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
レッド 「深く息を吸って~吐いて~、すぅ~~~~はぁ~~~~」 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
放送 「止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。」 |
死すべき魂を引き戻す。BR> 憤怒が、嘆きが、ハザマの地が、それを可能にする。 |
深谷 「……ちょっとは良い面構えになったな。 そうとも、お前は弱い。一人で戦い抜くなんて不可能だ。 だからおれを眠らせっぱなしにゃできねぇ」 「構わねえぜ、それで。可愛い弟子の為に働いてやるよ」 |
深谷 「謝るな。命令しろ。赦されようなんて思うな。 侵略を目論み、おれを使役する限り、お前は常に加害者だ」 「それを忘れてガキみてぇな我儘言うなら、 おれはいつだってこの首輪を引き裂いて、その首へし折ってやる」 |
歩行軍手 「ぐっぐぅー!!」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
歩行軍手 「ぐっぐぅー!!」 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
レッド 「足を戻して両足跳びっ!いちにっさんしっ!」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
幾重にも重なった看板が進路を塞ぐ。 |
死すべき魂を引き戻す。BR> 憤怒が、嘆きが、ハザマの地が、それを可能にする。 |
迫る異形の体。 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
レッド 「さて……準備運動は終わりだ!悪は全て俺の手で挫く!」 |
レッド 「さぁ……かかってこい!」 |
繰り出した攻撃は鎖に阻まれ、少年に届くことは無かった |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
まだ、わたしのそばにいて。 |
薙ぎ払う。 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
幾重にも重なった看板が進路を塞ぐ。 |
モコ 「それではごきげんよう」 |
かつて神の祖が試み、禁じられたもの。 |
体当たり。 |
歩行軍手 「ぐっぐぐぅーッ!!!!」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
歩行軍手 「ぐ・・・ぐぅ・・・・・」 |
歩行軍手 「ぐ?」 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
モコ 「それではごきげんよう」 |
死すべき魂を引き戻す。BR> 憤怒が、嘆きが、ハザマの地が、それを可能にする。 |
体当たり。 |
歩行軍手 「ぐぅーッ!!」 |
歩行軍手 「ぐ・・・ぐぅ・・・・・」 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
幾重にも重なった看板が進路を塞ぐ。 |
鎖がまるで意思を持った蛇のように跳ね上がる |
まだ、わたしのそばにいて。 |
清 「まだまだ、倒れるなんて許さない……」 |
清 「なにものも、わたし達を裁く事はできない。」 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
まだ、わたしのそばにいて。 |
体当たり。 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
放送 「止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。」 |
放送 「ゴミはもういらない箱へ」 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
かつて神の祖が試み、禁じられたもの。 |
薙ぎ払う。 |
死すべき魂を引き戻す。BR> 憤怒が、嘆きが、ハザマの地が、それを可能にする。 |
迫る異形の体。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
分銅が弧を描いて襲い掛かる |
かつて神の祖が試み、禁じられたもの。 |
清 「まだまだ、倒れるなんて許さない……」 |
清 「なにものも、わたし達を裁く事はできない。」 |
レッド 「言っておくが俺はそう甘くはない。邪魔をするやつを全員消し飛ばしてでも、俺は!救いあげてみせると決めたっ!」 |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
死すべき魂を引き戻す。BR> 憤怒が、嘆きが、ハザマの地が、それを可能にする。 |
体当たり。 |
レッド 「おらぁっ!!ちょろちょろしてんな喰らいやがれッ!」 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
死すべき魂を引き戻す。BR> 憤怒が、嘆きが、ハザマの地が、それを可能にする。 |
体当たり。 |
レッド 「甘い、お前らの動きはすでにわかっている!」 |
レッド 「そう、このメニュー表に全部書いてあるからな!」 |
レッドのカード発動! |
黒焦げのなにかが押し寄せる。 それらから発せられるのは生物には耐えられない熱だ。 |
かつて神の祖が試み、禁じられたもの。 |
迫る異形の体。 |
音楽と共に、街中の視線が集まってくる。 |
死角から鎌が跳ね上がるように襲い掛かる |
かつて神の祖が試み、禁じられたもの。 |
体当たり。 |
清 「遊んでいないで、真面目にやって、深谷!」 |
悪い夢だ。 |
清のカード発動! |
神楽 「このわたしがおまえらを全員血祭りにしてやるよーーー!!!」 |
深谷 「悪く思うなよ」 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 1 0 0 1 |
2 0 1 0 0 3 |
火 水 風 地 光 闇 |
5 0 4 3 0 2 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
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そこら中にあった視線が次々に消え…… |
目的地を見つけたかのように、一方向へ向けて進行を早める。 |
レッド 「俺たちの戦いはまだまだこれからだ!」 |
歩を進める。自らの一歩一歩を、ハザマの地に刻み付ける。 ハザマにいられる時間は短い。一分一秒たりとも無駄には出来ない。 故郷で、生きる支えを奪われた。 奪われ続けたがらんどうの心と体に、燃えるような怒りが灯る。 |
侵略を遂げる。それだけが、彼女のすべて。 |
モコ 「野望に一歩前進なのです」 |
少年の周りを飛んでいた蝶達は地に落ち、次第にその姿を薄れさせて消えていった |