アンジニティの住民で、両手が毒手となっている男性。アンジニティではショウキとだけ名乗っており、本来の名前は明かそうとしない。幼少期、とある異能事故により両手から常に黒い毒霧が漏れる体質になってしまった。黒い毒霧はショウキの意図によらず、触れたものを毒に犯してしまう。
この毒霧は即効性で、侵されたものはどんな生物であれ即座に多くの症状が発現する。人間がその毒霧に触れれば、皮膚は黒く染まり、しびれ、吐き気、発熱、鼻水、咳、倦怠感、食欲不振、筋肉痛、眠気がそれぞれほんの少しだけ発現してしまう恐ろしいものである。なお、一晩ほど寝ると自然に治る(黒くなった部分は水で洗うと落ちる)。生物以外にも有効で、触れている間は対象が腐りやすくなったり、壊れやすくなる。ショウキがバナナを1時間ほど手に持っていると、1日早く足が来てしまうほど。
毒霧の効能はともかく、見た目が禍々しいため、毒手を患ってからは周囲の人からは近寄りがたい存在になってしまった。本人はそれがいたく気に入らないが、所構わず周囲に毒を振りまきたいとも思っていない。そこで、自分の毒手に耐性をもつ生物だけが住まう街を作ろうと企て、実際に廃村を一つ毒霧に浸していたら、アンジニティ送りになってしまった。が、彼は今でもどんな世界であれ自分のための毒霧に満たされた街を作り上げようと画策している。
イバラシティ内では坂之内 勝樹という名前で創峰大学 第二学部に所属する大学生となり過ごしている。家族もおり、父、母、妹との4人家族で生活している。イバラシティ内ではなぜか毒手は発現せず、その代わりなのか重度の潔癖症(特に手に触れるもの)を患っている。常に黒い手袋を嵌め、消毒液と予備の手袋を鞄に携えていないと落ち着かない。アンジニティでの記憶はないので、わりと普通のどこにでもいる大学生といえる。自身の生活圏内はすべて消毒されている世界が理想だと考えており、思考回路はアンジニティでの彼とそう大差はないようだ。背丈がやや低いので、よく中高生と間違われる。おおよそ155cm前後と思われるが、本人に聞いても教えてくれないし、不機嫌になる。
この世のきれいなもの、美しいと彼が思うものが好き。最近のマイブームはゲームセンターにおいてある女の子向けキャラクター着せ替えアーケードゲームで、密かにカードを集めて楽しんでいる。もちろん、遊ぶ前にしっかり筐体を消毒してからやるので、混雑時は避けるようにしている。他にも少女マンガが好きだったり、お菓子づくりに取り組んでいたりする。これは、一緒に住んでいる妹の影響もあるようだ。ただ、妹は彼とは対象的にズボラなので、彼は辟易している。