かばろ うもう
雄。
麦酒が飲みたいので生後20年は越えていると主張している。
体長180cmぐらい(被り物のせいで正確な数値は不明)
被り物に隠れているが、彼は馬なので轡(※1)を装備している。
競走馬をリスペクトしており、シャツにゼッケンが縫い付けられている(※2)。
また、腰にもらった白い越中褌(※3)をひっかけている。
「ぼかぁね、見ての通り馬だよ。
納豆が一番好きだよ。ほかほかご飯と一緒に毎日食べたいなー!
ニンジンとリンゴのジュースも好きだよ。朝に野菜のスムージー一気とか最高だと思う。
君はどう? 馬と納豆に興味は? ない?
そっかー残念だブヒッヒン」
変態かって?
変態だよ。
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彼はある日突然「自分はヒトでは無く、ウマだったんだ」と自覚した。
自覚したその日、自制を投げ捨て「ブッヒヒーン!」と叫びながらマッパで走り回った前科に関しては、他ならぬ彼自身の責任であるため、遠慮なく変態と罵るべきである。
ちゃんと罰せられたし反省はした。
牛丼はウマいと思っている。紅しょうがは存在が邪悪過ぎる。
なお、この馬は別の世界出身のため「異能」は持っていない。
ただパルクールを嗜んでおり、この馬面、地形を無視してそこかしこを駆け抜ける散歩を趣味にしており、一種異能染みた運動能力を持っている。その辺の壁や天井を力学無視して走れるギャグ補整持ちとも言う。
樺路家は血筋を辿っていくと、不穏な婚姻が散見される。
おそらくはそういうことなのだろう。
しかし彼の突然の頭パーンっぷりには両親も困惑を隠せず、どうにか治療出来ないか手を尽くしたが、匙は藁の山へと投げられた。
彼がある日、イバラシティで納豆三昧したいという希望を伝えた際は二つ返事で了承し、送り出した。
家族仲は悪くは無い。ただ、どうしてそういう方向に尖った…と嘆かれている。
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(※1)
ヒトと共存する馬の当然の義務として。
彼はヒトの両親から生まれたので、野生馬ではない。
ヒトに世話をされ、背中に誰か乗せたいのである。
(※2)
馬として誇るべき職業である。
男の子だから形から入りたいよなー!
ゼッケンナンバーは212。
(※3)
それは彼がまだ故郷である、こことは別の世界にいたときのことだ。馬の身で刀が欲しいなと唐突に思い至り、鍛冶を生業にするトモダチ(だと彼は思っている)の家にアポも取らず勢いで押しかけた。ゴネにゴネてもらうことに成功した(ニンジャかっこいいー! うぇーーい!! とかその程度のふわっとした理由だったのため、それは現在、実家の押入れの奥底に封印されている)。その際全裸になった(※4)ことを厳しく咎められ、投げつけられた褌を愛用することにした。絵面が余計に酷くなった。
(※4)
お金が無かったので、彼は身体で返しますと服を脱いで働く意思を見せたのである。
馬だからね。仕方ないよね?
その場にいたのは鍛冶師の男と、お手伝いさん。
鍛冶師は変人に慣れていたので白い目をしながらその場を黙って離れた。
お手伝いさんはそれをゴミを見る目と手段で黙らせた。
最低限の順法精神を恐怖と共に叩き込まれ、これ以降、彼は馬という自覚はあるも、ヒトとしての生活を送る努力をしている。
彼が持っている手斧は、その説教の際に「次やったらこれで潔く自害なさい」と渡されたもの。
恐怖心から彼は手斧を手放せずにいる(武器として使うつもりは今のところない)
また、うさ耳を生やした爬虫類のような瞳をした女装青年を見ると発狂する。