―― ハザマ時間が紡がれる。
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榊 「・・・おや?何だか良い香りが。」
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榊
黒髪に蒼い瞳、黒スーツ。
細く鋭い目で怪しげな笑顔を頻繁に浮かべる。
整ったオールバックだが、中央の前髪がすぐ垂れる。
花の香りと共に、Cross+Rose内が梅の花に囲まれた売店のある景色に変わる。
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榊 「香りまで再現、高機能な代物ですねぇ。」
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榊 「しかし香るのは、花の匂いだけではないような・・・」
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何か甘い香りが漂っている売店のほうを見ると――
カオリ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、橙色の着物の少女。
カグハと瓜二つの顔をしている。
カグハ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、桃色の着物の少女。
カオリと瓜二つの顔をしている。
静かに何かを作っているふたり。
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榊 「ごきげんよう。それは・・・・・団子、ですか?」
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榊の質問に、反応する。
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カグハ 「団子いっちょーう。180円。カオリちゃん、具。」
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そう言って焼いた団子を隣りに渡す。
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カオリ 「はいはいカグハちゃん。はいアンコ奮発しちゃうよー!!」
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団子にもっさりとアンコを乗せ、榊に手渡す。
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榊 「おお・・・これはこれは美味しそうな!ありがとうございます。」
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カオリ 「・・・・・って、チャットでやってもねー。無意味だねぇ!無意味っ!!」
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カグハ 「ホンモノ食べたきゃおいでませ梅楽園。」
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両手でピースサインを出すカグハ。
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カオリ 「いやまだお店準備中だから!来てもやってないよー!! 材料創りはカグハちゃんなんだから自分で知ってるでしょ!!」
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ピースサインを下ろそうとするカオリ。
Cross+Rose内の景色が元に戻り、ふたりの姿も消える。
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榊 「いただいた団子は・・・・・これは無味ッ!!味の再現は難しいのですかね。」
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榊 「まだ準備中のようですが、こんな世界の中でも美味しいものをいただけるとは。 いつか立ち寄ってみるとしましょう。」
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チャットが閉じられる――