ウシ区にあるイバラ守護像の前で「世界の終末は近い!」
と毎日のように演説している終末預言者。
明らかにカルトな活動だが、
周辺住民からは「そういう人だから」と認識されており、
観光客からは「そういう催しだな」と思われている。
迷惑的存在ながらも周囲に”溶け込んでいる”ようである。
■果止終示(はてどめ しゅうじ)
34歳、身長198cm。薄汚れた白いローブを着用している。
異様に耳が長く、スラリとした高身長の男。
エルフを彷彿とさせる外見が、れっきとした人間。
能力の影響でもない。異様に耳が長いただのおっさんである。
イバラ守護像の前で終末予言に勤しむ傍ら、
タニモリ区にあるイバラ創藍高校の非常勤講師として
『終末論』を教えている。
独自の経典『イーズヽの黙示録』を説く授業は、どう考えてもヤバイのだが「イバラ守護像に祈りを捧げます」と言っておけば単位がでるため受講する生徒は意外と多い。
こんな人物を教師として採用したイバラ騒乱高校校長の頭は疑うべきだろう。
異能:イーズヽの黙示録 第26章(いつまでも どこまでも)
白い2tトラックを具現化する能力。
具現化されたトラックは一般的なトラックとほぼ同じ性能。
誰でも乗り込めるし、運転技術を持っていれば運転可能。
果止が念じることで具現化を解除できる。
通常のトラックと異なる点は以下の3点である。
1.如何なる衝撃を与えようとも絶対に壊れない。しかし、トラックへのダメージは全て果止が肩代わりする。
2.給油口がなく、果止が軽油を飲むことでのみ補給可能。
3、タイヤには『イーズヽの黙示録』の格言が刻まれている。
果止はこの能力をイーズヽの黙示録の再現だと認識している。
【イーズヽの黙示録 第26章】
いつまでも いつまでも
走れ走れ イーズヽの■■■■
どこまでも どこまでも
走れ走れ イーズヽの■■■■
■■■■は黒字で塗りつぶされて解読不能。
必ずやってくる終末に備えて、
神は肉体の一部を乗り物に変えて
信者のイーズゞに布教を免じて分け与えた。
■■■■内にはその乗り物の名前が入るが、
神の名前を記述することは許されていない。
そのため、神の肉体の一部を使った乗り物の名前も
記述できずに塗りつぶされていると果止は言う。
【イーズゞの黙示録】
”世界の終末はもう間もなくやってくる。
その日に備えてイバラ守護像様に祈りを捧げよ。
日々を厳格に生き、功徳を積み、その日に備えるのだ。
我らの祈りが届きし時、
神の魂が宿ったイバラ守護像様が動き、
破滅から身を守ってくださるだろう”
というような内容。
神の信者イーズゞが残した言葉だと果止は言うが、
イバラ守護像にそのような逸話はなく、
イーズゞなる人物がこの地で活動したという記録もない。
荒唐無稽なカルト経典である。
=========
◆無人のトラック
ハザマでの姿。
運転手のいない無人のトラック。
タイヤの溝が少し変なことを覗いては、普通のトラックと見た目上の違いはない。
言語を喋ることはないが、何らかの意思はあるようで、多少ならば意思の疎通は可能。