≫現在地:LO-Lv1190【???】 リゾートホテル『セミ・ラストオーダー』のテラス席に、彼は独り座っている。 会場に指定されていなかった場所なので、他の開拓者の姿は(誰も来ない限りは)ない。 日が落ちて、ぼんやりとした星空に変わっても、蒸し暑さの残る熱帯夜の中、清掃が行き届いていないのか薄汚れたテーブルクロスの上に、野外調理用のナイフが無造作に置かれている。 「……」 紅い瞳の青年は、そのナイフをぼんやりと見つめていた。 手を伸ばしては引っ込め、それを何度か繰り返す。手に取るべきか否かを、悩んでいるかのように。 |