空に太陽は無い。荒野のずっと向こう側、地平線の下に長いこと佇んでいる。 クマダたちは、未開の領域と呼ばれる場所を進んでいた。砂埃を防ぐためにマントを羽織り、頭をすっぽりとフードで覆っている。荷物を背負った馬を引きながら、荒野を歩く。 「俺たちはどこまで行きゃいいんだよ。なぁ、悪食さんよぉ」 シローが愚痴をこぼす。不満、というよりも弱音に近かった。その証拠に彼の大きく白いしっぽも、今では砂にまみれ薄汚れている。 「黙って歩け。あぁクソ、こんなところ歩かされるなんて、ボクだって聞いてなかったぞ。帰ったら、たっぷり文句言ってやる」 クマダの眉間には皺が寄っている。食いしばった歯の間から、思いつく限りの嫌味が呪詛の様に漏れ出していた。 荒野はいつまでも続いている。太陽が暗い空を地平線の下から照らす様子は、傍から見れば厳かな風景にも見えたが、今のふたりにそれを知る余裕はなかった。 荒野に一軒の宿屋を見つけたのは、それから数時間経ってのことだった。 クマダは今、宿屋のロビーでひとり酒を煽っている。安く、薄く、まずいワインだったが、下戸であるクマダを酔わせるのには十分な量だった。 「なんでボクがこんなこと……、クソ、クソっ……」 顔を真っ赤にし、テーブルに上半身を伏せうなだれている。はじめは、美食家が集まり良質な料理の為に星を開拓していると聞いて、観光気分で訪れた。BUGと戦うというのも、美食に情熱を傾けるクマダにとって難しくはないことだった。それに、行く先は落ち着いた小川や荘厳な遺跡、果ては浮遊する城など。BUGがいることを除けば、この星は確かに観光するにはもってこいの名所の宝庫だった。度々、目にした雄大な風景に、いったい何度感動したことだろう。 「まさか、果てがこんなザマになってるとは、思わなかったよ」 未開の領域。どこまでも続く荒野。見通しの悪い、暗い土地。暗くかすんだ地平線。これでは、作物も満足に育たないだろう。 クマダは、空になったグラスに再びワインを注ごうとして、瓶の中が空だという事に気が付いた。 「ひっく、あぁ、そこの……げふっ……フロントスタッフ。ワイン、もう一本たのむよ」 フロントにいる、背の高い痩せぎすの男に声をかけた。スタッフ、といってもこの宿屋に従業員は片手で数えるほどしかいない。先を行く開拓者がこれから来る者のために建てたものだからだろう。 「お客さん、荒れてますね。顔真っ赤じゃないですか。やめたほうがいいですよ。明日も開拓にでかけるんでしょう?」 スタッフが心配そうに答えた。フロントの椅子に座りながら、夕刊を手にしている。と、いうことは、今はきっと夜なのだろう。長いこと空が暗いので、時間の感覚がすっかり狂っている。 「開拓?」 クマダは、机に上半身を伏せたまま視線だけをスタッフに送り、言った。 「もう、果ては見えたようなものじゃないか。この荒れた地を進んだところで、希望のある未来があるとボクには到底思えないけどね」 「ありゃ、お客さん開拓者でしょう?なら、開拓のためにこんな土地を進んでるんじゃないんですか?」 スタッフの言葉に、クマダはクククとのどを鳴らすように笑った。 「あのね、ボクはこう見えても料理評論家をしているんだ。生業は資本家だけどね。だから、どんなものにどんな価値があるのか、判断する能力は持っているんだよ」 真っ赤な顔を上げ、今度は椅子の背にもたれ掛かる。スタッフが心配して、グラスに注がれた水を持ってきた。悪いね、と少しばかりの感謝を口にし、一気に水を飲みほした後、再び話をはじめる。 「この星に価値は無い」 むっ、とスタッフの眉間に少しの皺が寄るのが見えた。この星の住民なのだろう。クマダは、冷たい水のおかげか、すぐに口を滑らせたことに気付き少しばかり慌てた。 「あぁ、いやいや、失敬。この星が悪い土地というわけではないんだよ。ただ、商業的な価値は低いということさ。だって、世界中から能う限りの開拓者を集めて未だBUGは殲滅できず、挙句の果てにはこの荒野。作物が育つと言っても、あまりに土地が少なすぎる。……といっても、これはボクから見たこの星の評論さ。美食愛好会……。あぁ、ボクら開拓者を集めた組織のことだけどね。あそこは、観光や事業などどうでもよくて、飽くまで美食を極められればそれでいいという考えなのかもしれない。ふふ、そういうこだわった考え、ボクは好きだけれどね。まぁ、そろそろ美食愛好会と付き合うのも終わりかな。ボクはボクで評論家としての仕事もやらなきゃいけないし」 スタッフが、二杯目の水を持ってきた。グラスを受け取り、今度はちびりちびりと舐めるように飲んでいく。 「はぁ、そういう考えなら、なんでこんなところにいるんです?正直な疑問なんですけどね。だって、この先を開拓して得るものがあるんですか。私だって、この先に何かあるとは思えないのに」 「あるよ。ひとつだけ」 クマダが言った。その目はスタッフではなく、暗い窓の外に注がれていた。地平線の向こうを、じっと見つめている。 「聞いた話、ボクの姿を真似た虫けらがいるんだと」 「そりゃ、BUGはどんな姿でも真似ますからね。だから面倒なんですけど……。一匹くらい、あなたの真似をするBUGがいたっておかしくありませんよ」 スタッフが呆れながら言った。BUGにはほとほと迷惑している、といった様子だった。 「ボクは、料理評論家なんだ。だから、どんなものでも臆せず食すのがポリシーでね。未知の食材となれば、食してみなければ気が済まない」 クマダは言った。 「その忌々しいBUGの頭をかち割って、小さい脳みそでもパンに塗って食ったらきっと面白いだろうと思ったんだ」 スタッフの顔に嫌悪の表情が浮かぶ。クマダは、水を飲みほしグラスをスタッフへ渡す。 「随分な趣味をお持ちで……。うえ、私だったら自分のBUGなんて対峙するのも嫌ですけどね」 スタッフは気持ち悪そうにうえっと舌を出しながら、グラスを片付けにフロントの向こうへ戻っていった。 「何にでも興味を示すのが、料理評論家というものだよ」 そう言って、クマダは席を立ちおぼつかない足取りで部屋に戻っていった。 |
![]() 「ダイスの女神がデレただと…?」 |
![]() 「料理評論家! クマダさんのグルメはお仕事にもなるグルメだったんだ! そっかぁ〜、こんなに美味しいお店を知っているのも、料理評論家ならではということか〜! どんな納得! でぇす!」 |
![]() 「ふおおおお! クマダさんが燃えてる! まさしくこれこそウェ〜ルダン!! 料理評論家魂、爆裂だね!!」 |
![]() 「これにはどんなも全力で援護しなくちゃいけません! カスタードプリンのお礼もあるもんね! メイドさーん! かむひあ!(ぱんっ ぱんっ)」 |
![]() 「(どんなが手を二拍子すると、どこからともなくメイドが数体出現する。どちらも動作の度に駆動音が聞こえることから、これが件の機械人形なのだろう。)」 |
![]() 「*オヨビデスカ オヨビデスカ*」 |
![]() 「プリン作りたいの!! キッチン!!! よろしく!!!!」 |
![]() 「*……ハア?*」 |
![]() 「(困惑した様子で機械人形達同士で顔を見合わせる。アイコンタクトで意思疎通をこなした後「ジャスタモーメン」と言い残してその場を撤収していく。)」 |
![]() 「(数分後。待ちぼうけを食らったどんなとクマダの前に、なんと生きのいい大型キャンピングカーが慣性ドリフトとともに現れた。停車したそれのパワーウィンドウが下ろされると、運転席に座った先程のメイドが親指で乗車を促してきた。)」 |
![]() 「*カマーン*」 |
![]() 「(妙に流暢な台詞回しが、人によっては癪に障るかもしれない。)」 |
![]() 「さ、妻子持ちだぁ・・・!?そりゃ驚きだ、こんな子――いや、お父さんなぁ。お父さんかぁ。」 |
![]() 「新たな食材がひとつ増えるだけで料理メニューは数十倍に膨れるって言うしなァ!まさにここは料理人の宝島って感じだな。」 |
![]() 「だってよぉ・・・・・魚だぜ?パンケーキに魚って生臭いってーか・・・。」 |
![]() 「さて、少しは体を動かそうか」 |
![]() 「いいものができるといいね」 |
![]() 「やぁ、こんにちは。 今回はボクがお客様だよ」 |
![]() 「やぁ、こんにちは。 今回はボクがお客様だよ」 |
![]() 「次はどこに行こうか」 |
○ | Pno10 なあおPT![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
VS | Pno34 クマダと開拓者たち![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
× |
○ | Pno34 クマダと開拓者たち![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
VS | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
× |
○ | Pno34 クマダと開拓者たち![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
VS | Pno338 あああああああああああ!!![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
× |
クマダ 「ボクが相手をしよう。 ほら、空腹は最高の調味料と言うじゃないか」 |
https://pbs.twimg.com/media/Cyfp2JZUkAATn8O.png |
![]() |
![]() 「虫けらだってなんだっていいんだ。要はボクの口に合うか合わないかさ。」 |
![]() 「模倣者よ!そこを退いてもらうぞッ!!」 |
![]() 「まだまだ見習いだけど、一流の精霊魔導師を目指してがんばりますっ!」 |
![]() 「ポポ、いっきまーす!」 |
![]() 「どいてどいて! どんなが通るよー!」 |
「みんながんばろーっ!」 |
![]() 「とっとと片付けるぞ」 |
![]() 「ここは私たちに渡してもらうわ!」 |
![]() 「じゃぁ、始めましょうか」 |
![]() 「お通し願おう」 |
![]() 「このりぼん、どうですか?」 |
![]() 「あれっ、だめですか?」 |
「あぶないっ!」 |
![]() 「あれっ、だめですか?」 |
![]() 「あれっ、だめですか?」 |
![]() 「どこ見てるの?」 |
![]() 「精神の平穏……」 |
![]() 「確かなものなど、何一つない……」 |
![]() 「(精霊石と口付けを交わすことで、精霊たちに実体を与える)」 |
![]() 「(ご奉仕することで全員のFPを天元突破させる)」 |
![]() 「(ご奉仕することで全員のLPを天元突破させる)」 |
![]() 「カワイイって……なんですか?」 |
![]() 「発動の仕方、忘れちゃいました……あなたも?」 |
![]() 「あう、避けちゃダメです!」 |
![]() 「あう、避けちゃダメです!」 |
![]() 「……何処を狙っているの?」 |
![]() 「5つの無知よ、純白を護る盾となれ!」 |
![]() 「五つの無垢よ、穢れを祓う盾となれ!」 |
![]() 「かつ消え、かつ結びて」 |
「きっと、大丈夫。」 |
「それでもわたしたちは進まないといけないの。」 |
![]() 「うろたえるなッ!私が付いているッ!!」 |
クマダと開拓者たち Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BUG Chain |
![]() 「狂える夜の月の光よ……」 |
![]() 「88星座の加護なのですっ!」 |
![]() 「精霊さん、力を貸してくださいっ!」 |
![]() 「もう一度、だね」 |
![]() |
「きゃあっ!」 |
![]() 「ようし、みんなで反復横跳びだ!」 |
![]() (一人でやってろ……) |
![]() 「準備はいいか」 |
![]() 「切り開く!」 |
![]() |
![]() 「隙を見せるとは良い度胸だ!」 |
![]() 「隙を見せるとは良い度胸だ!」 |
「瞳を閉ざせ。」 |
「その声に耳を傾けろ。」 |
「時は遍く平等に。」 |
「乗り遅れるな。」 |
![]() 「ポポいきますよー!」 |
![]() 「さあ、最高のロマンタイムの始まりだッ!!」 |
![]() 「む、これを避けるかッ!」 |
![]() 「……何処を狙っているの?」 |
![]() 「ほっほい!」 |
![]() 「どかーーん!!!」 |
![]() 「あれー! よーけなーいで―!」 |
![]() 「遅いぞ」 |
![]() 「それでは、ポポいきますよー!」 |
![]() 「お疲れさまでした、以上です! いかがでしたか?」 |
![]() 「悪酔いにはご注意……」 |
「わあ、ありがとう!」 |
![]() 「感謝する」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「生き返るわぁ〜……」 |
![]() 「均衡を取り戻せ……」 |
![]() 「叩き込む!」 |
![]() 「あっ、や、やめてください……!」 |
![]() 「無人の観客席からは、鳴り止まぬ喝采――。」 |
![]() 「遅いぞ」 |
![]() 「む〜……(ジト目)」 |
![]() 「どこ見てるの?」 |
![]() |
![]() 「……何処を狙っているの?」 |
![]() 「邪魔はさせない」 |
「デオキシリボ核酸。守る。」 |
「が、がおー!」 |
「守るべきものを守るために。」 |
「すべては穏やかに。」 |
クマダと開拓者たち Chain 傷心斬払Lv3(1) 深傷殴打Lv4(2) 散傷火炎Lv4(3) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BUG Chain 自傷投射Lv1(1) 自傷投射Lv2(2) 雑傷天光Lv3(3) 散傷心天光Lv3(4) 遠傷火炎Lv2(5) 列治癒活気Lv2(6) 全活気Lv3(7) 列治癒活気Lv2(8) 全治癒活気Lv2(9) 自傷投射Lv3(10) |
![]() 「……引っ掛かったわね」 |
![]() 「おっと、テーブルマナーが良くないぞ。」 |
![]() 「狙いが逸れた……?」 |
![]() 「遅い遅いッ!」 |
![]() 「狙いが逸れた……?」 |
![]() 「生き返るわぁ〜……」 |
「あぶないっ!」 |
![]() 「どこ見てるの?」 |
![]() 「……何処を狙っているの?」 |
![]() 「あれっ、だめですか?」 |
![]() 「ここだッ――!」 |
![]() 「ヘウッグ!」 |
![]() 「あっ、ごめんなさい、痛かったですか?」 |
「きゃあっ!」 |
![]() 「(……ぐびぐび)」 |
![]() 「生き返るわぁ〜……」 |
![]() 「隙を見せるとは良い度胸だ!」 |
![]() |
![]() 「始めるぞ」 |
![]() 「見てなさい!」 |
![]() 「……そこね!」 |
![]() |
![]() 「アクセル!」 |
![]() |
![]() 「……そこね!」 |
![]() 「繋ぐ!」 |
![]() 「光り輝け……」 |
![]() 「そこよ!」 |
![]() 「うぎゃー! いい所入っちゃったぁ!」 |
![]() 「狙いが逸れた……?」 |
![]() 「そこよ!」 |
![]() 「うぎゃー! いい所入っちゃったぁ!」 |
![]() 「4連!」 |
![]() 「二重の閃光……」 |
![]() 「うぅ、やめてくれ。弱いんだ、それは。」 |
![]() 「狙いが逸れた……?」 |
![]() 「治療するぞ」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「暖炉の火は好きだ」 |
「わあ、ありがとう!」 |
![]() 「まだやれる。心配するな」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「生き返るわぁ〜……」 |
「とおー!」 |
「甘くておいしいよ。」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「ありがとう。」 |
「そりゃー!」 |
「メインディッシュ!」 |
「しゃらんら〜。」 |
「しゃらんら〜。」 |
![]() 「すまない」 |
![]() 「感謝する」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「ありがとう。」 |
![]() 「生き返るわぁ〜……」 |
![]() 「生き返るわぁ〜……」 |
![]() 「……そこね!」 |
![]() 「ここからが本当の地獄よ……!」 |
![]() 「闇の彼方へ葬り去らん……」 |
![]() 「そこよ!」 |
![]() 「そこよ!」 |
![]() 「まだ、終われない」 |
「そりゃー!」 |
「手作りだよっ。召し上がれ。」 |
![]() 「すまない」 |
![]() 「感謝する」 |
![]() 「感謝する」 |
![]() 「すまない」 |
![]() 「ここからが本当の地獄よ……!」 |
![]() 「閃く十字光……」 |
![]() 「うぅ、やめてくれ。弱いんだ、それは。」 |
![]() 「うぅ、やめてくれ。弱いんだ、それは。」 |