「これでよし、あとは……」
戦闘用のグローブに毒を塗りながら、グミはローグスライムを見やった。

「なんか後ろから石が飛んでくるなと思ったら、ちゃんと道具を持たないとダメじゃない、ほら……ん？」
毒針を渡そうとして固まる。
（あれ、スライムってどうやって物を持って……いや、深く考えるのはよそう）
ローグに針を渡すと[どのように？]、寝床にしていた岩場を離れて歩きだした。

「村跡っていうぐらいだから、寝る場所ぐらいあるのかな。 へんな剣士や勇者やらに手柄を横取りされないよう、急ぐわよ！」