うさぎとむにむにしたやつ PT

-- 平須国　郭仰 --

町の広場に通りかかると、近くの長椅子に珍しい格好をした男が座っていた。
耀華風の紫色の服を重ね着し、妙な黒い帽子を被っている。

紫の服の男
「よう、そこの旅人。
　いい仕事があるんだが、やらないか？」

男は椅子に座ったままそう言った。
まっすぐに力強い視線を送ってきている。
威圧するようなものではないが、気の弱い人なら目を逸らしそうだ。

とりあえず、話だけでも聞いてみてもいいかもしれない。
男は阿部と名乗ると、用件を切り出した。

阿部
「北の留魔の丘で、見たことのない輩が人を襲っているらしい。
　これは悪鬼どもが異形を呼び寄せているに違いないぜ。

　俺はこの悪鬼を倒す仲間を探しているんだ。
　悪鬼どもを倒せば国が莫大な褒賞を出すだろうし、有名になれる。
　どうだ、やらないか？」