「くっ、あの自称勇者ども……こっちの動きを警戒して戦闘に参加しないとは、やるわね。 すいません！ もう１杯！」
実演販売のパフォーマンスで小銭を稼いだグミたちは、酒場で飲んだくれていた。
これは未成年の飲酒描写ではない。 プロフィールの年齢欄には若いとしか書いてないし、魔族だし。 だいたいリバーシって紛争中の軍事国家っぽくて多産多死だと思うから成年も早いはず（？）

街の日陰、入り組んだ路地の奥にあるこの酒場は床をネズミが走り回り、ぼったくりだと客が喚く──。
「意地も様相も汚い店ねぇ。 そういえば手合わせでもボロい服の人が足の爪？ 飛ばしてきたし……都会は不衛生だわ。」
昨日今日と戦った冒険者は、なかなか尖っていた。 こっちの方が状態異常になりそうだった。
「あまり長居したくないし商人に頼まれた護衛依頼でも、やってあげようかな。 本当はさっさと北の関所にいって露店を開きたいんだけど……ちょっと店員さん！ この酒、スライム入ってんだけど！ まけなさいよ！」