>> 各種宣言
-WEEK1-
入学式
―――カラーン、コローン……
何処からか鐘の音が全体に響く。
不思議な音色は、何処にいようと届くかのようだ。
その音色に呼応するかのように、
SmartBookから突然魔法陣が浮かび上がり学園長の声が響いた。
「やあ諸君、我が魔法学園へようこそ。
これから諸君を歓迎する入学式を始めるよ。
このSmartBookさえ持っていれば、会場へは直ぐに到着する」
学園長の言葉が早いか、魔法陣の強制召喚が働いた。
―――――――――
召喚転送の眩い光が落ち着けば、景色は一転。
そこは広いホールのようだ。
その奥のステージに、数人の教師らしき人物と、中央に学園長の姿があった。
名称不明
魔法学園の学園長。
フードをかぶっていて顔は見えないが、声はまだ若い。
それなりに話は長く、特定の人物には横暴な面を見せることもある。
好きな食べ物はまほがくランチプレート。
学園長
「さて、改めてようこそ、魔法学園へ――我々は皆を心より歓迎する。
ここの生徒となった暁には、
皆平等に授業を受ける権利が与えられるよ」
学園長
「さて募集要項にもあったとは思うが……
この学園は、今は平和だが確実に異世界である魔法の世界、
『スペリオル』により侵攻を受けている。」
学園長
「放っておけばこの剣の世界は、瞬く間に征服されてしまうだろう」
学園長
「そこで我々はこの世界を守るため、スペリオルの魔法を解析し……
その力を利用して対抗する術を編み出した。
いつ侵攻が始まっても、向こうの一方的な蹂躙は許さないつもりだ」
学園長
「わたし達はキミ達生徒に魔法を教え、導き、守り抜く。
しかし向こうの出方によっては、
正にここが戦いの場になるかもしれない」
学園長
「その時に備え、キミ達に教え、導いた力で対抗に参加して貰おうと思う。
それが、この学園で生活する上での条件だ」
学園長
「……とはいえ、直接争いに参加することが出来ない者も居るかもしれない。
だが安心して欲しい。そのような生徒も、
対抗に参加する者たちへ力を分け与える事が出来るはずだ」
学園長
「では……一部だが、キミ達を導く教師を紹介しよう」
横に控えていた教師が前に出た。
マルル・メルル
ウサギの獣人の教師。フェルゼン寮監。
およそ130cm程ととても小柄だが、いつも生徒の相談や世話を焼いている。
例え相手が不良であれども、根気強く魔法を教えている。
好きな食べ物はニンジンとキャロットカトルカール。
マルル先生
「はい、中等部のみんなー、まずは入学おめでとうだわね!」
マルル先生
「ワタシはマルル・メルルというんだわ
こんななりをしているけど、ちゃあんと先生だわよ」
マルル先生
「担当は治癒魔術なのだわ。
万一の怪我や病気も、魔法で治す術を教えているんだわよ。
興味があったら、是非受けてみて」
マルル先生
「みんなと授業できるのが今から楽しみだわね。
ワタシたち教師一同、授業も生活も
最大限サポートしたいと思っているから、頼って頂戴だわ」
マルル先生
「学園長から説明があったけど、たとえ侵攻されようと
ワタシたちとみんなが居ればきっと大丈夫だわ!」
マルル先生
「だから不安がらずに、学園でたくさんの青春を送って
かけがえのない想い出を作ってほしいだわ!」
マルル先生
「それじゃあ、授業で会えるのを楽しみにしているだわね」
学園長
「……以上で教師の挨拶は終了だ。
もちろん、他にもキミ達を導く教師はたくさん居るから、
大いに学んでくれたまえ」
学園長
「……さて長くなってしまったが、生徒の皆が
快適な学生生活を過ごせるように、
我々教師一同、邁進しよう。」
学園長
「――ああ、それと、そうだ」
学園長
「次から授業が開始していくわけだが、
まずその前に、キミ達一人一人の身体能力を測らせて貰おうと思う」
そういうが早いか、学園長は召喚術を起動した。
この学園の隅々を整えているオーク用務員が壇上に召喚される。
オーク・X・アムステルダム
皆から愛を込めて【用務員さん】と呼ばれているオークさん。
「○○ですまない……」が口癖で、とあるオークに憧れている。
好きな食べ物はまほがく野菜天ぷら定食。
これから酷い目に合う。
オークX
「……ん!? あ、学園長? ん?」
学園長
「このオークと一人一人戦って貰おうと思う。
何、模擬戦闘だから緊張しなくていい。
万が一怪我をしても、優秀な養護教諭がいるからね」
オークX
「え!? オラがだか!? オ、オラまだ花畑の世話が……」
学園長
「では諸君、長々と付き合ってくれてありがとう。
キミ達の行く末が良いものに、ひいては学園の為になることを祈っているよ。
それでは元の居た場所へ帰すとしよう――」
言うが早いか、SmartBookから魔法陣が現れる。
学園長
「それではまた、次は授業でお目にかかろう――」
眩い光が全体を包み込む。
光が収まったとき、そこは転送される前の場所に戻っていた。
ようこそ、魔法学園へ―――
――――――――――――
オークX
「……はぁ~、オラ、全員相手しないといけないだか……」
オークX
「いや、伝説のオークM先輩も、1000人以上の相手をしたって言うから……」
オークX
「オラ、頑張るだ!
よっしゃ、かかってこい!」
次回予告
新入生
用務員
エイト
VS
オークX