生存 74 日目 天候:晴れ
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【食料消費】 料理判定に失敗… 食料241 を消費しました。
【食料消費】 PetNo.1 蒼天近衛兵 【鳩】
【食料消費】 PetNo.2 蒼天近衛兵 【鴉】
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叫び声が聞こえる エリア(1094) のシャウト! エリア「短い間でしたが、初ネトゲとしては充実していたと思っております。ホント皆さん、あざーす!!」
傭兵であり、料理人であり、タダのいちキャラである所の『多重運命奏者』ルクィ・リスティリューン(1181) のシャウト!
サキ(1275) のシャウト!
不死鳥(2070) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ アライブ島 「宝玉伝説に近いものが存在する」という情報は消えかけていたルーシェと佐山の希望に再び火を灯すに十分なものだった。 宝玉伝説の『願いが叶う』という伝説を追っていたのはあくまで大きな力が必要というだけで、別に宝玉伝説にこだわる必要は無いのである。 ルーシェは失ってしまった力を取り戻すため、佐山はある交渉に必要なエネルギーを得るためにこの島にきていたので、『宝玉伝説』と『宝玉伝説に近いもの』に対してあまり違いは感じなかった。 そういうわけで、さっそく新たな力の源を探求することになったのだが、とにかく情報が少なすぎた。 「さて、まずは情報収集ということだが、少なくともこの島にあの榊と言う男以上の情報を持っている者はいないだろう」 「そうですね。 宝玉伝説のうわさを広める前から多少の情報は知っていたようですから、おおよその場所の特定辺りまでは出来ているかもしれません」 とはいえ、実は2人とも榊の顔すら見たことが無いため、榊を見つけることは現段階では不可能に近い。 「我々は素人だ、探検家の真似事は出来ても本物の探険家に勝つことは出来ん。 なんとしても奴を見つけ、奴の知る情報を全て引き出さなければならん」 「とりあえず。榊と言うかたの顔くらいは把握しておかなければ捜すに捜せませんね。 どなたか榊さまの顔を見たことがあるかたがいればいいんですけど・・・」 と、思案気な顔になるルーシェ。 「なに、宝玉守護のエージェントに成りすましていたのだ、顔を見た者などいくらでもいる」 榊が顔を変えている、といった想定は無しである。 この広い島で誰も顔の知らない人物を探すくらいなら、自分たちで宝玉伝説に近い存在を調べた方がまだ確立はあるであろう。 この島に存在する者は千や二千の比ではないのだから。 人が集まるところ、ということで2人は温泉に来ていた。 ここは小さめの遺跡一個分くらいは悠にあるほどの大きさの露天風呂となっており、それだけでこの島が普通ではないということを自覚させられるようである。 営利目的の温泉と違い完全に天然の露天風呂なので所々で岩が突き出したりしているが、それがちょうど背もたれの役割を果たしており、温泉の中央付近でも多数の人がくつろいでいた。 遠くの方は霞んで見えないが、恐らく千人近くのものが居るのではないだろうか。 娯楽の少ないこの島では貴重な場所であるが、あいにく今回は情報収集のために来たのであってゆっくり湯につかっている暇は・・・ 「どうしたのだね、ルーシェ君。 君も入ったらどうかね」 極楽、極楽といった顔で話しかける佐山。 いつのまにか裸で頭の上にタオルだけという温泉スタイルを忠実に守り、湯につかりながら温泉たまごを剥いていた。 「あ、あの。 榊と言うかたの情報を得るためにここに来たんですよね、私たち」 普段冷静なルーシェも流石に少し動揺した様に尋ねる。 「もちろんそのはずだが?」 しれっ、と何を言ってるんだという顔をしながら答える佐山。 「ではなぜ、そんなゆったりと温泉につかっているのですか、早く情報を集めて榊さまを捜さなければ・・・」 ルーシェの言う事はもっともで、実際榊が何処まで情報を掴んでいるのか分からないので、少しの時間も無駄にはしたくないのである。 「ふむ、君は何か勘違いをしているようだね。 私だって何も遊びで温泉につかっているわけではない、情報収集に必要なことだからこそ仕方なくこうして湯につかっているだけなのだよ」 「と、いいますと?」 自信満々の佐山の発言に毒気を抜かれて聞き返すルーシェ。 「なに、簡単なことだ。 郷に入っては郷に従えという言葉もあるだろう、温泉では裸の付き合いが常識。 律儀に服を着た輩に簡単に心を打ち解けてくれるものなど居るわけが無い」 「そ、そうなのでしょうか・・・?」 「当然の事だよ、ルーシェ君」 確かに自分は天使であり人間である佐山がここまで言い切っているのだから、そういう物なのだろうか、とも思えてくる。 今、バクと一緒にぱくついている温泉たまごの意味は分からないが。 「わかりました、そこまでおっしゃるのなら、そういうものなのでしょうね」 うまく乗せられたとも感じるが、仕方が無い。 ちなみに大体の女性は水着のようなものを着用して入っているのだが、あいにくルーシェにはそのようなものは無い。 「ん? どうしたのかね、ルーシェ君。 早くつかりたまえ」 そのことに気付いているのかいないのか、佐山は入浴をすすめている。 仕方なくルーシェはつぶやく様に呪文を唱える。 すると温泉の水が中に浮き、ルーシェの身体の周りに集まり始め、数秒もしないうちに水の衣が出来上がりその下から着ていた衣服を脱いでいく。 通常は守りの力を上昇させるときに使う、アクア・ドレスというスペルだが、水の扱いが得意なルーシェのそれは濁っている訳でもないのになぜか透けて見えないため、水着としての役割をきちんと果たしていた。 そんなこんなで情報収集を始めた二人だがここに居るものは戦闘を好まない、いわゆる作製士と呼ばれる人や宝玉に興味が無かった人が比較的多いため、情報収集は意外と難航していた。 もうここではいい情報は得られないかもしれない、と思い始めたとき佐山の視線が一箇所で止まっているのに気がついた。 大抵の女性が水着姿という中で確かにそれは目立っており、佐山とルーシェの2人以外にも何人かがちらちらと様子を伺っている。 それは薙刀を持った体格の良い青年と白くて薄い着物を違和感無く着こなしている髪の長い女性であった。いくら着こなしているといってもその格好そのものが周りから浮いているし、男の持っている得物は目を見張るに十分な材料となっている。危険な獣やモンスターが多く生息するこの島で装備を外して入る所であるがゆえに、この温泉には見張りや警備を担当する者が多数いて、安全のため武器の持ち込みは禁止されているはずなのである。 とはいっても、こちらも佐山はしっかりと自分の手にソードを持っていたりする。 幻術系技能をある程度極めたものならば、応用として物の隠蔽などは出来てしまう(一般にミストと呼ばれるスペル)のでルーシェが温泉に入る前に見えない様にして持ち込んだのだ。 当然、幻術使いには見破られてしまうが、その場合相手も大抵同じ様な事をしているので幻術使いの間では暗黙の了解となっていて大した問題にならないのである。 そして青年の薙刀にもミストがかけられており、恐らく周りの人間や佐山には着物を着た女性とごく普通の男性に見えているはずである。 「着物がそんなに珍しいんですか?」 あえて男の得物の事には触れずに佐山に話しかけてみると 「ふむ、そちらも重要だがね。 男の方に何か違和感を感じるのだよ、憶測だがなにか得物を持っているのではないか? 恐らく槍のような」 「分かるのですか、流石ですね。 正確には薙刀のようですが。 こちらと同じようにミストで消しています」 佐山の慧眼に驚きながらも、もう一瞥すると向こうもこちらの様子に気付いたのか一言、二言話すとこちらに近づいてきた。 別に幻術で武器を隠すのは珍しい事ではないのだが、一応の警戒は忘れずにこちらから近づいてくる2人に声をかけてみることにしたのだった。 2人は温泉から少し歩いたところにある荒野を歩いていた。 結局あの2人は普通に温泉を楽しみに来ていただけで、男の持っていた得物は用心のため、女の方の着物はあまり水着が好きではないのと普段から着慣れているという事で濡れても平気なタイプの着物を着ていたのだということだった。 それからなんとなく4人でしばらく今までの事などを話こんでいたのだが、なんと2人の知り合いに榊の顔を知っている者がいるという事なので、その者の名前と居場所を教えてもらい此処に至るのである。 「大体このあたりのはずですが・・・、ありませんね、目印」 「そもそも目印の意味が分からないのだがね、看板かなにかだろうか?」 大体の場所だけでは見つけられないという事で目印を教えてもらっていたのだが、その目印というのが問題だった。 何の事なのか聞いても、「行けば分かります」といって教えてくれなかったのである。 その目印というのが・・・ 「あ、あれですね、恐らく」 「ふむ、本当に生きているものだとは思っていなかったがね」 カニだった。 しかも人間の背丈ほどの大きさもあるような巨ガニである。 そしてそのすぐ近くに人間の少女がかがみ込んで何かをしているのが見えた。 近くに行ってみるとどうやら動物のえさを作っているようだ。 「あの、もしかしてあなたがみしおさまですか?」 「・・・はい? ええ、そうですがあなた方は?」 見た目の年齢(17、8だろうか)に比べ、落ち着いた対応をとる少女。 栗色の髪が肩につくかつかないかの辺りで巻かれていて服は日本の高校の制服を着ており、こんな島の荒野には似つかわしくない格好である。 「我々は決して怪しいものではない、ただ少しだけ君の頭の中を覗かせて貰いたいだけなのだよ、みしお君。 だから君は何も心配せずに私に身体を預けたまえ。 なに、怖いのは最初だけ…ぐはぁ」 あからさまに怪しい発言を続けようとしていた佐山の発言が途中で途切れ、ルーシェがフォローに入る。 数メートル向こうに佐山が落ちる所が見えたような気がした。 「私はルーシェといいます。 みしおさまが榊さまの顔を知っていると聞いたので、どのような方だったのかを教えてもらえたら、と思ってここまで来たわけなのですけど」 「・・・それは構わないのですが、そちらのかたは?」 すでに元の位置まで戻ってきていた佐山を警戒するような、もしくは哀れむような微妙な表情で見ている。 あんな発言の後にしては十分ましな対応であるといえるだろう。 たいする佐山もそんな視線は全く意に介した様子もなく 「ふむ。 私は佐山・御言だ、ここだけの話だが世界は私を中心に回っているのだよ、覚えておきたまえ」 さっきの発言の後にこの自己紹介である。 「ええーと、私たちは雪涙さまと白光さま(温泉にいた2人の事である)から教えてもらって・・・・・・」 どうにかフォローを入れようとしたルーシェだが特に話すべき事もなく言葉に詰まっていると 「ああ、雪さんと光さんの知り合いの方だったのですか。 それでしたら中の方でお話いたしませんか? 道端というのもなんですし」 逆にフォローしてもらう結果になってしまったが、取り合えず話は聞いてもらえることになったようである。 「話をするのに意義はないが、中の方とは何の事だね? みしお君」 本当に話をするつもりが在ったのかと問いたいところだが、確かに中というのは分からない。 何しろこの辺りには家、というより人の入れそうな所すらないのだ、中というのが何の事なのかはルーシェも気になるところであった。 「私の家のことですよ、そこに玄関が在るんです」 みしおの指差したところにはマンホール、いやマンホールのように地面に仰向けに置かれているガラス戸であった。 「まさか、とは思いますが・・・、下、ですか?」 「はい、元々は森の中にあった小屋のようなもので生活していたんですが流星騒ぎで森が殆ど焼けてしまったので。 今の家は私のお友達が作ってくれたものなのですよ」 そういって近くにいた、あの巨ガニの身体を撫でてやると巨ガニは幸せそうに身を伏せていった。 正直にいえばカニの幸せそうな顔など分かりはしないのだが、からだ全体から幸せそうな雰囲気が伝わってくるのである。 ひとおおり撫でた後、二人が来たときに作っていたエサを持って玄関の戸を開け、中に入っていった。 「という事はこの穴を全部あのカニが掘ったんですか?」 「ええ、あの子はもともと地中に巣を作って生活していましたから。 近くにあの子の穴もありますよ」 といいながらお茶と茶請けを出してくれる。 中はそれこそ普通の家という訳にはいかないものの、生活に必要なものは十分にそろっているようであった。 扉が2つほど付いていたので他にも部屋があるのだろうか。 と、中を見回していると気になる穴が目に付いた。 床と壁の間に人間の頭ていどの穴があるのである。 「この穴はなんですか?」 じっと見ながらみしおに話しかけると・・・。 ぴょこん、と白い兎が中から飛び出してきた。 みしおは持っていたエサを兎の前においてやる。 なるほど、家の中に巣を作ってあったようだ。 置かれたエサを食べている兎の姿は見ているだけで和んでしまうが、あまりゆっくりもしていられない。 「それで、榊さまの件なのですが・・・」 話を元に戻して真剣な顔になるルーシェ。 「あ、はい、そうですね。 確かに宝玉戦の時にお見かけしましたが」 あまり特徴のない顔だったのか、みしおが説明しずらそうに考えるそぶりをするのを見て 「あ、知っているのでしたら少しの間、榊さまの顔を思い浮かべて置いてくださいますか?」 「え? はい、わかりました」 何をするのかは分からなかったが、とりあえず言われたとおり目をとじて榊の顔を思い浮かべるみしお。 「では、失礼します」 そういうとルーシェは呪文を唱えはじめる。 が、辺りには何の変化もなくルーシェが呪文を唱え終えると静寂が辺りを支配した。 「はい、もういいですよ、みしおさま」 なにをされたのかがいまいち理解できないみしおが少しずつ目を開いていく。 「あの、先ほどの呪文は? なにかなさったんですか」 当然の疑問を口にするみしお 「はい、私の夢想をつかって、一瞬だけみしおさまの心を覗かせてもらいました。 これが一番確実だと思いましたので」 普通に考えれば心を覗いた、といわれて怒らない訳がないのだが、みしおはあまり気にした風もない。 実は怒られるのを覚悟でやった事だったのだが、みしおという少女は想像以上に心優しい少女だったようである。 あれからすぐにみしおの家を離れ、榊を探すことになっていた。 榊の顔が分かれば長居する必要もないので早々に立ち去る事にしたのである。 「これでやっと一段階進んだわけですね」 「これから榊とやらを見つけて情報を吐かせなければならんのだ、急いだ方がいいかもしれんな」 今はルーシェの召喚した精霊たちを使って島中を捜しているのだが、のんびりと道を歩いていた。 慌てても精霊たち以上の速さで移動することは出来ないのだから仕方ない事なのである。 が、少し油断しすぎていたのかもしれない。 くいっ、と足になにか引っかかった感触があったかと思った次の瞬間には2人の身体は宙に吊るされた状態になっていた。 「よし、かかったか」 頬に傷のある青年が銃を構えつつ近寄ってきた。 「よし、じゃないよー、多分全然関係ない人たちだよ、あれ」 青年の後ろから慌て半分、呆れ半分といった表情の少女が出てくる。 どうやら、ここに仕掛けてあった罠にかかってしまったようだ。 ルーシェだけ。 「何をやっているのかね? ルーシェ君。 そんなところでぶら下がって、新しい遊びかね」 罠に関する知識がある佐山は普通に気付いていたようだ。 教えてくれても良かったのではないだろうかとも思うが佐山はそういう奴だった。 とりあえず罠を外してルーシェが地面に降りてから自己紹介を済ませてから事情を聞く事にした。 「つまり私たちと同じで、榊さまを捜して情報を得ようと考えていたわけですね」 「そうなんだよ。 だけど榊って人の顔知らないから困ってたんだ」 ちなみに少女の方が火乃香で青年の方が宗助という名前らしい。 「とりあえず温泉でこの辺りで見かけたという情報の入手に成功したので、ここで張り込んでいたというわけだ」 「とめようとしたんだけどね、一応」 あはは、笑う少女はなかなかの苦労人らしかった。 「ふむ。 それならば共同戦線を張る事にしないか」 という佐山の発言によって4人は行動を共にする事にしたのだった。 ピー。 「ん? 本部からのスクランブルか。 すまんが俺は少し用が出来たので、これで失礼する」 ・・・いや、3人は行動を共にする事にしたのだった。 続く。
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