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 [ 参加状況 ] 
 第5週 激火日
 ≫Result:Today



 [ ・・・ E V E N T ・・・ ] 
 ≫現在地:空港のケーキ屋

「お前は、本当にパンケーキが好きだな」
 あきれた様子で、シローはテーブルの向かいに座っているクマダを見ていた。テーブルに大量に並べられたパンケーキを、クマダは無我夢中で食べている。よほどパンケーキがおいしいのか、シローの小言を気にかける様子は微塵も無かった。シローは頬杖をつきながら、ため息を漏らす。
 クマダたちは、空港のケーキ屋でくつろいでいた。クマダが、船の時間まで余裕があると言いながらケーキ屋に入っていったためだ。シローのすぐ隣にある大きなガラス張りの壁の向こうには、船が出るには絶好の晴天が広がっている。
宇宙船。奴隷階級であるシローにとってSF小説でしか聞いたことが無い存在が、ガラスの向こうにはあった。シローがこの星へ来る際は、クマダの荷物として鞄に押し込まれていた。シローのいたあの星では、宇宙船に奴隷の座る席はなかった。……かといって、自らの奴隷を鞄に詰め込む暴挙に出る者もいなかったが。クマダ以外は。
 シローもこの地へ来て、隙を見てクマダの元から逃げ出した時は、新天地だ自由の身だと喜んでいた。しかし、この星の脅威を知ってからはクマダの元から逃げようとはしなかった。見知らぬ脅威より、よく知る脅威の方が対処はしやすいと感じたからだ。何より、シローが想像していた以上に異国の地でひとりというものは心細かった。
 BUGには、ずいぶんと苦労をかけさせられたな、とシローは思い返す。あの不思議な敵を駆逐する術を、美食愛好会は探し出すことができなかった。この星は、これからもBUGと歩んでいくのだろうか。
目の前で、無限の胃袋でも持っているのかという程にパンケーキを口へ運んでいくクマダを見る。危険な敵と隣り合わせで暮らす恐怖は、シローにも理解できた。この星の住民はずいぶんと逞しい。
「おい」
 自分がこの星の住民なら、文字通りしっぽを巻いて逃げてしまうかもしれない。仲間の姿を真似て襲い掛かってくるなどという悪趣味な存在に立ち向かっていく勇気が、自分には無い事をシローは自覚していた。
「おい、こら」
 再び、空を見上げる。宇宙船が飛んでいる。
「毛皮を剥いでコートにされたくなかったら、すぐに返事をしろ」
「……はいはい、なんだよ。そろそろ、パンケーキに飽き……」
 シローが目の前のクマダを見る。しかし、クマダは相変わらずパンケーキを無我夢中で食べており、シローを気にする様子はない。口いっぱいにパンケーキをほおばっており、流暢に話せる様子でも無かった。
 シローが、聞き間違いかと不思議そうな顔をしているとき、背後からしっぽを引っ張られた。慌てて、勢いよく振り返る。
「誰だ、そいつは」
 しっぽを掴んでいるのは、紛れもなくクマダだった。

 
 クマダはミッション#クマダとクマダのパンケーキ大食い対決を受給した。




 [ ミッション概要 ] 

Titleクマダとクマダのパンケーキ大食い対決
受給地空港のケーキ屋
目的地自分とパンケーキ愛の証明
Action特殊
Rank25
TimeLimt無
報酬種類表現出来ない何か
報酬名パンケーキ大好き勝者の栄誉
シロー「最高にしょうもないな」



 [ 集合 ] 

 特に誰も召集しなかった。



 [ 追加注文 ] 
 ≫現在地:* * * ? ? ? * * *

 
 
 




 [ ・・・ E V E N T ・・・ ] 
 ≫現在地:自分とパンケーキ愛の証明


 クマダが、ふたりいる!
「お前、ふたごだったのか!!」
「ボクは、お前の脳みそまで食ったつもりはないぞ」
 シローの目の前にいるのは、未だ夢中でパンケーキを口に運ぶクマダと、それを心底不愉快そうに見つめるクマダだった。ケーキ屋の店員や客が、もしやBUGが侵入したのかと不安がっていたが、クマダはそれを双子の弟ということにして場を収めた。クマダとしては、食事の場を無暗に荒らすというのは主義に反するのだろう。パンケーキを食べるクマダにこちらを攻撃する意図は見えず、パンケーキしか眼中にないようだ。
 シローと、後から現れたクマダは、周囲に聞こえないよう互いに小さな声で話し出す。
「お、おまえとあいつ、どっちが本物のクマダなんだ?」
「次にそれを聞いたらその口を縫い合わせてやるぞ! お手洗いに行ったら、いつの間にか荷物ごといなくなったから驚いたよ。もし、また逃げ出しでもしてボクの手を煩わせるようだったら、全身細切れにして豚のエサにでもしてやろうかと考えていたころだ」
「いや、だってお前なら俺の言葉に耳を貸さずにパンケーキ貪り食うぐらいするだろ」
「貪り……まぁ、今は許す。緊急事態だからな。とにかく、このBUGをどうにかしなきゃいけない。しかし、ここで戦闘をするのは危険すぎるし、かといって無理やり連れて行こうとすれば暴れ始めるかもしれない」
「こっそり毒入りパンケーキでも食わすか?」
「おいしい料理に毒を盛るなんて、たとえBUG相手だろうとボクは反対だ。そうだな、ここはひとつ……」
 クマダは、パンケーキを食らい続けるクマダに向き直る。パンケーキを食うクマダは、その手を止め無言でクマダを見つめ返した。
 緊張した空気の中、クマダが胸を張り言い放った。
「パンケーキ大食い対決だ!!」
 両者の間に、火花が散っている。それを見ていたシローは、その心底しょうもなさからその場で床にずっこけそうになって、なんとか持ち直していた。


クマさんチーム
料理評論家 クマダ(Pn34)
VS
BUG
料理評論家 クマダ(Another)

Turn クマダ(Pn34)

クマダ
「ボクが相手をしよう。 ほら、空腹は最高の調味料と言うじゃないか」


Turn Encount

クマダ(Pn34)
「珍しい虫けらだな。でも、ボクの邪魔をするなら容赦はしない。」


クマダ(Another)
「珍しい虫けらだな。でも、ボクの邪魔をするなら容赦はしない。」


BATTLE START!

クマダ(Another) の効果が発動! 
クマダ(Another)にデッドチェインを付与!
クマダ(Another)にデッドリカバーを付与!

クマダ(Pn34) の先発が発動! 
クマダの嫌味
弱精神 Lv3!
クマダ(Another)はMFP と FPが36低下!
クマダ(Pn34)
「アタリが出たらもう一本!……、いやボクも詳しくは知らないんだ。古代の呪文さ。」

アタリ
個別御替 Lv1!
クマダ(Pn34)のカードで効果範囲に入ったものはなかった

クマダ(Another) の先発が発動! 
クマダの嫌味
クマダ(Pn34)はMFP と FPが36低下!
クマダ(Another)
「アタリが出たらもう一本!……、いやボクも詳しくは知らないんだ。古代の呪文さ。」

アタリ
クマダ(Another)のカードで効果範囲に入ったものはなかった


Turn 1

クマさんチーム
Chain
前:クマダ(Pn34)
882/882
518/556
前:クマダ(Another)
????
????
BUG
Chain
クマダ(Pn34) Action 
Chain1:付混乱Lv4!
クマダ(Another)は混乱にかかった!(深度+96)


クマダ(Another) の異常効果が発動! 【乱(96)】
クマダのティータイム
クマダ(Another)
「お…っと、これは少し恥ずかしいね。」

クマダ(Another)はLPが40回復♪
クマダ(Another)は必殺率が強化
クマダ(Another)は被必殺制御率が強化
クマダ(Another) Action 【乱(96)】 【必殺強Lv4(12)】 【制御強Lv4(12)】
斬払属性攻撃!
クマダ(Pn34)は29のダメージ!



Turn 2

クマダ(Pn34) Action 
クマダのおいしいものを見つけた時の笑み
Chain1:付混乱Lv3!
クマダ(Another)は混乱にかかった!(深度+72)


クマダ(Another) Action 【乱(129)】 【必殺強Lv4(8)】 【制御強Lv4(8)】
斬払属性攻撃!
Critical!
クマダ(Pn34)は35のダメージ!



Turn 3

クマさんチーム
Chain
前:クマダ(Pn34)
818/882
462/556
前:クマダ(Another)
【乱(88)】
????
????
BUG
Chain
クマダ(Pn34) Action 
クマさんチームにChain1:連傷心斬払Lv2を構築


クマダ(Another) Action 【乱(88)】 【必殺強Lv4(4)】 【制御強Lv4(4)】
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Pn34)は31のダメージ!
クマダ(Another) の必殺率の強化効果が消滅
クマダ(Another) の被必殺制御率の強化効果が消滅



Turn 4

クマダ(Pn34) Action 
クマさんチームにChain2:傷突刺Lv3を構築


クマダ(Another) Action 【乱(49)】
斬払属性攻撃!
クマダ(Pn34)は29のダメージ!



Turn 5

クマさんチーム
Chain 連傷心斬払Lv2(1) 傷突刺Lv3(2)
前:クマダ(Pn34)
758/882
354/556
前:クマダ(Another)
【乱(12)】
????
????
BUG
Chain
クマダ(Pn34) Action 
クマさんチームにChain3:貫傷突刺Lv3を構築


クマダ(Another) Action 【乱(12)】
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Pn34)は31のダメージ!
クマダ(Another)は混乱より復帰完了



Turn 6

クマダ(Pn34) Action 
クマさんチームにChain4:連傷斬払Lv3を構築


クマダ(Another) Action 
クマダ(Pn34)は混乱にかかった!(深度+73)



Turn 7

クマさんチーム
Chain 連傷心斬払Lv2(1) 傷突刺Lv3(2) 貫傷突刺Lv3(3) 連傷斬払Lv3(4)
前:クマダ(Pn34)
【乱(73)】
727/882
210/556
前:クマダ(Another)
????
????
BUG
Chain
クマダ(Pn34) の異常効果が発動! 【乱(73)】
クマダのティータイム
苦境 Lv2!
クマダ(Pn34)
「お…っと、これは少し恥ずかしいね。」

クマダ(Pn34)はLPが40回復♪
クマダ(Pn34)は必殺率が強化
クマダ(Pn34)は被必殺制御率が強化
クマダ(Pn34) Action 【乱(73)】 【必殺強Lv4(12)】 【制御強Lv4(12)】
クマダ(Pn34)
「一流料理評論家のナイフさばき、見せてやる。」


クマさんチームの連鎖発動
ゆっくりおやつを食べる時間
Chain1:連傷心斬払Lv2!
斬払属性攻撃!
クマダ(Another)は55のダメージ!
クマダ(Another)は封殺にかかった!(深度+19)
斬払属性攻撃!
クマダ(Another)は55のダメージ!
クマダ(Another)は混乱にかかった!(深度+19)

クマダ(Pn34)
「マナーは守るさ。」

クマダ(Pn34)が後に続く! 【乱(73)】
クマダのナイフ投げ
Chain2:傷突刺Lv3!
突刺属性攻撃!
Critical!




クマダ(Another)は153のダメージ!

クマダ(Pn34)
「上品にね。」

クマダ(Pn34)が後に続く! 【乱(73)】
Chain3:貫傷突刺Lv3!
突刺属性攻撃!
Critical!
クマダ(Pn34)は123のダメージ!

クマダ(Pn34)
「音をたてるなんて論外だよ。」

クマダ(Pn34)が後に続く! 【乱(73)】
Chain4:連傷斬払Lv3!
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Another)は133のダメージ!
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Another)は149のダメージ!

クマダ(Pn34)
「どんな料理も、きれいにね。」

クマダ(Pn34)が後に続く! 【乱(73)】
Chain5:傷心斬払Lv4!
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Another)は155のダメージ!
クマダ(Another)は封殺にかかった!(深度+66)
クマダ(Pn34)
「いかがだったかな?」




クマダ(Another) の瀕死効果が発動! 【封(85)】 【乱(19)】
クマダ(Another)
「お…っと、これは少し恥ずかしいね。」

クマダ(Another)はFPが48回復♪
クマダ(Another) Action 【封(85)】 【乱(19)】
クマダ(Another)は封殺によりFPに91のダメージ!
斬払属性攻撃!
クマダ(Pn34)は27のダメージ!
クマダ(Another)は混乱より復帰完了



Turn 8

クマダ(Pn34) Action 【乱(28)】 【必殺強Lv4(8)】 【制御強Lv4(8)】
Chain1:列傷突刺Lv3!
突刺属性攻撃!
Critical!




クマダ(Pn34)は125のダメージ!
突刺属性攻撃!
Critical!


クマダ(Another)は122のダメージ!
クマダ(Pn34)は混乱より復帰完了


クマダ(Another) Action 【封(46)】
クマダ(Another)は封殺によりFPに54のダメージ!
クマダのおいしいものを見つけた時の笑み
クマダ(Pn34)は混乱にかかった!(深度+54)



Turn 9

クマさんチーム
Chain
前:クマダ(Pn34)
【乱(54)】
492/882
26/556
前:クマダ(Another)
【封(10)】
????
????
BUG
Chain
クマダ(Pn34) Action 【乱(54)】 【必殺強Lv4(4)】 【制御強Lv4(4)】
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Another)は34のダメージ!
クマダ(Pn34) の必殺率の強化効果が消滅
クマダ(Pn34) の被必殺制御率の強化効果が消滅


クマダ(Another) Action 【封(10)】
クマダ(Another)は封殺によりFPに20のダメージ!
BUGにChain1を構築
クマダ(Another)は封殺より復帰完了



Turn 10

クマダ(Pn34) Action 【乱(10)】
斬払属性攻撃!
Critical!




クマダ(Another)は31のダメージ!

クマダ(Another)
「料理されるのはボクじゃない。お前の方だ。」

クマダ(Another)のデッドチェインが発動!!
クマダ(Another)
「一流料理評論家のナイフさばき、見せてやる。」


BUGの連鎖発動
ゆっくりおやつを食べる時間
Chain1!
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Pn34)は53のダメージ!
クマダ(Pn34)は封殺にかかった!(深度+14)
斬払属性攻撃!
クマダ(Pn34)は45のダメージ!
クマダ(Pn34)は封殺にかかった!(深度+14)
クマダ(Another)
「いかがだったかな?」


クマダ(Another)
「も、申し訳ない。このあたりがボクの限界……」


クマダ(Another)は離脱
クマダ(Another)
「ま、まだまだ…!」

・・・と思いきや、デッドリカバーより、LPが100回復して復帰!!
デッドリカバーが消失
デッドコマンドを付与!
クマダ(Pn34)は封殺より復帰完了
クマダ(Pn34)は混乱より復帰完了


クマダ(Another) Action 
BUGにChain1を構築
BUGにChain2を構築



Turn 11

クマさんチーム
Chain
前:クマダ(Pn34)
394/882
26/556
前:クマダ(Another)
????
????
BUG
Chain ?(1) ?(2)
クマダ(Pn34) Action 
クマさんチームにChain1:連傷斬払Lv1を構築


クマダ(Another) Action 
BUGにChain3を構築
BUGにChain4を構築



Turn 12

クマダ(Pn34) Action 
斬払属性攻撃!
クマダ(Another)は31のダメージ!


クマダ(Another) Action 
斬払属性攻撃!
Critical!
クマダ(Pn34)は32のダメージ!
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Pn34)は32のダメージ!



Turn 13

クマさんチーム
Chain 連傷斬払Lv1(1)
前:クマダ(Pn34)
330/882
2/556
前:クマダ(Another)
????
????
BUG
Chain ?(1) ?(2) ?(3) ?(4)
クマダ(Pn34) Action 
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Another)は31のダメージ!


クマダ(Another) Action 
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Pn34)は36のダメージ!
斬払属性攻撃!
クマダ(Pn34)は28のダメージ!



Turn 14

クマダ(Pn34) Action 
斬払属性攻撃!
クマダ(Another)は31のダメージ!


クマダ(Another) Action 
斬払属性攻撃!
Critical!


クマダ(Pn34)は30のダメージ!
斬払属性攻撃!
Critical!
クマダ(Pn34)は30のダメージ!



Turn 15

クマさんチーム
Chain 連傷斬払Lv1(1)
前:クマダ(Pn34)
206/882
2/556
前:クマダ(Another)
????
????
BUG
Chain ?(1) ?(2) ?(3) ?(4)
クマダ(Pn34) の瀕死効果が発動! 
一息 Lv2!
クマダ(Pn34)
「お…っと、これは少し恥ずかしいね。」

クマダ(Pn34)はFPが48回復♪
クマダ(Pn34) Action 
クマさんチームにChain2:貫傷突刺Lv2を構築


クマダ(Another) Action 
斬払属性攻撃!
クマダ(Pn34)は29のダメージ!
斬払属性攻撃!
Critical!
クマダ(Pn34)は31のダメージ!



Turn 16

クマダ(Pn34) Action 
斬払属性攻撃!
クマダ(Another)は30のダメージ!
クマダ(Another)
「も、申し訳ない。このあたりがボクの限界……」


クマダ(Another)は離脱

クマさんチームの勝利!!

クマダ(Pn34)
「せっかくだ、頭を切り落としてそのまま食ってやろうか?」


クマダ(Another)
「撤退だ。あぁ、虫けらだからと油断したな…。」




 [ ・・・ E V E N T ・・・ ] 
 ≫現在地:自分とパンケーキ愛の証明


ふたりのクマダによるパンケーキ大食い対決が、今始まろうとしていた。
クマダふたりが向かい合って座っている。間のテーブルにパンケーキの皿が大量に並べられていくなか、なんだなんだと集まる野次馬を気にも留めず、クマダたちは互いを睨み合っていた。
「では〜、制限時間は20分でぇ〜す。一枚でも多くパンケーキを食べた方が勝ちで、真のクマダとして認められま〜す」
「ふざけるな。神聖な勝負だぞ」
 ストップウォッチを持ったシローが、心底どうでも良さそうに対決の説明をした。それに対して、ふたりのクマダが睨んでくる。
「じゃ、スタート」
シローがストップウォッチのスタートボタンを押した。いっきに、ふたりのクマダはフォークとナイフを手にパンケーキを口へ運びにかかる。並べられたパンケーキの種類は実に豊富で、シロップとバターの乗ったシンプルなものから、生地に果物が練り込まれたもの、クリームが山のように盛られたものなど、多岐にわたっていた。シローは、それらを見ているだけでも胸やけしそうになって、顔を顰める。
皿が一枚、また一枚と空になっていく。両者のペースはまさに互角だった。BUGの模倣する力は、食べるスピードも真似できるのだろうか。
次々と出てくるパンケーキは、もちろんクマダ持ちだ。パティシエ、パティシエールたちが慌ただしくパンケーキを焼いていく。クマダはそれを、素早く、しかし丁寧に口へ運んでいく。料理評論家を名乗るだけあって、とてもおいしそうに食べるのだった。先ほどは顔を顰めていたシローも、つい生唾をごくりと飲み込んでしまう。
「あの」
 シローが、クマダたちをみていた客のひとりに声をかけた。子連れの母親、といった風の女性だ。
「ここのパンケーキって、そんなにおいしいんスか」
「あら、知らないの? ここって、パンケーキで有名なお店なのよ。テレビや雑誌なんかでも、度々紹介されてて……」
 どうやら、クマダの店を選ぶ目は間違っていないらしい。もしくは、クマダを模倣したBUGの眼か。それならば、そのBUGには料理評論家の才能があるのかもな、とおかしくなってシローは出てくる笑いをかみ殺した。
 クマダたちは、対決に夢中になってシローを気に掛ける様子はない。シローは、テーブルのメニューをこっそり取り、開く。
「……これが、人気のパンケーキ?」
「そうそう、私も食べたけどおいしいのよ。意外と甘さが控えめで、甘いの苦手な男のひとも食べやすいかも」
 メニューを開いて一番に目に入ってくる、大きなパンケーキの写真。5段重ねで生クリームが山のように盛られている。今、クマダたちが口に運ぼうとしているものと同じだろう。それを見て、シローの腹がぐうと鳴った。
 シローはパンケーキを食べたことが無い。自分たちのいた星では、奴隷の身分で食べられるものではなかったし、この地に来てからもクマダが食べるのを傍から見ているだけだった。そもそも、シローがそういったものを好んで食べる人間ではなかったこともあり、そういう意味もあってほとほと縁が無かった。
 今なら、このパンケーキの山の中、一枚分くらいの料金が増えていてもわからないだろう。
「あのー、すみません。これひとつください」
 シローが、メニューのパンケーキを指さしながら店員にそう言った。

ストップウォッチがけたたましく鳴り響く。
店の奥、山のように皿が積まれたテーブルに、クマダたちが突っ伏していた。料理評論家の意地だろうか、あんなに大量にあったパンケーキは残さず食べつくされている。店先には、異例だろう「本日、パンケーキ売り切れ」と書かれた紙が貼られていた。
「やっべ」
 そう言って、シローが自分の食べていたパンケーキの、最後のひとくちを口に入れる。そして、咀嚼しながらストップウォッチを手に取り、アラームを止めた。
「対決終了〜。えーと、勝者は……」
 シローの言葉が詰まる。シローは今まで、パンケーキを食べていてクマダたちに目を向けていなかった。
 ふと、一方のクマダ――はじめに、パンケーキを夢中で食べていた方だ――の体の一部がホロホロと灰の様に崩れかかっていることに気が付いた。
「こっち…うん、こっちで〜す。へへっ、それではお騒がせしました〜」
シローはあわてて、倒れたふたりのクマダを担ぎ上げ、立ち去ろうとする。周囲にBUGが居たことに気付かれては、この場が混乱に包まれるのは必至だった。
 店を出る直前、パンケーキの支払いを済ませていないことに気付き、慌ててクマダの財布を漁る。財布の中は、シローの物と違って小銭が無くカード類が数枚入ってるだけだった。それも、黒いカード。
 ムスっとした顔をしながら、カードで支払いを済ませる。レジを打つ店員の顔が驚いていた。シローが慌てて、店を去る。人気の少ない休憩所に着いたところで、クマダのBUGは灰の様に崩れて消えていった。
 その後、シローはクマダが気を失っているのをいいことに、そのブラックカードでたばこを数箱、おやつをいくつか買ったところで、気が付いたクマダのこっぴどく怒られることになる。

 
 クマダはミッション#クマダとクマダのパンケーキ大食い対決をクリアした!
 パンケーキ大好き勝者の栄誉(表現出来ない何か)を獲得♪
 
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 ≫Result:Today


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