人界に戻って、トント鉱山に集合したオレたち3人は。
あれからどうしていたか、これから何をするのか、いろんなことを話し合った。

ハルは、人族と魔族の橋渡しを務める親善大使になっていた。
彼女の師、イーケプラの故郷。人族と魔族が共に暮らす小さな村の話を、少し聞かせてもらった。

鉱山の風景を眺めながら。オレはまた、小さい頃の思い出に耽る。
……オレは竜のように強く、気高く、自由な英雄になりたいと憧れていた。
トロバや、故郷の人たちの希望になりたいと願っていた。
長い夜のように辛い戦いをずっと続けているうちに、夢はすっかり心の奥底に沈んでしまっていたけど。

今ならわかる。希望を求めていたのは、紛れもなくオレ自身だったってこと。
これからは、それを探しに行ってみようか。
遥かに長くて遠い、この道の中で。