3回の記録
はっきり言っておく。アンドロメダより先より来たりしものは幸せである。彼らは全てを見た。(ヒュノーによる福音書 31:14)
その時不思議なことが起こった──迷子のウチュー☆ネコは再び一時の友人たちと合間見えたのだ。ふわふわ。深淵のアイツは不思議そうに通信端末を撫でた。蛮勇な戦士も共に来ている。うっかり着いてきてしまったようだ。つまり高等☆ナビゲーション(このさき右に曲がります)。目的地はこのさき500m。平泡盛は並々とビールを注いだ。注がなかったかもしれない。平原を臨む丘の上で飲むビールは美味しいだろう。ネコは丁寧に断った。誰も勧めていなかった(百合鏡構文)。
インプたちは執拗にネコを狙い炎を射掛ける。やつらは地底犬の手先であったのだ。あるいは先程ウチュー☆ネコがばらまいた魔法の粉によって錯乱しているのか、どちらにせよ炎は空を舞いネコをかすめた。すなわち大☆炎☆上。もちろんネコは耐火なので問題ない。洋画のごとく炎を纏いつつ歩きをとめないウチュー☆ネコに恐れをなしたゴブリンはひとつの石を投げた。メテオストライク!かくしてウチュー☆ネコはその目で再び宇宙を捉えた。頭の周りを星が巡る。つまり気絶(ロスト☆イシキ)、深淵のアイツは少し慌てた。本来この世界戦とは違うところを見ていたからだ。深淵のはこちらが見ていない時にも見つめていないとは限らない。ネコは宇宙の加護により柔らかく横たわった。外傷はいずれ消えるだろう。
6/1 トスナ大陸についた。
正確にはその横の小島……平須国の港の応礁に、だが。
親切な兵士に魔王の話を聞き、ネコは意気揚々と魔王退治のPTを組み始めた、昔からネコはコミュ力が高いのだ……。
宇宙猫はネコのまわりをくるくる回ったあと、寝床の瓶に戻って行った……あまり仲間達がお気に召さなかったようだ。
ネコも路地で仲間たちとはぐれてしまったし、向こうもあまり探していないようだった。寄せ集めだったしな。
俺は仕方なしに『組織』にサポートを要請した。この旅路をネコ一人に行かせるのは不安すぎる。
宇宙猫は気まぐれだし、俺に出来ることは少ないから(それにイマジナリーフレンドたちはネコの出来ること以上のことは出来ない)。
幸運なことに一人の男が手伝ってくれるとのことだ。ありがたい。
6/8 深淵より
困ったことになった。救援を要請していた男との合流に不手際があったようだ。先日のパーティの一部とまた行動することになったが、ネコが戦闘中に倒れてしまった……。元より体力がある方ではない。集中して狙われたら一溜りもないだろう。残りの連中がどうにか倒してくれたようで事なきを得たが……やはり早急に「彼」と合流する必要がありそうだ。