ケンタウロスとの激戦の末、オレたちは関所を抜けプラインガルドへと足を踏み入れた……はずだった。
見渡すばかり荒野ばっかりで、そこら中に戦争の爪痕が刻まれていた。
何が最大の国家だ。こんなとこに人がまともに住めるわけねぇだろ！
思えば関所にあんな大量の魔物が集まっていた時点で何かがおかしかった。
まさかプラインガルドという国家はとっくになくなっていて、とっくの昔に魔王軍に占領されちまったってのか……？
ここまでのオレの冒険は、一体何だったっていうんだ？　こんな荒れ果てた地を踏みしめるためじゃなかったのに――

オレがまだ傭兵だったころの故郷の大地は、まさにここみたいな不毛で、褪せた色が広がっていた。
海も昏い色で、いつも波は猛り狂っていた。
そんな世界でも、魔導機が生み出す魔法の力で、何とか文明が成り立っていた。
オレは空が好きだ。特に、今日みたいな晴れた空が。
あの頃も、今も。見上げれば――

青がただ、眩しい。