流浪の獅子 PT

-- 平須国　郭仰 --

一体何階あるかもわからないような、背の高い建物が並んでいる。
同じような建物ばかりで、道に迷いそうだ。

武器屋でも道具屋でもないめずらしい店を見つけた。
外見からして、他の町では見たことのないような店だ。
入ってみると、ギザギザの小さい円盤など珍しいものが多く並んでいる。

女性
「何をお求め？」

店の奥から、店員と思われる女性が出てきた。
やや背が高くスレンダーで、ところどころ汚れた作業着のような服を着ている。
顔や手も黒く汚れていて、あまり接客に向いた格好ではない。

女性
「あ、もしかして旅人さん？
　ちょっと待っててね。」
女性は奥に引っ込むと、大きな鉄の人形を連れて戻ってきた。

女性
「紹介するわね、この子は弓引き助一号＜ユビキタス ワン＞。
　新作の戦闘機械よ。

　で、お願いなんだけど、この子がちゃんと戦えるか見てほしいの。
　どうすればいいかって？
　単純よ。この子と戦ってくれれば、こっちでデータを取るから。」