かつては私も傭兵でした。

　まぁ、傭兵と言ってもフリーの日雇いで護衛や警備ができます程度の傭兵でしたけど。

　モノホンは傭兵団とかいう集団を作って、それはもうかっちかちの規則を自らに強いて、戦争だろうがなんだろうが、金さえもらえば何とでも戦うやべえやつらです。

　一週間だけ派遣で在籍していたことがあります。
　うっ、思い出しただけで吐き気が……。

　そんなわけで戦士とかいう役割担おうとすると当時の記憶が蘇ります。
　絶賛体調不良。優しくしてください。
　ちょっと次の休憩の時少し横になってもいいですか？

　はっ！　待てよ、そんなことしたら団長に蹴られて、日が落ちるまで訓練させられる……！
　いやいやいやいやいやいや。もう団長は死んだんでした。あやうくかつての恐怖が……。
　死してなお私にここまでの恐怖を植え付けるとは……、恐ろしいやつですよほんと。

　あ、考え事していたら武器を木にぶつけてしまった！　副団長に殺される……！　たすけっ！
　違う違う違う違う違う。副団長も死んでます死んでます。
　今はもう孫が団長でした……。

　はぁ、完全に気疲れしてますね……。落ち着きましょう。ふぅ……。

　ん！！？？？　今誰か、天気の話した後に夕飯の話しました？？？？
　敵襲！？　特攻して先手を取れ！？　ついでに１人殺してこいの合図だ！！

　うおおおおおおおお！！　命獲らないと私が死ぬううううう！！！！
　いくぞおおおおおおおおお！！！






　はい、勘違いでした。
　はい……。はい……。



　恥ずかし……。