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見るからに怪しい魔法使いといった風貌の魔族。
黒いローブに身を包み、常に深く被ったフードからは長い金髪が垂れる。
その奥に浮かぶ瞳は感情によって様々な色へと変わるようだ。

ヒューヒューと細い息を吐き、咳込んだり喀血している様子も珍しくない。
時たまかすかに不気味な笑い声が漏れる。その声はひどく弱々しい。

喋る事ができないのか、笑い声以外の声を出す事がない。
見た目の怪しさも相まって言葉の通じない存在に思えるが言語は解しており、是か否で答えられる問には首を振って応答できるようだ。
話しかけられた内容に対して手振りなどで答えようとする様子はごく普通の穏やかで善良な人物に思える。

右手中指には銀の指輪。表面には「666」と彫られている。呼び名を求められた際はこれを見せてくれるが、本名ではなさそうだ。

大きな木製の杖は魔法の補佐よりは専らふらつく身体を支えたり回避や防御などに用いている。
何らかの武術の経験があるような鋭く素早い動きを見せる事もあるが、激しい動きをした直後には必ずと言っていいほど呼吸困難に陥る。