#17 PT

見慣れていなかったという彼女の言葉に対し、ものすごい勢いで首を縦に振る。

「今まで選ばれた人たち？
おれの知ってる中だと、ピリカって姉ちゃんが『弓の勇者』だってもてはやされて魔界に行くことになったんだけど、逃げて帰ってきた」

「多分姉ちゃんがダメだった分、おれに対するって期待がものすごーく膨れ上がってんだろうな」

「本当にって、そりゃ目指さねーに決まってんだろ！！　おれは勝手に目標を定められた被害者側なんだし！！」

「……正確には言ったことにして、なんとか誤魔化せねーか模索してるところ」

キキト・モヴィ・プランデ「リバーシもキュースターも、どっちもだな。俗に言う都会って言われそうなとこはここが初めて」

キキト・モヴィ・プランデ「しょ、職業柄ってなんだよ！？　そういう各地の変な噂を集めてる人なのか？
まあ集めたら集めたで、こうやって簡単に魔界を目指すと言っている人が大勢いる一方、魔界を目指すことが重圧となっているやつもいるってことは知らしめてほしいかも」

キキト・モヴィ・プランデ「ふーん、魔界到達への記録……実際に行った人はいるにはいるのか」

キキト・モヴィ・プランデ「おう、よろしく。なあクロードさん、その記録にはなんて書いてあったんだ？
おれも魔界に行ったことねーから中身に正しいことが書いてあるかどうか判定できねーけど、正確な記述だったら信じてみてもいいかもな」