鉈ずきんちゃん「……うぅ。べ、別に我慢できないとかじゃないけど、その……お部屋なら誰か来たらわかるし、音も魔法でどうにかすればいいから、その……もうちょっと、したい、です……」
恥ずかしそうに俯いてスカートをぎゅっと握りながらも想いを告げて。

鉈ずきんちゃん「……無理しなくていいよ。お仕事もあるんだし"アレ"が上司だもん。このぐらいの不安ならあの世界にいたときから抱えてるし、大丈夫だから。そう思ってくれただけで十分だよ」
子どものときからそうだったせいか、そうなったらがどれだけ幸せなことかを知りながらも、それが難しいことを知っているせいか、迷惑をかけたくないのか珍しくマリシアの言葉を拒んで。その眼には諦めの色が浮かんでいる。

エミリア「……お兄ちゃんって、私に好きとか言われると露骨にそっけなくなるよね」
ヨハンの顔を覗き込むようにして。

エミリア「しなくてもいいし、難しいこともわかってるよ。けど誰がなんと言おうとこれが私の望んでる未来だもん。」

エミリア「多分恐らくってお兄ちゃん……。絶対調べるから。後、寝やすいかなって思って添い寝してるだけだから、言ってくれればやめるからね？」
そう言って背中を向けたヨハンにくっつくと、子どもを寝かしつけるようにお腹をぽんぽんとして。

エミリア「……あ、ぅ、ごめん、なさい……」
涙を流しながら、ヨハンに謝るために必死に声を絞りだして。