運良く、声をかけてくれた旅行者がいたので同行させてもらうことにした。
正直難儀していたから、誘ってもらえたのはありがたい……が、どうも私とおなじく異邦人の集まりのようで（どうりで、私のような素性の怪しい者に声を掛けてくれたわけだ）、先行きは不安だ。
でも、一人で行くよりかはずっとマシだ。不案内なのはお互い様だし、せいぜい、誘ってくれた恩は働いて返すとしよう。

街を出て程なくしてその機会はやってきた。ゴブリンを含む魔物どもに出くわし、一戦交えることになった。
この子鬼の醜悪さは世界共通のようだーーー頭がからっぽで簡単に潰せるところも。
とはいえ、この数だと一人では厳しかった。やはりパーティに誘って貰えた幸運に感謝しなければ。

戦闘後、武器職人という人が話しかけていた。聞けばここらで旅人が落とした武器を拾っているのだという。
落とした武器を修繕…………か。なるほど。
いい商売だけど、武器を拾われる立場にはなりたくないものだ。
仕事の手伝いをすれば、良い武器を報酬に渡してくれるのだという。青銅の武器では心許ないし、手伝うのもいいかもしれない。