鉈ずきんちゃん「ん、ありがと。特に私達は出身世界も技術の系統も違うしね。飲み物一つ出すのも全然違うし……はい」
　差し出された麦茶を受け取って。そして、麦茶を持っていない方の手にぽん、とあったかいココアが現れると、お返しにそっとまっちゃんに差し出した。

鉈ずきんちゃん「っ……わ……わ、私が、だよ……」
　ジッと見つめられると恥ずかしそうに俯きながらも、小声で返事をして。

エミリア「ん♪ありがとうお兄ちゃん。じゃぁ後は……えいっ」
　そう言ってヨハンの方に振り向くと、甘えるようにぎゅっと抱きつく。

エミリア「んんっ……。本当に大丈夫、だから。教えてくれなかったのは悲しいけど……そもそもお兄ちゃんに恋人さんがいたことは、いいことだもん……」
　抱きしめられてると痛いのか少し辛そうな声を出して。それでも安心させようと無理に笑っているが、声は喋る度に小さくなっていく。

エミリア「ちなみに、私に似合う言葉って？」

エミリア「そんな恥ずかしがらなくてもいいのに……でも、私のこと可愛いって思ってくれてるんだね？お兄ちゃん♪」
　そっけなさを照れ隠しと受け取って。意地悪な笑みを浮かべながら、ヨハンの顔を覗き込む。