No-49 おでん屋台ぐんぐにる

「おでん……たまご、ください」

「やはり寒いからのぅ。
大根や卵、餅巾着みたいな熱々のものを食べたくなってしまうのは人情じゃ。
ええい、オヤジは我々をこんなに餌付けしてどうする気じゃ！
（文句言いながらも食べるのはやめない。もぐもぐ）」

「
ぶどう酒はやはり水を奇跡で酒に変えたのかのー。
は、原価タダ……？
やはりおでんには日本酒だと思う、が。
通貨がないこの世界の状況じゃと、タダよりありがたいものはないという気もしてくるの。
……支払いはやはり働いて返すか、さて？

」

「へいらっしぇい。
あいよ、大根大根餅巾着餅巾着。
汁椀で出すことにしたから、皿の方がいいときゃ言ってくんな。

しかし皆大変だぁね。なんでも全滅食らっちまったところが4PT出たんだって？
ウチのお客さんは大丈夫だったみてぇだけど、気をつけておくれな。
無理はせんどくれよ、とりあえずおでん食って暖まっときな」

「餅巾着と、あと牛すじはあるかな。」

「あつあつが美味しいんだよね。」

「どうも、ありがとうございます。
こう冷えてる時に暖かい食べ物はやっぱり嬉しいですから。
出汁もよく染みて、有難い限りですよ…いや、本当ですって。」

「しかし、ここも人が増えてきましたね。
僕が召喚される前の世界でおでん食べてた人達が殆どいないのが印象的。
色々出来そうですよね、これだけいると？」

「シズオカ風？　……あ、いつぞや前座でやったフジで食べたおでんの事ですか！
あれが一番美味しかったんですよね…いや、ありがとうございます！
それじゃあ、蒟蒻と牛すじ、お願いします。」

「おー　新メニューの試食ならまかせときー
　試食大好きなんだよね、俺。
　そんなわけで一丁頼むよ、おやっさん」

「で、もちろん試食はタダだよね？」

「おでん食べれるんだ。じゃあ卵とはんぺんと…それからウィンナーで。餅巾着が人気なのが不思議。あれって口の中もっちゃもっちゃして食べるの大変だし。

しょうが醤油っておいしいけど、僕はお味噌も好きですね。>ハムさん」