とろい子
「私は元の世界に戻った 気がつくといつもの部屋のいつものベッドの上で目が覚めた 今日も学校に…ふと何か大事なことを忘れていた気がした なんだろう… それはとても苦しかったこと、何か楽しかったこと 別の世界で自分は英雄か何かだった気がした 昨日読んだ小説の影響だろうか 目の前に見える蜃気楼のように、面白い夢を見て起きたときに忘れたしまったようなそんな感じに似ている 胸が空虚な感じになり、目から涙が溢れでてくる 気がつくと手の中に何かを握っていた 赤い石だ ルビーのような赤い石を握っていた 私はこれは大事にしないと そんなやりとりをしている間に学校の始業の時間が迫っていたので慌てて仕度を始める さっきの赤い石を握り締めながら 久しぶりの学校なのに遅刻したら大変なのだから 「ん?久しぶり?」 違和感が頭の中を走ったが、それを振り払いながら私は家を出た」 |