『召喚士』からのひとこと(第28回)

剣士ルヴィーダ
女の子
「おーい!」
赤い髪の女の子が召喚士の前に姿を現わしました。
召喚士
……あなたは
女の子
「睨まないでくれよ『召喚士』。あたしは味方だよ、み・か・た!」
取引メイ
……お嬢様
召喚士
メイ。下がっていていいわ
取引メイ
はい
女の子
「そうそう。二人とも、知り合いに向ける態度とは思えないね」
召喚士
そうかしら。いない人間には当然の対応と思うけれど
女の子
「それに関しては弁解できないね。身体が動くようになったのは、つい先日だったからさ」
召喚士
名前は?
剣士ルヴィーダ
「『ルヴィーダ』」
召喚士
そっちを選んだの……大丈夫なのかしら?
剣士ルヴィーダ
「懐かしい名前だろ。しばらくは支障はないと思うよ。どうせ、あたしの役割はだいたい終わっているしさ」
召喚士
そう。そのわりに、私が召喚した彼らに接触しはじめたようだけど
剣士ルヴィーダ
「銀貨のことか?」
女の子は一枚の銀貨を取り出し、かざしました。
銀貨の表には、女性の横顔が彫られているようです。
召喚士
……そんなものを持ってきたの
剣士ルヴィーダ
「どうせ『コレ』だって、このままじゃ使い道がないだろ? だったら有効活用しないとなー」
剣士ルヴィーダ
「それにアレが迷惑かけているみたいだしね。少しは手伝うさ」
召喚士
ルヴィーダ、アナタはこれからどう動くのかしら
剣士ルヴィーダ
「んー。あたしはテンコ主任とかみたいに、サポートするのは苦手だし、今のとこプランもないからさ。一緒にいても役に立たないよ」
剣士ルヴィーダ
「とりあえずまあ、ちょっとばかし返してもらいたい貸しもあるからね。そっちを片付けてくるさ」
剣士ルヴィーダ
「というかそっちこそ。あたし以外を集められたみたいだけど、肝心の『藍色』が欠けたらしいじゃないか。どうするんだよ、あのヒト以上の魔法使いなんて見つかるのか?」
召喚士
……大丈夫よ。アテがあるの
剣士ルヴィーダ
「そっか。ま、ちょくちょく寄らせてもらうよ」
召喚士
気をつけて行きなさい
剣士ルヴィーダ
「あんたこそ。身体に気をつけなよ」