『召喚士』からのひとこと(特別編)

「最近、『召喚士さんの護衛にちっとも喚ばれない！』とお嘆きの紳士諸君に、召喚士護衛の優先度について解説しようと思います」

「……ネクラさん？　あなたコナゴナになって死んだんじゃなかったですっけ」

「ここは番外編ですから。本編の影響は半々ということで」

「それにこの項目において、僕以外に適任者はいませんからね。はっきり言ってこの道極めてます」

「ストーカー……」

「失敬な。ちょっと奥手と言ってください……とりあえず召喚士さんの護衛をするには、タクティクスフォームの『召喚士の護衛を志願する』にチェックを入れることは今や常識ですが」

「これにチェックを入れても召喚士さんに『今回はアナタの出番よ』と言われない人も多いと思います。屈辱ですね。で、それは何故かといいますと」

「いいますと？」

「アビリティ『ストーキング修練』の熟練度が足りていな──もとい、毎週チェックを入れていないと結論づけられます」

「ちょ、なんか言いかけませんでしたか!?」

「まず、召喚士さんはチェックを入れている人を全員喚ぼうとしません。人数が少ないと良いのですが、多くなりがちなんですよね。魔石ばらまいちゃうせいもあって」

「それをランダムで喚ぼうとすると、喚ばれない人が発生してしまう恐れがあります」

「ではどういう基準かというと、『召喚士さんの護衛がしたい度』みたいなポイントがあるのです。これはチェックを入れていると毎週貯まってきます」

「このポイントが高い上位数十人に声を掛けているわけです。召喚士さんが『今回はアナタの出番よ』と言ってくれる人は、このポイントが多い順なのですよ」

「このポイントは増えるだけではなく、減ることもあります。喚ばれた人は減っていき、ローテーションが組まれる訳です」

「そんな要素があったんですね。つまりは、そのポイントをコントロールすることで喚ばれやすくなるわけですね」

「そうです」

「どういうときに増えるんですか？」

「増えるときは、ですね……『チェックを入れて更新を迎えた』『イベントでポイントを貰った』『ポイントが大きく増える依代を使っている』がありますね」

「チェックを入れないとポイントがまったく増えないことに注意が必要です」

「あれ。依代でも違うんですか？」

「はい。その依代は護衛をアピールしますので。依代の本能ですね」

「はあ……」

「ちなみに減るときは以下のときです……『今回はアナタの出番よと言われた(小)』『ボス戦に参加した(小〜特大)』『攻略戦に参加しなかった(大)』などですね」

「ボス戦の変化は、どれだけ早くに参加しているかによって違います。魔石を多く貰ったときは、ポイントが激減していると思ってください」

「攻略戦に参加しなくても減少するんですね」

「攻略戦は危険ですからね。怪我しないように考えてくれるのです」

「……と、以上のことを踏まえると、常にチェックを入れる事で喚ばれやすくなることが理解いただけると思います」

「まあ、喚ばれると大抵はボコられるので、大けがすることは覚悟の上ですね」

「ポイント順位はランキングの『召喚士のお供度』で確認できます。ここに名前が載っていたら、ほぼ確実に喚ばれますよ」

「ついでに『今回はアナタの出番よ』と言われてもパーティーに含まれていないことがあります。この場合は、優先的に救援に向かう権利がもらえるのです。場合によってはこっちの方が美味しいですね」

「なるほどなるほど……勉強になりました。これでいつでも護衛に行けますね」

「ところでネクラさんって、こういうキャラでしたっけ。なんかいつもオドオドしていたような」

「インドアですが対人恐怖症というわけではないので。あの人以外には基本的に緊張しません」

「それに目の前にいるのはカボチャの親戚……もとい、見ていてリラックスできる人ですし」

「酷い！」