『召喚士』からのひとこと(第28回)

「おーい！」

「……あなたは」

「睨まないでくれよ『召喚士』。あたしは味方だよ、み・か・た！」

「……お嬢様」

「メイ。下がっていていいわ」

「はい」

「そうそう。二人とも、知り合いに向ける態度とは思えないね」

「そうかしら。いない人間には当然の対応と思うけれど」

「それに関しては弁解できないね。身体が動くようになったのは、つい先日だったからさ」

「名前は？」

「『ルヴィーダ』」

「そっちを選んだの……大丈夫なのかしら？」

「懐かしい名前だろ。しばらくは支障はないと思うよ。どうせ、あたしの役割はだいたい終わっているしさ」

「そう。そのわりに、私が召喚した彼らに接触しはじめたようだけど」

「銀貨のことか？」

「……そんなものを持ってきたの」

「どうせ『コレ』だって、このままじゃ使い道がないだろ？　だったら有効活用しないとなー」

「それにアレが迷惑かけているみたいだしね。少しは手伝うさ」

「ルヴィーダ、アナタはこれからどう動くのかしら」

「んー。あたしはテンコ主任とかみたいに、サポートするのは苦手だし、今のとこプランもないからさ。一緒にいても役に立たないよ」

「とりあえずまあ、ちょっとばかし返してもらいたい貸しもあるからね。そっちを片付けてくるさ」

「というかそっちこそ。あたし以外を集められたみたいだけど、肝心の『藍色』が欠けたらしいじゃないか。どうするんだよ、あのヒト以上の魔法使いなんて見つかるのか？」

「……大丈夫よ。アテがあるの」

「そっか。ま、ちょくちょく寄らせてもらうよ」

「気をつけて行きなさい」

「あんたこそ。身体に気をつけなよ」