No-604 英雄じゃない

「あやかさん。私たちが居るじゃないわ。
召喚されなければこの戦争には、居ないで済んだのよ。
召喚士に拉致されて、『彼女』に魂の存在にされただけだわ」

「善意の施しと、勝手に全てを投げ打たされるのは別物よ。
私にだって元の世界の生活がありますわ、家族も友人も。
人を殺す事や殺される事も経験したくありませんでしたわ」

「『彼女』を倒して身体を取り戻した時には、
召喚士を……」

「＞メルキュレさん
そうですよね、私たちにだってできることはきっと何かあるはず。
私達は英雄じゃないけれど…手伝うことぐらいはっ」