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『召喚士』からのひとこと(第26回)
巫女ユミのおふだ
巫女ユミ
「
せっせと……
」
巫女ユミが何かを作っています。
商人トレハ
「ユミさんじゃないですか」
巫女ユミ
「
あっ、トレハさんっ。何処に行ってたのですか?
」
商人トレハ
「え、まあ……そんなことより、何を作ってるのですか?」
巫女ユミ
「
おふだですよ。ご神体も取り戻してかなり経ちましたし、そろそろ足手まといかな?と思い始めたところでして
」
商人トレハ
「へー、神社ですか。たしか精霊魔法系の方と聞き及んでおりますわ」
巫女ユミ
「
そうですよ。巫女は、カレイディアじゃ少ないですねっ
」
商人トレハ
「奇遇ですわね。わたくしの実家も神がつく仕事をしていたのですよ」
巫女ユミ
「
ほんとうですか、もしかしてお仲間ですかっ!?
」
商人トレハ
「
異端よ異端よ異端さん。あなたの神社は何処ですか?
」
巫女ユミ
「
えっ
」
商人トレハ
「
口割らないと煮えた湯飲ーます
♪
」
巫女ユミ
「
あっ、あう……あなた、もしかして異端審問の……
」
商人トレハ
「冗談ですわ」
商人トレハ
「そんなこと数十年前に終わってますわよ」
巫女ユミ
「
はっ、はいっ(ふるふる)
」
商人トレハ
「というかわたくしの実家も没落してしまったので本当にお仲間です。仲よくしてくださいませ……」
巫女ユミ
「
ご、ご愁傷様ですっ……
」
商人トレハ
「それにしても面白いポストカードですわね。知らない文字みたいなものが書かれていますが……」
巫女ユミ
「
おふだって言うんですよ。精霊魔法の一種ですねっ。魔石を使って使い切りの魔法アイテムがつくれるんですっ
」
巫女ユミ
「
たとえば今作っているものだと、『致命的なダメージを受けても一度だけHP全快で復活』という効果がありますねっ。精霊魔法は元々攻撃的な術ばかりですから、戦闘能力増強がほとんどになってますっ
」
巫女ユミ
「
保存も出来ますよ
」
商人トレハ
「なかなか強力な魔術のようですわね」
巫女ユミ
「
使い切りですけどね。戦闘の度に用意するのが大変ですっ
」
商人トレハ
「へえ……それって、精霊魔法を使える方じゃないと扱えないのですか?」
巫女ユミ
「
そんなことありませんよ、器用な方でしたら、簡単なものでしたら誰でも使えますっ。精霊魔法というより、射撃の上手な人ですねっ……コツさえつかめば作ることもできると思いますよ!
」
商人トレハ
「……」
商人トレハ
「それ、売れるんじゃないですか?」
巫女ユミ
「
はい?
」
商人トレハ
「いやその……英雄の方々に簡単なコツを教えて作ってもらって、取引メイさんに頼んでその他の方々に売ったりしていけば、戦力の増強になる気がしますし」
巫女ユミ
「
お、おお!?
」
商人トレハ
「それに初歩的な物の作り方だけ教えて、少しだけ使用料をもらえば、復興の資金になりそうな気がしますが……」
巫女ユミ
「
それは素晴らしいっ。みんなが幸せになれる気がしますっ
」
巫女ユミ
「
ありがとうございますっ、早速相談してきます!
」
商人トレハ
「ええ、実用化できたら面白そうですわね」
商人トレハ
「(おふだ……手数料……魔石……)」
巫女ユミ
「
どうしました?
」
商人トレハ
「いえ……このシステムをうちの穀潰しに応用できないかと考えたんですが……何をさせたものだか……」
巫女ユミ
「
はあ……
」
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