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『召喚士』からのひとこと(第17回)
魔法の時代遷移
戦場アナ
「
精霊使いって微妙と思いませんか?
」
召喚士
「
いきなりどうしたのよ
」
戦場アナ
「
だって魔法使いなのに弓とか銃を使わないといけないのってビミョーじゃないですか?
」
戦場アナ
「
やっぱり魔法使いなら、杖振ってドーンですよ
」
サチ司書
「
それには同感である
」
戦場アナ
「
キャァァァァァァッ!?
」
サチ司書
「
人の顔を見て悲鳴を上げるとは失敬な娘であるな。しかし寛大な小生は怒らないのである
」
戦場アナ
「
そのパターンはもう嫌です!
」
サチ司書
「
うむ。小生としてもマンネリ化は避けたいところである。よって新しく
」
召喚士
「
話が進まないから後にして
」
戦場アナ
「
はい
」
サチ司書
「
承知した
」
戦場アナ
「
……で、精霊使いというか、精霊魔法って微妙と思うんですよ。なんであんなに中途半端なんでしょうね
」
サチ司書
「
今回の議題はそのようなことか
」
サチ司書
「
そのあたりは主に時代遷移の問題であるな
」
戦場アナ
「
時代遷移?
」
サチ司書
「
それぞれにゆえんがあるということだ。魔法の三系統が一つの魔法を起源とすることは前に説明したな
」
戦場アナ
「
ですね
」
サチ司書
「
精霊魔法も起源があるのである。その起源とは、自然操作である。ここでの自然操作とは、雨乞いが基本であるかな
」
戦場アナ
「
それはまた、なんだか地味ですね
」
サチ司書
「
そうでもないぞ。付近一帯の天候を操作する魔法だったからな。町一つを飲み込むぐらいは軽く範囲があった。
」
サチ司書
「
さらに、雨乞いはまだ小規模な方だ。地震の制御、台風や津波、人為的な土砂崩れに雪崩。今の幻創魔法を上回る規模の攻撃魔法があったのである
」
戦場アナ
「
おお。それはロマンがありますね。実は精霊魔法が最強なんじゃないですか!
」
サチ司書
「
そうでもないのだ
」
戦場アナ
「
えー?
」
サチ司書
「
精霊魔法が強大な破壊魔法だった時代は、他の二系統もまた強大だったのである。星図魔法は天空から隕石の雨を降らして島を沈めたり、幻創魔法はとてつもない魔神を現出させて制御できなくなってしまったという話だ
」
戦場アナ
「
うわ……それは
」
サチ司書
「
それらの魔法を使う才がある者が、数多くあったという
」
サチ司書
「
加えて三大魔法は自分こそが『偉大なる魔法使い』の後継者を自称して、お互いを排斥し合った。根本的に仲良くすることができなかったのである。それらが争って、何度か国が滅亡しているな。カレイディアは元々はもっと大きな世界だったとも聞くぞ
」
戦場アナ
「
そんな危ない魔法がいっぱいあったら、バトルフェイズが派手になりそうですね
」
サチ司書
「
まあ……今はないがな
」
戦場アナ
「
どういうことなんですか
」
サチ司書
「
現在はすべての魔法が『七つの魔宝』によって制御されているからだ。魔宝は一般人に魔法の力を与えるのと同時に、極大な魔法を使用できないように、力を拡散しているのである。トータルは同じでも、平均化すれば、個々の力は弱くなると言うことだな
」
サチ司書
「
この、魔法によって制限がかかっている威力の魔法は『禁術指定』といわれている。万が一にも使えないように、技術書の類も現在は破棄されている。それを使うことはもちろん、所持も調査することすらも重罪だからオススメしないぞ
」
サチ司書
「
ちなみに誰が『魔宝』をもたらしたかはわかっておらん。何度も滅んでも懲りぬ者達に、天罰が下ったと伝説は語っているな
」
戦場アナ
「
なるほど。それで現在は、こんなに地味になっているんですね
」
サチ司書
「
うむ。三大魔法の使い手達は、それぞれ弱い魔法力で最大の結果を出せるように研究している。星図魔法は奏唱による拡大、精霊魔法は銃火器の併用。幻創魔法は魔法の制御技術の洗練だ
」
戦場アナ
「
でもそれって、『七つの魔宝』がなくなったらどうなるんですか?
」
サチ司書
「
過去の時代に戻り、強大な魔法が行き交う大戦争の再来であるな
」
戦場アナ
「
ちょっ、それ危ないじゃないですか!
」
サチ司書
「
そのために魔宝には管理する者がいるし、悪用しないように互いににらみをきかせているのである
」
戦場アナ
「
なるほど、勉強になりました!
」
戦場アナ
「
(ふう。オチがついたようですね。今回は素直に相槌を打って正解でした。つまんない話も終わりのようです。後はちょっとボケてこの場を退散することにしましょう……)
」
戦場アナ
「
ってアレ、召喚士さんは?
」
サチ司書
「
召喚士殿はショッピングに向かったぞ
」
戦場アナ
「
えっ
」
サチ司書
「
そんなことより。今日の君はいつにもまして勉強熱心だった。感心である。それを称え、小生がしばらくつきっきりで魔法学をたたき込んでやろう。存分に話を聞くがいい!
」
戦場アナ
「
たすけてぇぇぇっ!
」
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