No-198 狭間の魔術書庫

「さてと…時間も無い事ですし、とっとと調べてしまいましょう。
(戸棚にある本を数冊と、机に散らばっていた紙を手元に引き寄せ、彼女は考察を始めた)」

「この世界での魔術系のクラスは「支援」と呼ばれているのね……支援、ねぇ…
…で、回復系は…低級クラスの「治療士」と中級クラスの「ドクター」「パラメディック」…これより上の情報はまだ解除されていないのね…思っていたよりも意外と多いのね、すばらしいわ。解呪系のものもあればもっと素敵なのだけれども。

先ずは「治療士」ね…「応急処置を得意としており、戦闘不能になった仲間を助けることができる」…アビリティは基本の二つ以外に「ファーストエイド」と「マジカルドーピング」…ふうん…」

「ファーストエイドは…えーと「味方の回復・蘇生を行える唯一のアビリティであり、中級クラス・ドクターのコンファイン条件の一つとされている」ね…戦闘中にしか使えず、回復量はそんなに多くないのね。蘇生も必ずできるってわけでもなさそう…まあ、低級クラスだとこんなものかしら？

ファーストエイドが幻創魔法で構築された魔術だとすると、対象者の傷を癒す、のではなくその対象者がもっている細胞を瞬時に再構築して元の状態に戻す…もしくは元に近い状態に戻す…というほうがあっているのかしら？たしか幻創魔法は物質を瞬間的に構築して成り立つって言ってたわよね…

「物質」を構築…実際、何も無いところから何かを作り出すのか、己の魔力を結晶化させてそのものに「限りなく近いもの」を作り出しているのか…まだまだ調べる余地はありそうね。

次は対応するスキルっと………」