No-187 幼女と天使とミドルな旦那の珍道中

「姉様にくっついていたのは別によいのだが……姉様がちゃんとしていたのであればよいが……(切なそうに瞳をゆらせつつ、手はぐにぐにとセイガの頬を引っ張って）」

「＞リスト殿
うむ…………はなれてもうしばし経つ。生き別れという程度に終わっていればよいのだが……今生で会えれば、とそう思うしかないのぅ。」

「それとリスト殿。我が思うことであるゆえ、一般的であるかどうかはわからぬが――優しく甘えさせてもらえた記憶というのは、離れたときこそ己を苛む毒ともなろうが……時を経れば、この上ない己の支えとなってくれるものであると、そう思うよ。
娘御と再会した際には、甘えることができた記憶をくれてやるのもよいのではないかと思うが、どうであろう………………ふむ、柄にもなくちとしゃべりすぎたの。姉様の話題のせいであろうか。」

「（まだぐにぐにしていた手を離して）

……ふむ、しかしアレであるな。まぁ匂いがうつるほどくっつこうとしても、逆に酷き目に合わされていたのがオチであろうから、そういったことがあったとは誤解はしておらぬぞ？

匂いというのは……なんであろうか、感覚的なものとでもいうべきか……うまく言い表せぬが、気配の名残のようなもの、かのぅ……。」