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『召喚士』からのひとこと(第6回)
血塗れ闘技場
戦場アナ
「
諸君、私は帰ってきたぞッ!
」
召喚士
「
いきなり飛ばしているわね
」
戦場アナ
「
いやもう、『召喚の御座』は窮屈でして
」
戦場アナ
「
やっぱり住み慣れた実家……もとい故郷みたいなモンの空気はいいわけです
」
戦場アナ
「
シャバの空気は美味いってわけですよ
」
戦場アナは大きく息を吸い込みました
戦場アナ
「
げふッ、げほッ
」
召喚士
「
観光地じゃないんだから……。もうカレイディアなのよ?
」
戦場アナ
「
うう、ヒドい空気。忘れていました。この世界は、あんまり自然チックでエコロジーな所じゃなかったんですよね。誰かさんのせいで
」
召喚士
「
そうね。最初のマップは『血塗れ闘技場』よ
」
戦場アナ
「
赤の魔宝を目指すわけですね
」
戦場アナ
「
ってあれ、魔宝は此処にあるんですか? 『彼女』は手元に持っているんじゃ……
」
召喚士
「
魔宝の支配権を握っていたら場所は関係ないの。それに、どうやらエサでしょうからね
」
戦場アナ
「
なるほど。召喚士さんをおびきよせる
」
戦場アナ
「
……それにしてもひどい空気ですね
」
召喚士
「
元々は粗野だけど活気のある町だったんだけどね。変質した今は、住人のほとんどが血に染まっているわね
」
戦場アナ
「
染まっているっていうと
」
召喚士
「
突如現れた魔獣に住人が食い殺されて、その血で町が真っ赤に
」
戦場アナ
「
キャァァァァッ!?
」
戦場アナ
「
すみません、私、グロ耐性あんまりなくて……
」
召喚士
「
冗談よ。そこまでひどくないわ
」
戦場アナ
「
そこまでじゃなくても、ヒドいんですね
」
召喚士
「
ええ。この腐臭とも空気の原因は、突如この町に蘇った、闘士たちの死体のものよ
」
召喚士
「
闘技場というだけにこの町は闘技が栄えていたの。剣闘といった、殺し合いを見せ物にする娯楽が存在していたわ
」
召喚士
「
純粋に戦いが好きだった人もいたかもしれないけど、大半は奴隷かそれに似た待遇で無理矢理戦わされていたみたい
」
戦場アナ
「
今は廃止されていますよね
」
召喚士
「
だいぶ前にね。今は、死ぬまでは戦わない、昔よりは穏やかなものよ。でも、それがあったのは確かで、この町の地下にはそこで死んだ彼らの、名もない墓……いや、死体廃棄場があるわ
」
戦場アナ
「
墓を作ってもらえなかったんですね
」
召喚士
「
殆どはね。彼らのすべてを否定したくないけど、栄光や充実の中で死ねたのは多くないと思っているわ。大半は無念と恨みの中死んでいったでしょうね
」
戦場アナ
「
彼らがよみがえってきたというわけですか?
」
召喚士
「
外見上はそうね
」
召喚士
「
蘇った剣闘士は死体だから前ほどの機敏さはないけれど
」
戦場アナ
「
この町は闘技する人たちがいますよね。のろのろする死体ならなんとかできるんじゃないですか?
」
召喚士
「
なにやら生命力があるようでね、倒してもすぐに治ってしまうみたいなのよ
」
戦場アナ
「
あう、不死身ですか!?
」
召喚士
「
かなり近いわね
」
召喚士
「
剣闘士達も苦戦しているみたい。まあ鈍重なせいで民間人の被害は最小限みたいだけど
」
戦場アナ
「
い、いきなりきっつい敵がでてきましたね……どうするんですか!?
」
召喚士
「
シンプルな話ね。粉微塵に砕くのみよ
」
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